スリランカのケーガッラ。静寂に包まれた夕方、ゴム農園の中を歩いているとカラスたちの騒ぎ声が聞こえてきた。何事かと思いカラスたちがたかっている木に近づいてみると、そこには2羽のフクロウの子供がいた。
何かを待ちわびるように、そして何かから隠れるように、ぽっかりとあいた木の割れ目にじっと姿を潜めている。よくよく見ると、そこにはきょとんとした目のオオフクロウ(Brown Wood Owl)のヒナ2羽がいた。 Brown Wood Owl - Juvenile's Journey (2014)
オオフクロウはスリランカに生息している。栗毛で覆われた凛々しい顔に美しい白い眉毛が特徴的で、大きいものでは47から53センチにもなる。この存在感のあるフクロウは、その昔、スリランカで悪魔の鳥として恐れられていた。
成鳥と比べると子供のオオフクロウは体が全体的に白く、茶色なのは目の周りだけ。オオフクロウは夜行性で、日中はあくびをしながら寝て過ごす。逆に夜は活動的になり、木の割れ目から外の世界を観察しようと大きな目をクリクリと動かしている。
暗闇が辺りを包むと、子供がエサを求め親鳥を呼ぶ声が聞こえてきた。いつもなら夜の狩りを終えた親鳥は、巣に戻り子供たちにエサを与える。しかし、この夜はなぜかエサをくわえたまま幹から離れ、子供たちエサを与えようとしない。
子供たちはしきりにエサを催促し鳴いている。それでも親鳥はエサをくわえたまま動かない。さらに激しく鳴き出す子供たち。それでも動かない親鳥。そして、ついにはエサをくわえたまま闇の中へと飛び去ってしまった。
数日後、あのフクロウの巣を目指し、ゴム農園を歩いているとクマの形跡を発見した。そこには木の葉にうもれたオオフクロウの成鳥の死体があった。急いで子供たちのいる巣に向かった。幸運にも2羽の子供は無事だった。だが、彼らを育てていたのは死んでしまったあの1羽の親鳥だけだったのだ。
育ててくれる親を失っても、子供たちの日々は続く。彼らは日中はのんびりと寝ているか、時たま羽づくろいをしながら過ごしている。
そんな平穏な生活がこれらかも続くかと思いきや、母なる自然は彼らに試練を与えた。2羽いたオオフクロウの1羽がカラスの餌食となってしまったのだ。
自然の厳しさを目の当たりにする出来事だった。だが、母を失い1羽だけでこの過酷な自然を生き抜き、大人へと成長できたオオフクロウがいたという事実だけでも奇跡である。
そして今、このオオフクロウは子供から大人への旅を終え、外の世界に羽ばたいていった。
動画音声翻訳:melondeau
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コメント
1. 匿名処理班
親がいなくても巣立ちできるんだね
2. 匿名処理班
エサとかどうしてたんだろう?
3. 匿名処理班
かわいいいいいいいいい
モッフモフだ!
4. 匿名処理班
感動した!
5. 匿名処理班
祈ることしかできないけど、生き残った子には精一杯生きて欲しいね
6. 匿名処理班
自然って厳しいですね。
それに比べれば、人間ってかなりぬくぬくと生きてる気がします。
文句ばっかですけど。
7. 匿名処理班
泣いた
でも自然界ではこれが普通なんだな
皆逞しく生きてほしい
8. 匿名処理班
親鳥は何故餌を与えず去ってしまったのさ
9. X十郎
よぉ〜し、今度は俺が外敵からおまえの身を守ってやるからな!
10. 匿名処理班
※8
巣立ちの時期だったんだろ
いつまでも餌運んでやってると巣から出てこない
食餌の間隔を空けて「食いたきゃここまで来い」と近くから促したり、
いきなり完全に放置して若鳥だけでサバイバル始まったり、鳥によって色々
11. 匿名処理班
親鳥が餌を与えずに動かなかったのは、カメラ持ってる人間が居たからなんじゃ・・・
12. 匿名処理班
自然ってきびしぃ〜〜〜〜な