
だが、その名が一般にもよく知られている事実とは裏腹に、それを日常で感じる機会は少ないかもしれない。そこで、我々の身近で相対性理論が利用されている8つの事例を紹介しよう。
1. GPS

人工衛星は地上20,300kmの高度を時速10,000kmで飛んでおり、毎日4マイクロ秒(1マイクロ秒=100万分の1秒)の時間の遅れが発生している。さらに重力の影響も加味すると7マイクロ秒の遅れとなる。極わずかな誤差に思えるかもしれないが、これを無視した場合、1日が過ぎればカーナビは0.8km先のガソリンスタンドを8km先にあると表示するようになるだろう。
2. 電磁石

巻き付けたワイヤーを磁界の中で動かせば、電流が発生する。ワイヤー内の荷電粒子は変化する磁界の影響を受けており、荷電粒子が動くことで、電流が発生するからだ。
しかし、とりあえずワイヤーは動かさず、磁石が動いているところを想像して欲しい。この場合、ワイヤー内の荷電粒子が動かないため、磁界による影響もないはずだ。だが、実際には影響は消えておらず、電流は流れている。このことは、絶対的な基準座標系など存在しないことを示している。
電磁石がきちんと機能するのは相対性のお陰だ。直流の電荷がワイヤー内を流れるとき、電子はその物質を漂っているが、通常、ワイヤーは電気的に中性に見える。これは陽子(正電荷)と電子(負電荷)の数がほぼ釣り合っているからである。しかし、その隣に別のワイヤーを置くと、電流の流れの方向によって、引き合うか、または反発する。
電流が同じ方向に流れている場合、最初のワイヤー内の電子から見れば、近づけたワイヤー内の電子は動いていない。一方で電子から見れば、両ワイヤー内の陽子は移動している様に見える。相対的長さの収縮のために、それらはより接近したのと同じことになり、ワイヤーの長さ当たりの電荷は正電荷が大きくなる。すると2本のワイヤーは反発する。
それとは反対に、電流が逆方向に流れている場合は引き合う。これは最初のワイヤーから見た場合、別のワイヤーの電子はより密集しており、負電荷を生み出すからだ。すると最初のワイヤー内の陽子は正電荷を作り出し、反対の電荷が引き合うことになる。
3. 金の黄色

金は重原子であるため、内部電子は相対論的質量の増加や長さの収縮が意味をなすほどに速く移動している。その結果、電子はより短い経路にある原子核の周囲をより大きな運動量でスピンする。内部軌道にある電子は、外殻電子のものと近いエネルギーを有しており、吸収反射される波長はより長くなる。
光の波長が長い場合、通常なら反射される可視光まで吸収されることになる。また、このときの光のスペクトルは最も青いものだ。白い光は、虹色の全てが混じったものだが、金の場合、光が吸収され、再放出されるときの波長は通常より長い。このことは、目に見える混ざり合った光波の中でも青色とスミレ色は見えにくいことを意味する。そして黄色、オレンジ、赤の光は青よりも長い波長を持つため、金が黄色っぽく見えるのだ。
4. 金の腐食耐性

5. 水銀が液体である原因

6. 旧式テレビ

7. 光

その場合、光だけでなく磁気も存在しなくなる。なぜなら相対性は電磁場が、瞬時ではなく有限の速度で変化することを示しているからだ。もし相対性理論の成立が求められないのなら、電場は電磁波という形態をとらずに瞬時に移動できる。その場合、磁場や光さえも不要になってしまう。
8. 原子炉設備と超新星爆発

超新星は、十分な質量を持った恒星の核において、相対論的効果が量子効果を上回ることで発生する。これによって、自身の重さに耐えきれない星が急激な崩壊を引き起こし、最終的にずっと小さく固い中性子星が誕生する。
超新星では、恒星の外層が核の部分まで崩壊した後、大規模な爆発を引き起こし、鉄よりも重い元素を作り出す。我々の周りに存在する重元素のほぼ全てが超新星によって作られたと考えられている。さらに人間自身も超新星によって作られ、まき散らされた物質でできている。相対性が存在しなければ、最も質量の大きな星でさえ、一生の最後に爆発を起こすことがないまま白色矮星となるだろう。つまり、我々も存在しなかったはずだ。
via:livescience・原文翻訳:hiroching
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コメント
1. 匿名処理班
科学技術による相対性理論は、特に電磁波は目では見えない為に、一般的には理解しにくいものだが、電化製品などで接触不良などの現象が起きれば、電磁波による不具合だとは気付く。
一般で見る、人間関係の相対性理論。
これが、重要である。ネットでは不特定多数の匿名から関係性を発生しているが、日常では相対性理論の証明はなく、一人だ。
そこから見える、確かな因果と相対性理論。
2. 空缶
友人が、現代人の寿命が延びたのは
高速な移動手段を使う事によるウラシマ効果ではないか、と言い出したので
しょうがねぇなと苦笑しつつ
それで延びたとしてもせいぜい一月ってとこだろうと答えておいた。
3. 匿名処理班
なるほど、分からん!
4. 匿名処理班
今はもう、「電子の質量が重くなる」という言い方は混乱を招くからあまりしないようになっていると思うんだが…式の中のどの部分まで含めて質量と呼ぶかという取り決めの問題に過ぎないが、どの観測者から見ても変化しない「スカラー量」であるもの(それは静止質量と一致する)を質量と呼ぶのがいいだろう。
5. 匿名処理班
ディズニーランドとかで、椅子に座って映像を見ると椅子が傾いて加減速を表現する奴あるじゃん。映像で加速すると上向きに傾いて上昇する感じになる奴。あれって重力と加速の等価原理だから、一般相対論の応用じゃね?
6. 匿名処理班
※2
すばらしい!! あなたは天才ですか?
7. 匿名処理班
一個一個の項目が難しくて読むのにも理解するにもすんごい時間がかかったけど勉強になりました。
8. 匿名処理班
相対性理論って言うだけで
頭よくなった気がするよな
9. 匿名処理班
GPS以外で相対性理論は全く応用に関与してないような気もする。別の言い方をすると相対性理論が創設されなかったとして、それほど生活が一変してないんじゃないかという気がした。ことあるごとに史上最高の天才と謳われるにしては有機化学全般、分子生物学では全く、物性物理でも相対性理論はまずお目にかからないし、「アインシュタイン=相対性理論=なんかむつかしいやつ=天才」で刷り込まれ過ぎてるように感じる。それよりかアインシュタインは量子論での寄与の方が断然大きい気がする。
10. 匿名処理班
ティッシュとかみかんとか布団で例えてくれ
11. 匿名処理班
相対性理論を使ってGPSやTVなどが作られたと勘違いするぞ!
現実を表そうとした理論に過ぎない。相対性理論ではブラックホールにならないといけない白色矮星も存在したはず。虚数は現実にはないが、計算は合うのと同じ。
12. 匿名処理班
考えるな
感じるんだ
13. 匿名処理班
※3
※せいぜい数秒です
14. 匿名処理班
量子力学もオナシャス!
15. 匿名処理班
相対性理論って結構目にする単語でその前後の文章を見ていたこともあって結構知ってるつもりでいるけど、いざ具体的にどういうことか、って言うと理解してないんだよね。
正直それを期待して開いたんだけど書いてないから、何がどう感じられるのかさっぱり。
16. 匿名処理班
地上の方が重力が強いからGPS衛星の時計より7マイクロ秒遅れる
これは補正した数値
速く動いてるからGPS衛星の時計が4マイクロ秒遅れ(て)る(はず)
こっちは理論上の数値
実際にそれぞれの地点で何秒遅れてるのか正確に知るには三点計測が必要
それがISSというわけだ
疑問なのは地上の遅れの7マイクロ秒がそもそも理論値と整合性があるのかという事
ISSの原子時計実験は当初の計画より2年も遅れてる。
有耶無耶にするつもりじゃないだろうな
アストリウムがポンコツなだけかもしらんが。原子時計が得意な日本が代わりにやったらどうか。
17. 匿名処理班
※20
GPSっとか人工衛星は相対性理論を使わないと実際発生する時計のズレを修正できないって聞いた
18. 空缶
※22
はいそうですね。はあ。
19. 匿名処理班
※27
1.のGPSの説明はおかしいよな。GPS衛星は動いてるから時間が遅れるけど、地球から遠くにある分、重力の影響が減るんで、そっちの方は時間が早く進むはずだよな。
で、そのズレの合計は遅れる方になってるけどもな。
2.の電磁石の話も、相対論があるから電磁石があるんじゃなくて、現象が先にあってその現象の説明が相対論でできる、ってだけの話だろ。
20. 匿名処理班
※20
ほんとこれ。衛生を打ち上げた時点で「あれ?何か地球と宇宙じゃ時計の進み方が違うくね?」って気づいてよくわからないけどその誤差を修正するはず。何故ずれるのか、は後から調べればいい。
21. 匿名処理班
電磁石の話は相対性の話で相対性理論は全く関係なくないか?
22. 匿名処理班
電磁気関係は、ニュートンの力学とは違い、それ自体で相対性理論を内包しているので
どこからを相対性理論と呼ぶべきかは悩ましい。
(相対性理論では、ニュートン力学は修正を受けるが、電磁気学は表記は変われど無修正)
磁力は、それ自体が相対論的効果とも言える。
静止している荷電粒子は電場を生み出し、運動している荷電粒子はそれに加えて磁場を生み出す。
さて、運動は相対的であり、運動している荷電粒子と一緒に動く人にとっては単なる静止した荷電粒子に見えるはずである。
しかし、現実には異なる。この違いを生み出すのは相対性理論とも言える。
また、普通の磁石はおもに電子のスピン(独楽のように自転しているようなかんじ)が原因であるが、
相対論的効果を考えないと、磁力は半分の大きさになってしまう。
23. 匿名処理班
ふむふむ、なるほどね。
24. 匿名処理班
相対論的効果で頭痛になった。
25. 匿名処理班
つまり
この世に何も不思議な事など無いのだよ
関口くん。
26. 匿名処理班
※17
物性物理でも出てくるぞ
これまでの実験や理論が相対性理論と上手い事かみ合わないって結論だがな
一方で素粒子物理や宇宙物理では相対性理論はある程度は上手くいってる
相対性理論ではまだまだこの世の謎を解き明かせないって事だろう
後、相対性理論は常識はずれだからよく言われるだけ
アインシュタインは量子論も貢献したけど、本人は否定・懐疑派だったよ
27. 匿名処理班
※40 物性物理でも出てくるけど、重箱の隅をつつくみたいな出てきかたで出てくる頻度なんてその分野でも微々たるもんだと思う。シュレディンガー方程式やニュートン方程式とかマクスウェル方程式ぐらいにどこでもいつでも出てきてまずはこの式からって感じじゃないよねみたいなことを言いたかった。
28. 匿名処理班
相対性理論を日常の中で感じる最も有名な例は
アインシュタインの舌出し写真
です
29. 匿名処理班
速く動く物体ほど慣性質量が増すということを思い出した。
電子の世界にも影響してるのか。
30. 匿名処理班
ピンチ効果って知らないのかな?
31. 匿名処理班
※45
結晶内の電子の場合は原子核との相互作用による「有効質量」があるだけで
一般相対性理論とは無縁。
32. 匿名処理班
相対性理論を「感じる」だからちょっと曖昧な表現ではある.
電磁石や光は相対性原理を発見する根拠となった部分だから
感じるといえば感じるか
33. 匿名処理班
もっと頭の悪い者にも理解出来るように説明して欲しい・・・と思うけど、頭の悪い人間には所詮猫に小判なんだろうね、こういった理論というのは。科学者&頭の良い者だけのための言葉の遊びとしか思えない。絶望。
34. 匿名処理班
成る程 好きな学問ですから 素敵です。
35. 匿名処理班
全く分からなかったけどへぇーと思いながら読むだけ読んだ
随分昔に、人が観察しているときとしていない時では原子?粒子?の動きが違うって実験の解説をTVでやってたのを思い出した
あれも理解は出来なかったけどなんとなく面白くて記憶に残ってる
36. 匿名処理班
肝心な所を「相対論効果」でぼかすな