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季節を色に例えてみよう、桃色の春、黄色い夏。だいだい色の秋、青白い冬といった具合か。ところでこんな話を聞いたことがあるだろうか? 新たなる研究により冬と夏では色の見え方が違うことが判明したのだ。
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人間は黄色が最も安定して見える
人間は青、緑、黄、赤の4種類の色相を認識している。これらには他の色がまったく混ざっていないように見える色(例えば、黄緑ではなく黄色、青緑ではなく緑など)があり、これをユニーク色という。中でも純粋な黄色、すなわちユニーク黄は特に科学者の興味を引く。多くの人にとってこの色が安定しているからだ。
このことは、目が人によって大きく異なっているにもかかわらず、ユニーク黄の見え方については誰もが一致していることを意味している。

季節ごとに黄色の見え方が変わる
その結果、視覚は環境の変化に合わせて季節ごとに異なることが判明した。例えば、夏には緑の草木が増えるため、視覚は緑色が増えているという要素を考慮しなくてはならない。一方で、冬になれば草木が枯れて色彩は乏しくなる。視覚はこうした変化を差し引いており、その結果として黄色の見え方が変わるようだ。ある意味、テレビのカラーバランスが変化しているようなものだ。
夏のユニーク黄の見え方は短波長寄り、つまりより黄緑っぽく見えるようになる。これは夏に緑の光が増えたために、目の中にある中波長感受性錐体からL-M反対色処理経路への入力を減らすからだ(M錐体は、中波長光に最も敏感で、緑色の増加に強く影響を受ける)。反対に、冬ではより長波長寄り、つまり赤みを帯びた黄色に見える。

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視覚障害の治療に役立つ可能性
ウェルボーン博士によれば、L-M反対色処理経路はユニーク黄の見え方の主因であり、そこへの入力の強度が変わることで、ユニーク黄の色合いが変わるのだそうだ。研究では、67名の男女に暗い部屋の中で色彩計を使い、ユニーク黄を認識するまでダイヤルを回してもらった。これを冬と夏に行うことで、季節によるユニーク黄の差異を観察した。
本研究は、環境の自然な変化が色の認識に影響していることを明らかにした初めてのものだ。視覚処理の仕組みの理解が進むことで、視覚障害の診断と治療に役立つようになるだろう。
via:..york.ac.uk/原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
というか、「眼前を支配する平均的な色の割合が補正を促す」と言った方がいいのでは…
2. 匿名処理班
つまり、冬に温室の様々な花を見るより
春に自然の花を見る方が綺麗に見える理由
みたいなこと?
3. 匿名処理班
>>1
赤く塗った紙に青いインクを垂らすと紫に見え、黄色いインクを垂らすとオレンジ色に見えるってやつか?
近似色ならぼやけて見えたり、補色なら強調されてる視覚の不思議。
4. 匿名処理班
※1
ちゃんと記事読もうね
> 研究では、67名の男女に暗い部屋の中で色彩計を使い、ユニーク黄を認識するまでダイヤルを回してもらった。これを冬と夏に行うことで、季節によるユニーク黄の差異を観察した。
5. 匿名処理班
実験レベルの話だな
季節と書いてるが、季節の何が影響を与えてるのかはわかってない
6. 匿名処理班
なるほどわからん
7. 匿名処理班
イメージでしかわかんないなぁ
同じひまわりを見ても夏だと黄緑寄りの黄のイメージがあるけど実際はオレンジ寄りだし、キャンドルの灯りは冬だと暖かい黄色、橙のイメージがあるけど白いんだよな
太陽を赤く塗るか黄色く塗るか白く塗るか、みたいな感覚的なものかな??
8. 匿名処理班
『我々は、目で見てるのではく“目というセンサーを使って”脳で見ている』って
言葉思い出した