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宇宙を見つめ続け、人々に夢とロマンを与えていた世界13の天文台・観測所廃墟

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(著) (編集)

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 神秘の謎に包まれる宇宙。人類は宇宙に魅せられ、天体観測や天文現象の研究を続けている。

 17世紀に望遠鏡が発明され、天体の光を捉えるために望遠鏡が大型化していくと、固定した建物の中に望遠鏡を据え付けて観測するというスタイルが一般的になった。

 その為、天文台は観察に最適な建物は円形のドーム状をしており、天体からの微かな光を観測するために、市街地から離れた光害のない暗い場所に建てられる。

 役目を終えた天文台は、人里離れた場所で、その特徴的な形を残しながらひっそりと朽ち果てていく。今回は、パタゴニア山脈からユーラシア大陸まで、世界各地にある、廃墟となった13の天文台や展望台を見ていくことにしよう。

1.ワーナー&スワジー観測所(オハイオ州クリーブランド)

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image credit:Mark Souther

 この展望台は100年以上も前に建てられたものだ。かつてはクリーブランドの天文学の中心地で空高くそびえ立つ、科学進歩主義の象徴であった。

 しかし、第一次世界大戦後の時点で、すでに建物は時代遅れとなっていた。だが1894年に、屋根に約9.5インチ屈折望遠鏡が取り付けられ、時代の流れについていこうとした。

 その後も24インチ、そして36インチの望遠鏡が取り付けられ、M型や炭素星などの重要な仕事を支えてきたが、米国の人口が増え、多くの住宅が建ち始めると、観測所には明るすぎる環境になってしまい、1950年には理想的な条件での天体観測はできなくなっていた。

 そして1983年、恒久的に閉鎖され廃墟となった。

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image credit:Mark Souther
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image credit:Mark Souther
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image credit:Mark Souther

2.フェリックス・アギュラー観測所(パンタゴニア)

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image credit:Doug Letterman

 1960年、パンタゴニアに創設されたフェリックス・アギュラー観測所。経営維持費が高すぎたため、数年間しかオープンされてなかった。荒れ模様の天候により、夜間の観測が厳しかったこともすぐに閉鎖された要因でもある。

 写真家のドグ・レターマンが苦労して建物にたどり着いたが、そこあったのは、ただの抜け殻の観測所だった。

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image credit:Doug Letterman
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image credit:Doug Letterman
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image credit:Doug Letterman

3.ファファンタルの展望台(ルクセンブルク)

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image credit:Tristan Schmurr

 ルクセンブルグは、本当に驚くほど小さい。この展望台はその中のさらに小さな町、人口2000人以下のファファンタル区にあった。

 ツルが屋根を覆い、地表から伸びてからみついている枝が展望台を空へと押し上げてしまいそうだ。壊れた金属、垂れているワイヤ、全てが絶望感をかもしだしている。実に長い間、ひっそりとここに佇んでいるのだろう。

 ルクセンブルグの光害レベルは高く、この地図からも分かるとおり、国全体がオレンジ色に包まれるようになってしまった。そのため、この展望施設も使えなくなってしまったのだろう。

4.モホン・デル・トリゴ観測所(スペイン、シエラネバダ)

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image credit: Fouaustral

 スペイン南部のアンダルシア地域、イベリア半島にあるシエラネバダ山脈は、「寒々とした光景」、「禁断の土地」、「僻地」、「美しい自然」と、まさに長い間隠されてきた宝物が見つかるような場所だ。

 都市探検や現代の遺跡に興味のある人にとっては、モホン・デル・トリゴ観測所が最高の宝物になるかもしれない。

 1902年に建てられたこの観測所は山頂に静かに佇み、見渡す限りの青空には淡い赤い縞模様が描かれている。

 かつては最新鋭の設備を誇っていたこの観測所も、今では過去の産物と化してしまった。展望台の所有者は、施設を維持することができず放棄した。1970年半ばには、観測所は空っぽとなり、山の冬の寒さにさらされていた。

 しかし、こんな惨めだった観測所も現在は第二の人生を送っているようだ。今では廃墟スポットとして、たくさんの人が写真を撮りにくる。

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image credit: Fouaustral
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image credit: Fouaustral
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image credit: Fouaustral
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image credit: Jebulon

5.放棄された草原天文台(アメリカ、イリノイ州)

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image credit:wikimedia

 砂漠や山頂に多くの天文台が建てられているのには、理由がある。乾燥気味の澄んだ空気は、神秘的な雰囲気を作り出すだけでなく、設備が長持ちするからだ。

 とは言っても、気軽に山頂に行ける人はそうそういない。そこで、毎晩観測したいという熱心な学者たちは自分たちで天文台を建てたようだ。

 イリノイ大学は、ウォルナットポイント州立公園の端にある暗い場所を利用し天文台を建てた。1969年に稼動した天文台には、巨額をかけた大規模な40インチのカセグレン・リフレクターが搭載されていた。

 しかし、わずか12年後に閉鎖され、1981年には空っぽの建物となってしまった。

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image credit:wikimedia

6.カルパチア国立自然公園の「白い象」(ウクライナ)

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image credit:wikimedia:Taras Dut

 カルパティア山脈は、ヨーロッパで見ることができる雄大な自然の一つだろう。

 険しい山々、どこに流れ着くのか分からないような川、そしてオオカミとオオヤマネコの群れなどが見られるこの山脈は、西ヨーロッパのチェコ共和国から東部のルーマニアまで伸び、中央ヨーロッパと東ヨーロッパを通っている。

 その途中、ウクライナに、忘れられた観測所がある。

 この観測所は、地域がまだポーランドの一部であった時代の1938年に建てられオープンしたが、1年も経たないうちに恒久的に閉鎖された。

 孤立した観測所は非常に僻地にあり、雪が積もったその建物の外観からBialy Slon(白い象)と呼ばれていた。

 観測所の放棄の原因は、ポーランドがナチ軍によって占領され、観測所は守備隊の支柱になったためで、ナチ軍が去った後は赤軍に使われていた。第二次世界大戦の終結を迎えると、この建物はさらに孤立することとなり、現在に至る。

7.放棄された展望台(アメリカ、インディアナ州)

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image credit:Timothy Richards

 インディアナ州ブルーミントンの近くの森にある孤立した展望台。この小さな展望台は、かつては重宝されていたが、ショッピングモールが近くに建設された後、光害が問題になり放棄されたらしい。

 展望台のドームは、タイルで覆われた木材の内層で形成されている。

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image credit:Timothy Richards

8.エル・カラコル天文台(メキシコ、チチェン・イッツァ)

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image credit: Dan Lundberg

 近代的な天文台に見えるが、古代石で造られている。906年に建てられた古代の建物なのだ。まさに近代観測所の幕を開けを飾った建物と言えるだろう。

 信じられないほど、精巧に造られたこの古代石の天文台は、マヤのピラミッドの頂上に位置し、所有者が地平線を横切って金星のコースを追跡できるように、窓が一定間隔で彫られていた。蒸し暑い熱帯雨林の夜、そこは見渡す限りの星空だったことだろう。

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image credit:Bruno Girin

9.ウェール・ビジー観測所(イングランド、コーンウォール)

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image credit:Google Earth

 コーンウォールの湾岸半島の大西洋の端には、悲しい展望台の遺跡がある。かつて、重要な鉱区であったコーンウォールは、世界の最大の錫(すず)のシェアを獲得していた。しかし、19世紀後半にはあまり利益が出ず、20世紀になる頃には使われなくなった。

 新しい観測所を設置し、衰退を止めようとしたが、それもうまくいかなかった。やがて観測所は放棄されることとなった。

 さらに悲しいことに、鉱山の遺物はユネスコに登録されたのにもかかわらず、かつてたくさんの星が観測できたこの建物は人々から忘れ去られてしまった。今も孤独な天文台は畑の真ん中に座り、無情に天を見続けている。

10.ベン・ネヴィスの天文台(スコットランド)

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image credit:Blisco

 ベン・ネヴィスの天文台の起源が今でも多くの謎に包まれている。

 1881年、立派なヒゲを生やした気象学者であるクレメント・リンドレー・ラギーは、毎日ベン・ネヴィスで天候を予測していた。彼のデータの有効性を認めたスコットランド気象学会は、この山頂に恒久的な施設を作ることに決め、1883年にベン・ネヴィスの天文台が誕生した。

 それから20年間、この施設は気象所、大気の研究、その他あらゆる面で重宝された。

 チャールズ・トムソン・リーズ・ウィルソンがノーベル賞を受賞した霧箱のアイデアを得たのも、この天文台だった。

 しかし、やがて政府からの資金援助が減ると、天文台の維持は難航し、1904年に援助が打ち切られると閉鎖するしか選択肢はなかった。

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image credit:Malcolm Morris
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image credit:Stephen McKay

11.プルコヴォの観測所(ロシア、サンクトペテルブルク)

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image credit:Philipp Chistyakov/website

 隠れた宝石を偶然見つけた気分になれるのが、このプルコヴォ観測所だ。

 かつてはサンクトペテルブルク市の重要な天文学施設であったプルコヴォも、現在では存在を忘れられた空っぽの建物だ。錆びた金属製のドームで覆われた円筒の天文台は、まるで絵画のように美しい。

 当初は放棄されていたこの観測所も、現在は部分的に使用されているようだ。最近になりプルコヴォ天文台博物館が所有することとなり、この観測所は長い眠りから目を覚ますように、ゆっくりと目覚めている。

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image credit:Philipp Chistyakov/website
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image credit:Philipp Chistyakov/website
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image credit:Philipp Chistyakov/website

12.アードモア天文台(スコットランド)

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image credit: Lairich Rig

 スコットランドのアーアーガイル・ビュートの森の中、栄光から捨てられ荒廃した遺跡がある。かつてのカントリーハウスの敷地内にあったアードモア天文台は、ベン・ネヴィスの片割れのように、とても古い観測所として活躍していた。

 建設されたのは1842年で、数年で完成したようだ。当時はまだ、サミュエル・フィンリー・ブリース・モールスが電信機を夢見ていた時代である。

 それから175年、屋根がなくなり、ドアが取れ、崩壊していく瞬間が見えるようだ。観測所としての役目は終わっているが、さびれた建物としてあと数年はここに存在することだろう。

13.ボール・ヒル観測所(イギリス、シェフィールド)

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image credit:Graham Hogg

 イギリス、シェフィールドにある古いボール・ヒル展望台は、その昔、ピークディストリクトへ向かうメイフィールドバレー沿いにある人気のあるスポットだった。

 天文施設は30年間ほどシェフィールド大学に貸し出しされていたが、2009年以降は使われていなかった。

 賃貸契約により観測所が撤去された後は、土地を元の状態に戻すべきと定められていた。そのため、ボール・ヒル観測所は2011年3月に解体されてしまった。

via:Abandoned Observatories: 13 Defunct Astronomical Institution/ written melondeau / edited by parumo

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この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. 1のワーナー&スワジー観測所って1000年前ではなくて100年前ではないですか?本当に1000年前ならすいません笑

    • +4
  2. 湿気は空気の密度に関係しそれは光りの滲みや揺らぎに影響するので乾燥は好まれます

    • +3
  3. 今は何と言っても宇宙に天文台があったりするし、交通の便や条件からある程度観測に適した地が固まってきちゃったからなぁ。
    観測技術の向上に追いつけるかどうかと言う問題もあって、こうした廃墟は本当に夢の跡だよなぁ。

    • +6
  4. 管理人さん、ちょっと誤字脱字が多いようなので訂正をお願い致します

    • 評価
  5.  歴史と実績のある天文観測所が、無知なバカ共の下品な落書きだらけになっていることに呆れるばかりだ。

    • +8
  6. アクセスが良いと光害が有り 光害をさけると人が行きづらくなる、結構立地が難しいんだね、大戦中は都市が灯火管制していたから研究がはかどったって聞いた事が有るけど、

    • +1
  7. 日本だと三鷹の国立天文台? でも廃墟じゃないか

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  8. №8の”カラコル”は、何か違う様な気が済んだ。

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  9. 病院とかの廃墟と違って恐怖感なく見ることが出来る

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  10. 某天文台の、某ドームは、「倉庫」として第2の人生(建築生?)を送っております

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  11. アレシボ電波天文台も、存続の危機だとか。
    放棄されたら、どうなってしまうんだろう?

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