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貝なのに人間の致死量の猛毒を持つ静かなる暗殺者「イモガイ」

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photo by iStock
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 イモガイ(ミナシガイ)は世界の暖流域のサンゴ礁に生息し、約600種以上もの仲間が存在するという“イモガイ型”の貝殻をもつ貝類の総称だ。

 全種が肉食性で、特に小魚などの脊椎動物を食べる。魚食性のものへの攻撃力は高く、自分より俊敏な動きをする魚になどに、歯舌を発達させた毒銛(どくもり:矢舌とも呼ばれる)を撃ち、その体内に神経毒を注入し麻痺させて捕まえる。

 特に魚食性や一部の貝食性のイモガイは、その毒性が人を殺すのに十分なまでに発達したものがいるという、まさに水中の静かなる暗殺者なのだ。

ソース:BBC Nature – Cone snails videos, news and facts
イモガイ – Wikipedia
LiveLeak.com – Silent Assassin

 毒銛は、通常は鉾先を出した状態で、吻と呼ばれる柔軟性のある管の先端内部に隠されている。

 獲物に気付くと、貝は吻をそちらへ向け、それと同時に銛の内部に毒液が充填され、筋収縮を用いて獲物に向けて発射される。

 毒は瞬時に獲物の全身にまわり、小魚であれば即死する。動けなくなった獲物は軟体部で覆ってゆっくりと消化されていく。毒銛は使い捨てで、消化後、背骨や鱗といった獲物の消化できない部分とともに吐き出される。

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 イモガイ1個体に含まれる毒は、およそ30人分の致死量に相当する。また、最新の研究ではイモガイは獲物の種類に応じて発射する毒の成分を変えているというから驚きだ。

 イモガイはヒョウモンダコと並び、ダイバーたちに要注意生物として恐れられている。貝殻の色が美しいからといって素手で拾い上げたらさあ大変。その後皮膚に密着させていたりすると外敵とみなされて毒銛で刺され、死に至るケースがあるそうだ。

クマノミを捕食するイモガイの映像

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この記事へのコメント 23件

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  1. 血清がないって聞いたことあるど刺されたら助からないの?

    • 評価
    1. >>3
      5、6さんがすでに答えてくれますがさらに補足。
      神経毒なんで呼吸も心臓の拍動も止まってしまうけど、
      どうもヤマを越えたら後遺症も残さず回復していくらしいので
      外部の力で呼吸と血液の循環を持続させると良いそうです。

      • +1
  2. まるでM1エイブラムス戦車のようだ。毒銛はまるで主砲みたいだね。

    • 評価
  3. 「イモガイの毒には抗毒血清がないので、毒が被害者の体内で代謝され抜けきるまで、なんとか生命を持ちこたえさせることが唯一の救命策である。」
    フグと同様の対処方法だけど、毒が強力すぎて手遅れになるみたいです。

    • +1
  4. こいつに刺されたら、とにかく輸液して代謝排出を促しつつ生命維持を継続し続けるという
    対処療法で体力勝負しかないという空恐ろしいのである。
    ただし蝦蛄にとってはただの餌

    • +3
    1. 基本、海産物の毒には有効な血清がないと聞きますね。
      フグもヒョウモンダコもテトロドトキシンでしたっけ?
      >>6
      蝦蛄(または無脊椎全般)には作用しない毒なんですかね?
      それとも銛を通さないのでしょうか?

      • 評価
    2. ※6
      調べれば分かるが、シャコを漢字で打つなよ

      • +2
  5. こんな猛毒溜め込んでる自分が死なないから凄いよなwww
    抗体あんのかな

    • 評価
  6. 30年くらい前に学研のオレンジ色の漫画調の本で覚えた。アンボイナでしょ。

    • 評価
  7. 心肺蘇生法をすぐ行えるかどうかだね。
    「人間の脳は2分以内に心肺蘇生が開始された場合の救命率は90%程度であるが、4分では50%、5分では25%程度となる(カーラーの救命曲線参照)。」
    胸骨圧迫(心臓マッサージ)だけを行うことが推奨されているけれど、神経毒が有効な間は心肺が蘇生することはないと考えられるから、かなりハードだよね。

    • +1
  8. アフリカマイマイにしてもツメタガイにしてもコイツにしても,巻貝ってのは進化してるもんだ.

    • 評価
  9. http://www.big.or.jp/~ishigaki/danger/CornShell.html
    「もし、刺されたら・・・心臓に近い方を縛って、早急に病院に行くことです。 」
    「アンボイナから積極的に人間を襲う事はありません。」
    「この形の貝は、決して触らないこと。」
    「この形の貝は、 採取しないこと。」
    刺されても直後は痛くないそうなので、このアドバイスには従った方がよいでしょうね。
    水に入った状態で身動きできなくなったら、洗面器程度の水でも溺死してしまいます。

    • 評価
    1. >>16
      史上最強のウミキング決定戦、勝ち抜きデスマッチ
      http://karapaia.livedoor.biz/archives/51358110.html
      モンハナシャコのシャコパンチは貝を砕いてしまいます。
      イモガイの毒のある部分を避ければ食べられるのかも。
      浜下りの日
      http://blogs.yahoo.co.jp/ici10983/47884320.html
      「イモガイは海水で茹でて身を剥がし内臓を取って海水で洗うとビール 酒 焼酎など何にでも合う酒の抓みになる。」
      本当かな?似ているマガキガイというのもいるのでね。

      • +2
  10.  こっちが注意さえしとけば大丈夫でしょ。
         恐らく・・・・。

    • 評価
  11. こいつってこんなに強かったっけ・・・
    毒の種類変えてるって・・・頭いいな

    • 評価
  12. インドネシアで潜った時(結構浅いところ)、足のすぐ横にヒョウモンダコがいたよ。
    今考えると、恐ろしい。結構見たことがあるんだ。

    • 評価
  13. 次の記事はオオカミウオ辺りを出てほしいな.

    • +1

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