最近は日本で、何かと話題となっている脱法ハーブ問題。「ハーブ」という言葉は薬草やスパイスを意味するが、植物は自然由来であり「体にやさしい」とインプットされている人も多いので、「ハーブでなぜあんなことに?」と、戸惑っていた人もいたはずだ。というか私の友人がそうだった。まああれはハーブでもなんでもなく、ハーブという耳障りの良い言葉で人々を陥れるという人間心理をついた商法の一つなのだが。
だが本当に天然のハーブだからといって体にやさしいという認識はそろそろ捨てたほうが良い。天然の植物でも人を殺せるほどのきっつい成分もがっつり含まれている。自ら移動することのできない植物は、身を守る為、オーバーキルともいえるべき毒性を持ち合わせているものも存在するのだ。
毒性だけではない。人の意識や認識を変えてしまうほどの幻覚成分を持つ植物がある。キノコなので植物とは言い難いが、日本ではマジックマッシュルームを麻薬原料植物として規制対象にしている。
これまで、マジックマッシュルームがどのように脳に作用しているのか解明されていなかったが、英国、ロンドン大学インペリアルカレッジ神経精神薬理センターの脳科学者、ロビン・カーハート・ハリスが行った新たなる研究でその謎が明らかとなった。
マジックマッシュルームは、幻覚成分であるトリプタミン・アルカロイドのシロシビン、シロシンを含む菌類であり、100以上の種が存在する。
ハリス氏率いる研究チームは、マジックマッシュルームからとれるシロシビンという物質を被験者に注射し、その人たちの脳をスキャンした。そこで2つの事実が明らかとなった。
まずひとつは、夢を見るとき活性化する古い感情システムの一部の働きが、シロシビンによって活発になっていた。そしてもうひとつは、シロシビンが「拡張された」意識を作っていたということだ。
拡張された意識というのは、安心感や幸福感などが大きく強められたということで、これは幻覚体験である意識拡張に対する最初の生物学的知見らしい。
ドラッグ服用時の脳の活動パターンが「夢」に似ているという発見は興味深いものがある。以前幻覚状態が夢と比較されたときは、デフォルト・モード・ネットワークやエゴ・システムと呼ばれる、「自我」が発生する場所でネットワークの不活性化が観察されたそうだ。簡単に言うと、感情が高ぶる一方で自我が薄れているということだ。
この研究の結果や、LSDという薬物を使った脳画像研究からの予備データも、幻覚状態では自我が薄れ感情が高ぶるという説に合致しているのだそうだ。そして、こういった効果があるからこそドラッグが精神療法に有用とされてきたのかもしれない。
さらに研究では、デフォルト・モード・ネットワークにシロブシンが注射されると脳活動が弱まるということもわかった。こういった幻覚剤による脳への影響がわかると、精神療法やクリエイティブな思考力を高めるなどの応用につながるかもしれないそうである。
via:popsci・原文翻訳:such
薬にもなれば毒にもなる。それがマジックマッシュルームなのだが、何度も念を押すが、日本では麻薬原料植物に指定されており所持や使用が禁止されている。ということでどんなにナチュラルめいたネーミングが付けられていようが、植物由来と言われようが、合法であると言われようが、怪しい薬物には手を出さないでほしい。二度と後戻りはできなくなってしまうから。
▼あわせて読みたい
寝る前に食べると高確率で「奇妙で鮮明な夢を見る」不思議な食べ物とは??
LSDを服用すると描く絵にどのような変化が起きるのか?自ら服用し自画像を描く実験を行った女性
森のクマさん、毒キノコを食べて超絶トリップ状態に!?
植物だって相当ヤバイ、恐怖の殺人植物ベスト10
きれいな花には殺傷力。人を死に至らしめるほどの猛毒を持つ10の花
コメント
1. 匿名処理班
きのこっていいよね
なんでこうなったのかとかがいまいちよくわかってない当たり実にいい
2. 匿名処理班
伊藤英明「クリエイティブな思考力を高めるキノコなんですよ」
3. 匿名処理班
魔法のキノコでこわい思いした奴も多いと思うが
4. 匿名処理班
脱法ハーブって、こういう幻覚作用がある薬草的なものを
乾燥させたのかと思ってたら、その辺の葉っぱを乾かした
ものに、科学的に合成した薬物をまぶしてあるだけだとか。
ハーブっていうのは名前だけなんだってね。
5. 匿名処理班
>「ハーブでなぜあんなことに?」
脱法ハーブはハーブでもなんでもなく「ハーブに幻覚作用のある化学薬品を吸わせたもの」です。そんな強力な麻薬作用のあるハーブがあったらとっくにその植物の名前が出てるでしょ?ただの草に化学組成もはっきりしない(法律で規制できてない)薬物をふりかけて『ハーブ』という名前で売ってるの。”ハーブ”って名前だと自然由来っぽくて素人をだませるから。報道も呼び方変えろよあれといつも思ってる。
6. 匿名処理班
この手の精神に影響を与える物質は、使うと脳が萎縮して若くしてアルツハイマー型痴呆になったりするよ。
自分はこれ以上バカになったら困るからやらない。むしろ頭良くなりたいわ
7. 匿名処理班
オーケンがマジックマッシュルームだけはやめとけって言ってたね
8. 匿名処理班
MOTHERのせいでこれの事をマジックトリュフの元ネタ程度の物だと思ってた
9. 匿名処理班
とりあえず食べたらマンマミーアになるんだな
10. 匿名処理班
規制前に食べた事あるけど周りのあらゆる物がグニャグニャ動いて見えて靴紐がまともに結べなくなったりした
あれは今思うと規制されて当たり前の物だと思った、色々やばい
11. 匿名処理班
ハーブじゃない。ただの雑草に化学薬品をしみ込ませて乾燥してるだけ。LSDとかと一緒でただの化学薬物。いい加減ハーブって言葉使わないで欲しい。
12. 匿名処理班
脱法ハーブと絡める意味がわからない。あれは植物片に合成カンナビノイドやカチノンをまぶしたもので、天然物のMMとは全く一線を画すもの。
とかくドラッグの話になると一緒くたにしても無知でいても許されるみたいな風潮なんなの?
ちなみにシロシンのアナログであるDMT(これも規制物質)は体内でも合成されてるぞ。
13. 匿名処理班
昔、ツーリング行ったときにオオワライタケと言うキノコをみつけて、みんなに『これ幻覚性のキノコなんだよ』って言ったらみんなが『試させろ』ってえらいことになって怖くなって川に投げ捨てたのを思い出す。。
これらのキノコは後遺症がないですが、法律では薬物と同じ扱いになっています。
(ワライタケ、ヒカゲタケ、シビレタケ、ヒカゲシビレタケ、オオワライタケなど)
地方によってはわざわざ行事で食してトランス状態になるのを利用するようです。
名刺作ってあげた、あっち系の人に『○○君、キノコに詳しかったね、ワライタケってのを見つけたらワシにくれんか?』って言われたことがあります。
怖いですよね。。
14. 匿名処理班
マウスやラットじゃなくてヒトに投与したのか
脳のスキャンだけならヒトで実験する必要は無いような気がするけど、
聞き取り調査とかも平行してやってたりするんかな
15. 匿名処理班
夢の中で、これは夢だと認識出来る夢なんて数が限られる。これは、今まさに起きている現実だと受け止めてしまっている事の方が遥かに多い訳だから、薬剤で白日夢を見させられている状況に親しい場合、実際の被験者が脳で見ている映像は、現実との乖離があるから突拍子もない言動・行動を取っているように、第三者から見えるんだと思う。
16. 匿名処理班
窪塚が飛んだのはマジックマッシュルームのせいらしいな。
目の前の世界が夢だと本当に勘違いしてるなら空を飛んでみたいと思うのも頷ける。
9階から飛べるとおもって死んだ奴や、自分が夢の中に居ると勘違いして自分の頭に銃弾打ち込んで病院に担ぎ込まれた奴すら居る。
かなりハイレベルなドラッグだから、環境間違えると大変なことになる。
17. 匿名処理班
※19
つまり窓のない部屋に鍵かけて
ベットにでも手錠でくくっとけばいいわけだ
キノコくって車なんか乗ったら間違いなく天国までドライブすることになるな
18. 匿名処理班
※6
「痲薬ふりかけ」とか「薬草の痲薬あえ」とか言った方が意味合いとしてあってそうねw
痲薬の痲は”麻(あさ・ま)”じゃなく”痲(しび)れる”なんだよね。
”痲�翌(まひ)”と同じ。
神経回路がショートするのかな?
19. 匿名処理班
脱法ハーブって植物アルカロイドなどの有効成分によって使用者を酔わせるものではなかったの?
薬剤を添付してるだけなんて…それじゃ植物的な面白さに欠ける。
20. 匿名処理班
この実験って実際に人に注射して行ったんだよね。
解明されて嬉しい半面、人体実験は大丈夫なのかと思う・・・
21. 匿名処理班
レム睡眠を再現するから、記憶と感情の整理に有効ってことかしら
22. 匿名処理班
マジックマッシュルームとか、麻酔医師みたいに免許制の監督者をつくって、ちゃんと管理して使えるようにすればいいのに。
23. 匿名処理班
マジックマッシュルームに限らずに、よくわからないキノコを食うなんてのが危険すぎる。
24. 匿名処理班
人類全員に投与したらどんな世界になるのか興味がある。
25. 匿名処理班
まあ、細かいことを言えばアルコールだって意識に変革をもたらすドラッグの一種なんですけどね
26. 匿名処理班
※15
オオワライタケはワライタケと名前が似てるけど遠縁で、どちらも毒キノコではあるけど、作用は全然違う。
ワライタケの場合は幻覚を見るけど、オオワライタケの場合は、顔面の筋肉が引きつって笑ってるように見えるキノコ。