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宇宙が膨張するスピードは想定外に速かった。(NASA・欧州宇宙機関共同研究)

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(著)

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 宇宙は従来の測定結果や理論的な計算結果よりも速く膨張していることが判明したそうだ。この発見は、1世紀もの間様々な検証に耐えてきたアインシュタインの相対性理論を、部分的にではあるが修正することになるかもしれない。

 NASAと欧州宇宙機関は共同で、ハッブル宇宙望遠鏡で天の川銀河より遠方にある19個の銀河にある恒星までの距離を測定した結果、宇宙が従来考えられていたよりも5~9%速く膨張していることが判明したと発表した。

 研究の中心となった物理学者アダム・リース氏は、「両端から出発したとすると、描画も測定も正しければ、真ん中でぶつかるでしょう。ですが、今回はその両端が真ん中でぶつからなかったんです。その理由が知りたいですね」と話す。

宇宙の天体の距離は98億年で2倍に

 研究から新たに導き出された膨張率は、メガパーセク(326万光年)あたり秒速73.2kmだ。この想像を絶する距離における途方もない速度が正しければ、宇宙の天体の距離は98億年で2倍になることになる。

 これはNASAのウィルキンソン・マイクロ波異方性探査機や欧州宇宙機関の人工衛星プランクによる観察から導かれる膨張率と一致しない。どちらもビッグバンの残光を調査するために打ち上げられたものだが、前者は5%、後者は9%ほど最新の膨張率より低かった。

暗黒物質の仮説にも影響か?

 また今回の発見は、宇宙の95%を満たし、光も放射線も発しない物質についての仮説にも影響を与えるかもしれない。

 差異が生じた原因の可能性の1つとしては、宇宙にはニュートリノに似た未知の素粒子が存在し、光速に匹敵する速度で飛んでいることが考えられる。

 あるいは”暗黒エネルギー”という謎の反重力も原因として考えられる。これは1998年に発見されもので、これまで推測されていたよりも強く銀河同士を押し離している可能性がある。

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ケフェイド変光星の明るさを基準として銀河同士の距離を測定することができる。ケフェウス(中央)とIa型超新星を含む銀河を観察し、その距離を測定する。次にもっと遠くにある銀河の超新星を探す。遠くの超新星同士の明るさを比較して、宇宙の膨張が確認できる場所(右)の距離を割り出す。その結果を超新星の光が宇宙の膨張によって引き伸ばされた度合いと比較する。

加速する宇宙の膨張と一般相対性理論

 リース氏は、宇宙の膨張が加速していることを発見し、2011年にノーベル物理学賞を受賞している。

 この加速する宇宙は、アインシュタインの一般相対性理論にわずかな誤りがある、あるいは少なくとも完全ではない可能性も提起するという。

 「宇宙の暗黒部分についてはほとんど分かっていません。宇宙の歴史を通して、どのように押し引きしていたのか測定することが重要です」と研究チームの一員、テキサスA&M大学のルーカス・マクリー氏。

 この類の研究の歴史は修正と更新の歴史だ。アインシュタインの一般相対性に関する計算は宇宙が膨張していることを示唆していたが、彼自身はそれを誤りだと思い宇宙定数という考えを採用した。

 これについて後年アインシュタイン自身が最大の過ちと後悔したエピソードが伝えられている。

 1923年、当時世界最大の望遠鏡で星雲だと思われたものを見つめていたエドウィン・ハッブルは、実は遠くの恒星系、すなわちアンドロメダ銀河の島宇宙を観察していることに気がついた。

 そして、2年後に後退しているように見える銀河の光の痕跡を観察し、宇宙はあらゆる場所がお互いに遠ざかっており、それは遠い場所ほど顕著であることを提唱した。

 だが、どんな天文観測も距離の計算精度に依存している。1990年にハッブル宇宙望遠鏡が打ち上げられたとき、宇宙の膨張率には2倍もの範囲があった。その後の継続的な観測によってより精密な推定値が求められてきた。

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反重力の存在

 1998年にもなると天文学者は全体像を捉えたと考えるようになっていた。宇宙は一定の割合で膨張していたが、それが止まる可能性も、あるいは宇宙が収縮に転じる可能性もあると考えられた。

 Ia型超新星に分類される星を観測していた天文学者チームは、最も遠方にある星は推定速度でただ後退しているのではなく、加速していることに気がつく。

 それはまるで謎めいた力によって駆り立てられているかのようで、すぐに”反重力”という名称が与えられた。

 これが暗黒エネルギーと呼ばれるものを示唆した初めての事例だ。今もって説明不能な力は宇宙を永遠に膨張させ続ける可能性が高そうである。

 研究者が、ガス、チリ、惑星、恒星、銀河、ブラックホールの全てを合わせても宇宙のわずか4%にしか満たないことに気がついたのはこのときだ。

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 この事実は今から想像もつかないほど先の未来に、目に見える宇宙の中に天の川だけを残して他の銀河全てが宇宙の地平線まで後退してしまっている可能性も示唆していた。また宇宙の膨張が加速していることを証明する遠方の天体もなかった。

 宇宙の膨張速度に関する最新の知見は、こうした長年にわたる天文学の発見の上に立脚したものである。リース氏らの発見は、より高精度の基準を考案し、距離を計算したことによる成果だ。

 彼らはハッブル宇宙望遠鏡で天の川の向こうにある19個の銀河の中に存在するケフェイド変光星(エドウィン・ハッブルに膨張する宇宙に関する最初のヒントを与えた星だ)という特定の種類の星を測定した。

 こうした星のパルスの速さはその明るさと直接的な関連がある。そしてそれは星の距離の計算に利用できる。例えば、遠くにある100ワットの電球が暗く見えるだろう。

 その光の暗さから距離を推定するのだ。またIa型超新星も”基準となる灯り”として利用された。そして速度だけなく、暗黒エネルギーに新しい理解をもたらしてきたのもこの種類の天体だ。

via:theguardianwashingtonpostなど/ written & edited by hiroching

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この記事へのコメント 59件

コメントを書く

  1. あれれ?このナビによるとワープ先に17番惑星があるはずなんだけどな~?

    • -1
  2. このまま宇宙は膨張し続けるのかな?
    ある突然スピードが落ちて止まるなんて事はないのか?
    とにかく不明な点が多すぎるのでなんとも言えんが

    • 評価
    1. ※3
      今はビッグクランチ説よりも膨張を続ける説が有力。

      • +1
    2. ※3
      我々が観測できる宇宙はほんの一部らしい
      果ての先には収縮する宇宙もあるかもしれないが
      どういう形でどうなっているのか膨大すぎて不明らしい

      • 評価
  3. 正月終わった後の体重増え方もかなりすごいよな
    これもある意味宇宙の膨張計算だ

    • +7
  4. 興味はあるけど難しくてよく分からないや

    • +5
  5. 砂で固めたものが水の中で時間を掛けて溶けて広がっているイメージなんだけど、
    じゃあずっと昔の宇宙はどこまで小さかったのか

    • +4
  6. 誰かが端っこまで行って白黒の棒立てるまで保留という事で

    • +2
    1. ※7
      俺は大きな紙の中央に火をつけたっていうイメージ。
      燃えた部分が宇宙で、燃えた後の灰が固まって星とかになってる。

      • +3
  7. こんだけ宇宙がヤバイんだから幽霊とかネッシーがいてもフ~ンだよな。

    • +1
  8. ビッグバンとか膨張宇宙とかデタラメ広めちゃったから、破綻しちゃってどうしようもなくなってきたな。
    はよ定常宇宙が正しかったと認めちゃえよ。

    • 評価
    1. ※12
      遠くの原始銀河ほど速く遠ざかっているのが観測されているんだから、「定常」宇宙ではないのは確かだろ…。
      ※18
      それぞれの視点で見た場合、な。
      よく勘違いされるけど、俺たちの太陽系が宇宙の中心にあるわけじゃない。
      宇宙「全体が」「空間ごと」膨張している。膨らむ風船の上の点だよ。
      他の点から見ると、こちらが宇宙の地平線に向かって遠ざかっている。
      ※23
      「密度が上がる」のと「空間自体が膨張している」は違う。
      空間自体が膨張している場合、ものさしも膨張しているから、本人は膨張している事に気づかない。

      • 評価
  9. 三者三様の測定結果になってるってガバガバじゃねーか

    • -2
  10. 膨張と考えずに宇宙を構成する全てのものが減衰していると考えられるんじゃ無いだろうか
    元はエネルギーであることを考えればエネルギーの減衰により宇宙が膨張しているように
    錯覚をしているだけなのかもしれない

    • -1
    1. ※14
      そもそも全体観測が終わってるような書き方になってるけど
      人間が観測できてるのは全天のほんの一部であって、それをもとに大体の全体数を求めているに過ぎない
      だから誤差なんてこの先いくらだって出てくる

      • 評価
  11. つまり天体は全方向に向かって落ちているわけだ。
    筒井康隆のショートショートにそんな話があったな。

    • 評価
    1. ※16
      永遠にエネルギー放出して減衰して収縮していくんだから、永遠の膨張していくように見えるわな

      • 評価
  12. つまり宇宙が生まれた真の目的が暗黒物質ということで、星や生物はただの副産物、ゴミみたいなものと解釈していい訳かね。

    • 評価
  13. 今月のサイエンスにちょうど載ってるね。
    今はとにかくデータを大量に集めることで、精度を上げようとしてるところらしい。
    日本も参加してるよ。

    • 評価
  14. 宇宙が膨張してるんじゃなくて、全ての物質が収縮してんじゃねえ 絶えずエネルギーを放出してんだから

    • 評価
  15. だったら今すぐ出発しないと宇宙の外側に間に合わないじゃないですか!

    • +5
  16. 宇宙の地平線ってのがもう想像がつかない

    • 評価
  17. 光速より速く膨張していて
    他所の星は見えなくなっちゃうとか怖い

    • +2
  18. 沸騰した水蒸気が膨張しながら冷えて凝集して霧となって、更に広がりながら遂には霧の粒子も蒸発して何も無くなると。でもそもそも宇宙の外からの圧は皆無だろうし、膨張というと語弊もあるし拡散とした方がいいと思う。

    • 評価
  19. どの説も想像レベル超えなくて宇宙って神秘やねー

    • 評価
  20. 見かけの距離を伸ばすなら重力レンズかな
    時間を引き延ばす謎物質だと夢があるかな

    • 評価
  21. 膨張、空間の創造とは、宇宙の外側にある何かを燃やして延焼し続ける火なのかもしれん

    • 評価
  22. 木を見て森を見ず。人類が観測できる宇宙の範囲はせいぜい直径約500億光年の範囲。つまりほんの一部だけです。

    • 評価
  23. 実は世の中の物質が小さくなっているとか

    • 評価
  24. 宇宙の話とか量子力学の話とか、面白いけど最後には投げ出す

    • +4
  25. 5~9%って大きすぎるような。飛躍的に観測技術が上がったせいなのか、宇宙が嫌がらせしてるのかw
    アインシュタインのテヘペロは、ことごとく欺かれて最終的に「うん。わからん。」ってなるのを知ってたみたいだ。

    • 評価
  26. う~ん?
     アダム・リース氏は、「両端から出発したとすると、描画も測定も正しければ~
    とあるけど、これは何を例えてるんだ?
    両端から出発って、ビッグバンなら一点からだよね?描画って何?

    • 評価
  27. ケフェイド変光星の観測から銀河は星雲ではないと最初に気付いたのは、エドウィン・ハッブルじゃなくてヘンリエッタ・リービットだと思うけどね。

    • +1
  28. どうもこの宇宙は、仕組みがまだ良くは判っていないんだろう?例えば、銀河同士は遠ざかっているのが普通とか言いながら、我々の住む天の川銀河は隣りのアンドロメダ銀河と40億年後には合体する運命だとか言っているんだから意味不明だわ。宇宙空間を押し広げる力が云々…とか言うなら、天の川銀河とアンドロメダ銀河も遠ざかって行っていないとおかしい様に思うんだがなぁ?(これは、あくまでも素人考えだけどな)
    それに銀河同士が遠ざかって行っても、空いた空間に新しい銀河が出現するとかも有るかも知れないだろう?この宇宙における次元と空間の関係が、解き明かされてはいない訳だから、まだ人類が考えてもいない様なダイナミックな動きが宇宙空間に有ったとしても、別に驚かないけどな。数十年後に言われている宇宙についての知識が現在と同じだなんて、誰にも判らんと思うよ?

    • +1
  29. 真空のエネルギーというやつか
    宇宙が膨張するほど真空の容量は増え、そのエネルギーによってどんどん加速するという
    いやあ、不思議だね

    • +1
  30. 宇宙は加速しているって言うけど、
    宇宙の果ては更にもっと宇宙が広がっていて、我々が観測(推測)できるのはほんの一部で、
    我々が観測している宇宙は歪みのないから加速しているけど、
    実際の宇宙はもっと膨大で本当の形なんて想像できない!ってのが今の科学者の見解らしいよ

    • 評価
  31. 異星人の偉い人曰く…
    『いやあ、確かに地球から観測できる範囲の宇宙空間については膨張している様に見えるんですが、宇宙全体からするとそれは稀な現象でして、実は宇宙は全体的に見ると余り変化していません』
    とかなんとか言われそうな気がするんですが?
    教えて!異星人の偉い人!

    • -5
    1. ※40
      膨張によって引き離される強さより重力のが強いから
      ※49
      遠くにあるものほど早く遠ざかっている
      単に端に向かって移動してるなら、こうはならない

      • 評価
  32. >研究の中心となった物理学者アダム・リース氏は、「両端から出発したとすると、描画も測定も正しければ、真ん中でぶつかるでしょう。ですが、今回はその両端が真ん中でぶつからなかったんです。その理由が知りたいですね」と話す。
    翻訳の時、言葉を取りこぼしてません?

    • 評価
  33. なんで「銀河が遠ざかっている」と「宇宙が膨張してる」なんだ?宇宙の端が観測できてそれが遠ざかっているならまだわかるんだけどさ。もちろん宇宙自体が大きくなっている可能性は否定しないが、宇宙という器は実は拡大も縮小もしてなくて、ただ銀河を含めた宇宙の”中身”が端に向かって移動しているだけって事もありえるだろうに。。。以外と学者って頭が硬いのか?

    • +1
  34. もう何言ってるのかわかんねえなコレ

    • -1
  35. 宇宙が広がるその先の無(?)の場所で、偶然もうひとつのビッグバンが起きたらどうなるんだろう

    • 評価
  36. もしかして古代人が考えた巨大な亀や像の上に世界が載っているという模式図
    概念としてはアレはアレで暗黒物質を説明している漂流する宇宙の認識なん?

    • 評価
  37. 国ごとにチマチマ電波望遠鏡建設してるけど、それら全部リンクさせて観測出来るぐらい平和にな~れ。

    • 評価
  38. 5~9%って結構な数字なんですかね?

    • 評価
  39. ビッグバンは何処で起こったのかも興味ある。
    秒速72Kmで膨張しているとすると相当大きな場所でビッグバンは起こった?

    • 評価
  40. その昔、小学生の頃にカールセーガン博士の番組が流行っていて、好きで見ていたな。
    でも、どうしても腑に落ちないのが、ビックバン以前の宇宙の状態。
    時間も物質も無い状態なのが、なぜ突然ビックバンで膨張するのか?
    時が流れ無いなら、永久に何も無い状態が続くと思えるのだが。
    宇宙の膨張よりも、ビックバン以前の方が疑問。

    • 評価
  41. これは蟻がこの土地にはどれだけ餌の虫がいるのだろうか考えてるのと同じやな。
    考えたところで蟻には虫の数どころか人間の数、地球の存在すらわからない。

    • 評価
    1. ※57
      5%~9%違うってと相対性理論と照らし合わせると20%の相違性が生じる

      • 評価
  42. じゃあ何で天の川とアンドロメダは衝突すんの?

    • 評価

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