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ただでさえ巨大な木星だが、かつては今の2倍の大きさだった

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(著) (編集)

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木星 NASA
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 太陽系で一番大きい惑星と言えば木星である。実に地球の11倍の直径を持ち、質量は318倍だが、かつてはもっと巨大だった。

 太陽系が形作られた原始の時代、現在の2倍の大きさだった可能性が高いという。その圧倒的なサイズから生じる磁場は、なんと今の50倍もあったと推定されている。

 木星の重力は、太陽系の惑星の材料となったガスと塵の円盤や、惑星の軌道を形作るうえで大きな役割を果たした。

 それゆえに「太陽系の建築家」とも呼ばれるこの巨大ガス惑星の過去を知ることは、太陽系がどのように誕生したのかを知ることにもつながる。

原始の木星の大きさは今の2倍、地球2000個分

 2025年5月1日時点で、木星の衛星の総数は97個となったが、この新発見の鍵になったのは、木星の衛星「アマルテア」と「テーベ」だ。

 これらはそれぞれ内側から3番目と4番目に位置する小さな衛星だが、軌道がわずかにズレているという特徴がある。

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木星ととても小さな衛星アマルテア(黒い点の部分) image credit:NASA/JPL-Caltech/SwRI/MSSS

 カリフォルニア工科大学のコンスタンティン・バティギン氏とミシガン大学のフレッド・C・アダムズ氏は、この軌道のズレを解析し、太陽系最初の固体が形成されてから380万年後における原始的な木星の大きさを逆算した。

 その結果、木星の半径は現在の約2倍、体積は地球2000個分に相当しただろうことがわかったのだ。さらに木星の磁場は、現在の50倍も強力だったろうと考えられるという。

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原始の木星の磁場は現在の50倍も強力だった可能性がある/Credit: Credit: K. Batygin

太陽系の転換期はどのような状況だったのか?

 この分析が重要なのは、従来の惑星形成モデルにありがちなガスの不透明度・降着率・重元素コア質量といった不確定要素を利用していない点だ。

 そうしたあやふやなものの代わりに、木星衛星の軌道力学と角運動量保存という、直接測定できる物理的な量から過去の木星の状態が算出された。

 その結果描き出されたのは、周囲にあった原始太陽系星雲が蒸発した瞬間であり、惑星を形作る材料が消え去り、太陽系の原始的構造が固定された転換期における木星の姿だ。

 今回明らかになったことは、岩石・氷コアが急速にガスを取り込むことで木星などの巨大惑星が形成されたという、既存の惑星形成理論をも裏付けてもいるという。

 バティギン氏は、「木星の始まりの瞬間は依然として謎に包まれていますが、本研究によりその重要な発展段階の全体像がぐっと明らかになりました」と、ニュースリリースで述べている。

 こうした発見を手がかりに、太陽系の進化の歴史をより正しく紐解けるようになるとのことだ。

 以下の映像は、NASAの木星探査機「ジュノー」が木星とその衛星をとらえた画像をクローズアップしたもので、2025年5月に公開されたものだ。

 この映像を見て木星とその衛星に思いをはせてみようじゃないか。

 この研究は『Nature Astronomy』(2025年5月20日付)に掲載された。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

ガス惑星ではあるけれど、圧倒的大きさを誇る木星が今の2倍とか、太陽系の歴史にはまだまだ新たな発見があるっていうのが面白い。探査が進むにつれ衛星の数もどんどん増えてきているわけで、これだから宇宙観察はやめられない。

References: Jupiter Was Formerly Twice Its Current Size and Had a Much Stronger Magnetic Field - www.caltech.edu / Determination of Jupiter’s primordial physical state

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この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. ずっと2倍のままだったら今頃太陽系がどうなっていたかわからないな

    • +12
    1.  バタフライ効果を考えるとどんな影響があったかとは思いますが、それでも太陽の質量は太陽系の 99.8% を占めるので太陽は変わらず輝いていそうですね。

      • +9
  2. 自分の重力で徐々に縮まっているって事かな
    最終的には恐ろしい事になりそう

    • +15
    1. 質量はそのままで直径が半分になったのか
      質量が減って半分になったのかどっちなんだろうな

      • +16
  3. 冷えてどんどんしぼんでいったのかな 内部が落ち着くにつれ磁場も弱まっていったと

    • +9
  4. 元からスケール感も何もない圧倒的サイズなのに更に倍の大きさ!
    なのに2倍でも月から地球までの距離よりは短くてその距離を人類は往復してて人間3人分の血管の総延長くらいでアタマおかしくなる

    • +11
  5. 深海もそうだが深く考えると不安を越えてちょっとおかしくなる

    • +14
  6. ガス惑星だから少しずつ宇宙空間に散ってるのかな? 地球の原始大気も太陽風でほとんど吹き飛ばされてしまったというから見かけ上の大きさは今より大きかっただろうな。

    • +5
  7. それでも準褐色矮星や、いわゆる「熱い木星」となるに必要な質量を得るほどには、ぜんぜん大きさが足りなかったと。もしもう少し大きければ衛星表面に液体の水が存在できたかも

    • +5
  8. (´・ω・`)大きかったとあるけど「密度」はどうだったんだろ。
    半径は現在の約2倍ならガス質量の量が
    下手したら太陽になりかねない可能性もあった筈
    まあ太陽になるのは微妙だとは思うけどね
    木星20~30個分のガス質量があれば太陽になってたと聞いたことがある。

    • +6
    1. 第二の太陽になるには質量が80倍ほど必要らしいので、単純に体積に比例して質量増えると仮定すると半径4.3倍くらいは必要だと思う。

      • +5
  9. 今より大きかったってことは今より速く自転してたんだろうか

    • -1
  10. 今は半分になったということは、この先も木星は縮小傾向ということなのかな?
    大赤斑もなんだかちっちゃくなってきたし、木星の活動もこの何十年という短いスパンで変わっていそう。
    地球の環境問題ばかり考え勝ちだけど、太陽系惑星の変化がこれからの地球に影響があるかも…とか思う。太陽がちょっと活発になったり鈍化したりしても影響があるから、太陽系のバランスが変ったら…何が起こるかわからないね…。
    地球の事ならなんとかならんかとやれそうだけど、他所の星とかなったらどうしようもないな…。

    • +1
  11. かつて3つめの巨大惑星が存在し、弾き出された説との兼ね合いはどうなんだろう?
    その時、ケツの毛まで毟られたかな

    • +3
  12. 質量が足らずに構成になれなかったのにまだ足りなかったのか?

    • -2

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