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海底を歩きながら獲物を狩る、漂海民族「バジャウ族」

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31件のコメントを見る

(著)

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Photo by:iStock
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 潜水用具などは一切つけず、己の身ひとつで、海の中に潜り、海底を歩きながら獲物を狩るという「バジャウ族」は、フィリピン、インドネシア、マレーシアに暮らす少数民族だ。彼らは昔、一生を船の上で暮らす漂海民族だった。

 海のジプシーとも呼ばれるバジャウ族は、農作物を植える耕作地に立ち寄ることはあっても、夜寝るのは家舟と呼ばれる舟の上か、水上に建てた高床式の簡易住居の中だけだった。

 近代化に伴い現代は海岸沿いに家を建てて住むようになったが、その素潜りの能力は今も変わらず、長年の適応進化の賜物だ。

海の中で15分間素潜りできる驚異の進化を遂げたパジャウ族

 パジャウ族は1000年以上前から東南アジアの海域を家船で移動しながら、素潜りで生計をたててきた。

 長い時間をかけ、水中での狩りに適応した能力を身に着けた。水深70mまで潜ることが可能で、そこで15分もとどまりながら、食料となる海産物や天然資源を採取するのだ。

 小さな子どもでも水深10メートル以上まで楽々と潜ることが可能だ。

 人は水の中にいると心拍数が低下し、血管や脾臓(ひぞう)が収縮する「潜水反応」が起きる。アザラシの研究などから、脾臓が大きいほど、水中に長く潜水できることが明らかとなっていた

 そこでパジャウ族の脾臓を調べたところ、、陸上で暮らす近隣のサルアン族よりも平均して50%、脾臓が大きいことが明らかとなった。

 さらにバジャウ族の場合、水に潜らない人でも脾臓の肥大化が確認されており、この民族に共通する遺伝的な適応進化であるとみられている。

 パジャウ族の人口は推定約12万人(2010年現在)。宗教は、精霊信仰だがイスラム教への改宗が多いという。

 漁業が中心であるが、最近では農業に転向し、水田稲作を営む者も出てきているという。

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この記事へのコメント 31件

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  1. 進化論を信じるなら、この人たちは陸に住む人と、
    作りが変わってどこか『進化』してるはずだけど、
    一緒だよね。
    進化論って本当かな。
    そんな事より
    海を自由に歩けたら楽しいだろうな。

    • -2
    1. >>1
      進化にどれほどの時間がかかるのか知ってれば
      そういう疑問は起きないよ。

      • 評価
    2. >>1
      環境による進化が定着するには
      5万年のスパンが必要なんだぞ

      • 評価
  2. こんばんは。
    バジャウ族のケムチャといいます。
    バジャウ族の中でも優秀な、ハスーイの末裔ですよ。
    この前、友達のクレセロとジャッフンーの大会に出たんです。
    それで決勝までいったんですが、決勝で凄い面白いことが起きたんですよ。
    なんと最終ババウのときに、クロセロがケウェーウをシャイツwwwww
    しかも相手チームもハジャエをロッキンスマールしてたしwww
    セルニャじゃないんだからwwww
    まじうけるwwwwwナハウwww
    ハユイwwwケスwwww

    • -13
  3. これだけ長い時間潜れるのは訓練だけでなく進化なのかもしれないね。

    • +1
  4. 漂海民って瞳孔を物凄く小さく出来て
    海の中でも視力がいいとかそういう進化はしてるらしいよ

    • +2
    1. >>8
      写真だけじゃねえ
      動画出来もすごくいい

      • +1
  5. 3m程度の深さになると浮かばないって聞いた事が有るんだけど、それかな?でも歩きづらそうだよね。泳いだ方が速いんじゃない?って思ったけど、泳ぐと酸素を消費しちゃうのかもね。

    • +1
  6. 体脂肪率が低いと沈みやすいということと水中銃を持っていることで減殺しているのかな。

    • +2
  7. 嵐がきたらどうするんだろう
    波風で家壊れそうだ

    • 評価
  8. ゴーグル付けてるじゃん
    嘘ばっかかいてんじゃねーよ

    • +1
  9. 太陽に向かって海を昇っていく映像がキレイでした。

    • +1
  10. すごい潜水能力だな 真似できん
    潜って狩してると楽しいよね ゲームよりずっと
    >14 足ヒレ・シュノーケルのこと

    • +1
  11. 裸足じゃ危ねぇよ
    オコゼとか踏んづけて死んじゃうのとか無いのかな

    • +1
  12. ちなみに↑の5万年は、あくまで人間の場合な

    • 評価
  13. 離島出身だが、海底を歩けるというのは意外とメリットがあるんだ。
    水深2m以下の場所は波の影響をほとんど受けないから直立して普通に歩ける。
    やり方は至って簡単。息をある程度吐いて潜る。(肺を縮めておくってことね)
    当然その分息は続かないけど海底のサザエを集める時なんかは体が沈んだほうが作業が断然やりやすい。
    息をめいっぱい吸うと海底にへばりつくために常に上に向かって足をかき続ける関係上、体力をつかって息切れするから長時間潜るのには向かない。
    一番いいのは海女さんなんかがやってるように体にオモリのベルトを巻いて浮力を調節する方法だね。
    これならめいっぱい息を吸ってなおかつ海底を歩くことができる。
    ただ初心者がこれをやると浮上にかかる時間計算を誤って溺死する可能性があるから注意すべし。

    • +4
    1. >>23
      またひとつ賢くなった!
      ありがとう。

      • +1
  14. スピアガンが無い時代はモリで突いてたのかな
    とんでもない民族だ
    きっとおじいさん連中は「最近の若者は道具に頼ってばかりじゃ」とか言ってるのだろう

    • +1
  15. 平気で2分くらい潜ってる
    これは仕事上太れないな

    • +1
  16.  どっかの部族に生まれたいと思った((
    はい、ばかです。
     写真に感動した
    きれいだし 「日常」って感じ

    • -1
  17. 昔たくさんのふしぎで読んだ気がする

    • 評価
  18. あんなに潜ったのに獲物が小さすぎる・・・

    • +1

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