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存在自体が謎に包まれていた生物。カバの直腸でしか見つからない幻のヒルの正体が明らかに。(ヒル閲覧注意)

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(著)

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 2003年、生物学者のマーク・シッドル氏は南アフリカへ幻のヒル探しの旅に出た。ここにはたくさんのカバがいる。ということは、カバの直腸のみに生息するというプラコブデロイデス・ヤエゲルスキオエルディ(Placobdelloides jaegerskioeldi)が見つかるかもしれない。

 一帯では、コミュニティ内をカバがうろついて問題になっているため間引く必要があったという。そこでシッドル氏はお尻の肉をお裾分けしてもらうことになった。以下にあるのは、まさにカバのお尻の中の写真だ。成虫のヒルが1匹と、多くの幼虫が潜んでいる。

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 過酷な環境に生きる動物には変わった特徴がある。例えば、冷たい水の中に生きる魚の一種は血液内に不凍液が混ざっている。大勢の人が、「なんでわざわざそんなところに?」と疑問に思う。もっと暖かい水域に行けばいいのに、と。

 だが、動物界において、他の種が棲息できないニッチで生きることができるなら、非常に有利になる。そこを独り占めできるからだ。貧乏くじを引くどころか、カバという市場を独占できるのだ。

 だが、美味しい話はこれだけだ。シッドル氏によれば、カバの皮膚はとにかく分厚いうえに、脂肪の層まである。ヒルが血液を頂戴できるくらい血管が張り巡らされた場所は、直腸しかなかった。幸い、そこに辿り着くのは造作もない。ただカバの後ろ足を登って、目的地に潜り込むだけでいい。カバにとっては、文字通り困ったヤツ(pain in the ass=尻の痛み)というわけだ。

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 体内に侵入すると、二つの吸盤で張り付く。ヒルの身体には、前方に小さな吸盤、後方に大きな吸盤がある。これでがっちりと食らい付く。というのも、カバの排便は実に爆発的なのだ。カバは尻尾を左右に振りながら、そこかしこに糞を撒き散らす。

 これはヒルを追い払うための戦略ではないかとも思えるが、シッドル氏は否定する。「カバは、特にオスの場合はしょっちゅう喧嘩をするため、擦り傷やら切り傷やらが絶えません。お尻に潜むヒルの刺激は、些細な物でしかないはずです」

 つまりヒルたちは礼儀正しく、粗相をすることもないのだ。「空力的にも優れているといったところでしょうか。爆発的な排便でヒルを排除できるとは思えませんね」とシッドル氏。カバの排便はむしろ、テリトリーを犯すライバルへ向けられたものだそうだ。

Absurd Creatures | This Leech is a Pain in the Butt for Hippos

neatorama・原文翻訳:hiroching

●尻好きヒルのトリビア

 ヒルの中には強力な顎で肉を切り裂き血液にありつく種もいるが、プラコブデロイデス・ヤエゲルスキオエルディには血管組織に忍び込ませる長い吻があるだけだ。だが、これは蚊の吻ほど硬くない。柔らかくしなやかだ。

 ヒルは蚊と同じく、血液の凝固を防ぐ抗凝血剤を有している。だが、これは食事の間に利用するだけではない。このヒルは体重の10倍も血液を吸うと、宿主から離れ、最大1ヶ月も食事をとらない。その間、たっぷりと体内に蓄えた液体の血液を消化する。もし血液が体内で固まってしまえば身動きが取れなくなってしまうことだろう。

 一見したところ、血液を吸うよりは、直腸の肉を食べたほうが栄養価が高いようにも思える。だが、血液はタンパク質や脂肪酸が豊富に含まれた栄養満点の食事なのだ。欠点は重要なアミノ酸やビタミンの一部が不足していることだろう。この問題を解決するために、ヒルは細菌と手を組んだ。ヒルの細胞内部で生息する細菌は、血液に足りない栄養素を生産してくれる。

 交尾に関しては、尻好きヒルだけでなく、あらゆるヒルが面白い特徴を持つ。彼らは雌雄同体であるため、パートナーを見つけるのは至極簡単だ。だが、その出会いはそれほどロマンチックではない。「交尾のとき、彼らは精子の詰まった銛のような精莢を他のヒルに突き刺します。トラウマになりそうな受精ですね」とシッドル氏は説明する。こうした交尾は動物界では特に珍しいことではないそうだ。例えば、トコジラミも性器をメスの身体に突き刺すという恐ろしげな手法を使う。

 受精したヒルはやがて、自身と岩や枝でサンドイッチするかのように産卵する。卵が孵化すると幼生は親の下側に潜り込んでくっ付く。そして、親ヒルが再びカバの直腸に忍び込んだとき、子供たちは初めての食事にありつける。これがヒルの子育てだ。

 動物園で糞を撒き散らすカバを見かけることがあれば、ここに潜んでいるかもしれないヒルの親子を想像してみよう。きっと愛おしく思えるはずだ。

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この記事へのコメント 32件

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  1. 模様かなんかわからないけど小さい丸いのがびっしり並んでてうわぁぁぁぁ

    • +6
  2. 見た目や色合いもなんとなくう こっぽい…ひょっとして擬態?

    • +1
  3. ヒルSUGEEEEEEE!!!
    と思ったけど俺もおしりにこいつみたいなイボがあって少しカバに同情したわ

    • +4
  4. 生物的には理想なのだろうがやっぱ嫌な奴だ
    まだ蚊のように堂々吸うほうが許せる

    • +1
    1. ※6
      いや、蚊も見つからないよう
      視界を避けて忍び寄って吸うじゃないか。
      しかも痛みを消す成分まで注入して
      隠蔽しようとするし、完全に計画犯だよw

      • +19
  5. ヒルと言ったらツルツルしてるイメージだが…こいつは固そうだ。

    • 評価
  6. ちなみにカバの排便シーン↓
    youtu.be/PSKQ3ZNQ_O8

    • +5
  7. いつも思うんだが、カラパイアの管理人と翻訳スタッフは文才がありますね!
    英語を翻訳するにしても、これほど自然に、かつ面白い記事にするのは感動的であります!

    • 評価
  8. 動物園のカバの池ってこのトイレ使用方法のせいでニオイがすごいのよね

    • 評価
  9. 人間に寄生するタイプもいるのねヒルって
    寄生タイプの生物は本当イロモノが多い

    • +1
  10. 人間の痔の治療に応用できないのかな。

    • 評価
  11. とはいえ幼体であれば流されてしまうこともあろうから
    ただ一度かもしれないその瞬間、彼らはプロペラう○こと共に颯爽と飛翔するのである
    嗚呼何と美しい自然でありましょう

    • +2
  12. 去年拾ったクサガメにヒルが付いていた。調べたらヌマエラビルというクサガメとイシガメにだけ寄生するヒルで生涯をカメの体表で過ごし、たまに喉や直腸に入りこむそうな。甲羅にも粒粒した卵が付いていた(これがすごく固い)ので石でこそぎ落とした。全動物中最も耐寒性に秀でた種でクマムシさんのように休眠状態にならずとも活動中に瞬間冷凍されても死なないそうな。

    • 評価
  13. カクレウオっていうナマコの腸に住んでる魚もいてだな・・・
    動画 → ttp://youtu.be/nbkD98n1coc

    • +4
  14. 愛せと…?
    パ、パルモたんが言うなら!

    • +5
  15. 食事のために入って行って、満腹になると出てくのか

    • 評価
  16. ごめんなさい。どう想像しても愛おしくありません。

    • 評価
  17. ここまで生理的に嫌な要素てんこ盛りな生き物も珍しい

    • +1
  18. >プラコブデロイデス・ヤエゲルスキオエルディ
    舌噛みそうな名前だ

    • 評価
  19. このヒルを壊死した人体に貼り付けておくと、ヒルの唾液に含まれる作用で血行が良くなって壊死した部分が再生するとかだったような。もちろん医療用に飼ってるやつだが

    • 評価
  20. こんな生き物がなんの意味があるのあろう?
    食物連鎖?

    • +1
  21. 一生をカバのお尻の穴の中で過ごす人生(蛭生?)を彼らはどう思ってるのだろう

    • +2

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