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全身がフジツボや藻に覆われ、別の姿に変わり果てたウミガメの救出物語

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(著) (編集)

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research
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 2025年4月初旬、アメリカのテキサス州で、ビーチを散歩していた家族は、砂浜に打ち上げられていた奇妙な物体を発見して自分たちの目を疑った。

 海藻とフジツボに覆われたその物体は、一見岩の塊のように見えた。だが近づいてよく見てみると、なんとそれは1匹のウミガメの変わり果てた姿だったのだ。

 ポケモンでいうところのナエトルが進化してハヤシガメになった感じだ。

全身を藻やフジツボに覆われていたウミガメが保護される

 ヒューストンの南に位置するサージェントの海岸を散歩していたある家族が、身体中を藻やフジツボに覆われて動けなくなっているウミガメを発見し、メキシコ湾ウミガメ研究センター(GCSTR)に連絡を取った。

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research

 GCSTRではすぐにチームを派遣してこのウミガメを保護。早速身体の周りについた異物の除去と、ウミガメの治療を開始した。

 このウミガメは目の周りを含む全身と、口の中などの軟組織がすべてフジツボに覆われていたという。

これらのウミガメは、しばしば付着生物(別の生物の表面に付着して生活する生物)とともに打ち上げられます。ウミガメが病気になると、付着生物に重く包まれ、動きが鈍くなり、水面に浮噛んでいる時間が長くなります

 身体を覆っていたのはフジツボだけではない。藻やカニ・エビの仲間、コケムシやエボシガイの仲間など、無脊椎動物がたくさん付着していて、自力では動けない状態だった。

 そのためGCSTRのスタッフは、ヒューストン動物園の獣医師とともに綿密な治療計画を立て、何日もかけてフジツボをすべて除去していった。

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research

丁寧な除去作業の結果、自力で泳げるように

 GCSTRの広報担当者によると、徹底的に取り除いて行った結果、ウミガメの状態は改善し始めており、「元気で餌も食べるようになり、体重も増えてきた」とのこと。

 まだ完全に危機を脱したわけではないものの、再び自力で泳げるようになったそうだ。このまま順調に回復すれば、海に帰る日も近いかもしれない。

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research

 このニュースを聞いた多くの人が、GCSTRに感謝のメッセージを送っている。

  • 彼女を助けてくれてありがとう!
  • きっと辛かったでしょうね
  • すごい! 藻やフジツボにここまで覆われてしまうのに、どのくらいの時間がかかるんだろう
    • まだ答えを探している段階ですが、この個体がしばらく前から体調を崩していたことは確かです(GCSTRコメ)
  • このウミガメは何歳くらいなんですか?
    • おそらくはまだ若い個体で、十代くらいだと思います(GCSTRコメ)
  • かわいそうに。でも、皆さんはこのウミガメに奇跡的な、そして細心の注意を払った治療をしてくれました。このまま回復していくことを願っています。そして、皆さんのご尽力に感謝します
  • いつ海に返されるのかしら。その時はぜひ子供たちを連れて見に行きたいわ

 こちらがこのウミガメから除去されたフジツボの一部。カメに付着するフジツボの種類は、カメの種類や生息する環境によっても違いがあるらしい。

 今回除去されたこのフジツボは、どうやら「カメフジツボ(Chelonibia testudinaria)」と呼ばれる種類のようだ。

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research

 フジツボは船の底に付着すると、水の抵抗が増してスピードが落ち、故障の原因になったり燃費に影響が出たりするという。

 ましてや船に比べれば小さなウミガメの身体が、ここまでフジツボで覆われてしまった場合、どれだけ彼らの行動が制限されるのだろうか。

 下は顔面に貼りついていたフジツボを除去する前と後のビフォーアフター。本当に辛かっただろうね。

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image credit: Faceboook @Gulf Center for Sea Turtle Research

テキサスのウミガメの保護を担う団体

 GCSTRはテキサス州のリゾート都市ガルベストンに本拠を置く保護施設で、ウミガメ個体群の回復と、ウミガメにとって重要な生息地の保護を主なミッションとして活動している。

GCSTRの使命は、分子レベルから個体群レベル、生態系レベルまで、あらゆる組織レベルで研究活動を促進し、最終的にウミガメの個体群の回復につなげることです

 さらにメキシコ湾全域のウミガメを専門とする研究者の連携を促すためのコンソーシアムを設立。将来のウミガメ研究者の育成にも力を注いでいるそうだ。

 彼らは定期的に海岸沿いをパトロールし、ウミガメの巣を発見して保全したり、今回のように傷ついたウミガメの保護・治療を行っている。

 また、ボランティアや子供たちと一緒にビーチの清掃を行って、ウミガメについて学んでもらう機会を設けたりといった活動もしているとのこと。

 彼らの活動はFacebookのほか、Instagramでも紹介されているので、興味のある人はぜひ見に行ってみよう。

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編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

ポケモンなら進化だけど、リアルなウミガメにとっては何の新しい技も身に着けられないし、逆に命取りになってしまう危険な状態だね。

体を様々な生物に乗っ取られちゃった感じだもんね。そこに生態系をつくられたとて、亀にとってはなんのメリットもないし、ただ弱っていくだけ。

無事救助されて本当によかった。

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この記事へのコメント 41件

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      1. 日本だったら、フジツボさんはこの後スタッフが美味しくいただきました、となるのかな

        • +7
    1. ウミガメは現存している全種類が絶滅危惧種

      • +41
    2. そりゃフジツボにだって生きる権利はあるが、例えて言えば人にたかるノミやシラミやサナダムシの権利まで尊重している訳にはいかなかろう。
      まあ野生生物は自然のままに放っておけと言うのもそれはそれで間違いではないが、やはり弱っている動物を見過ごせないのが人情というもの。

      • +70
    3. 放置したら近いうちにカメと共に海底に沈むか陸に打ち上げられ干涸らびるか。どっちにしてもフジツボもアボン。だからフジツボにとっては運命に大差ない。

      所詮は宿主が元気でナンボの寄生虫(カメフジツボの名前の通り、血を吸ったりしてなくともカメ専門の寄生虫だよ! たまたまカメについたわけではない)。だから宿主が浜辺に打ち上げられるところまで弱らせた時点で詰んでる。

      • +44
    4. フジツボの個体数よりウミガメが少ないから
      ウミガメを守らないといけない。ウミガメが増えて
      フジツボ一個にウミガメがびっしりくっついてる
      逆転の状況になったらフジツボ保護団体がウミガメを
      払い落す様子がカラパイアで紹介される。

      • +27
    5. フジツボも可哀想だけど、ウミガメのほうが数万倍可哀想ってだけだよ
      フジツボのは草を刈るようなベクトルの可哀想さだな

      • +13
    6. 君は可哀想だからって蚊やゴキブリなんかを全く殺さずに生きてきたのかね?

      • +24
    7. (´・ω・`)フジツボって食べると美味しいらしいですよ
      いやマジで一度食べたらアワビよりも美味しいとか。

      どこかのレストランとかメディアに紹介されれば
      バズりあっと言う間に食い尽くされると思う。

      • +2
      1. ぶっちゃけアワビがそんなに旨くない説。牡蠣より旨いなら興味ある。

        • 評価
  1. 健康なカメなら岩にこすりつけたりして自力で取れるらしいけど、
    病気や怪我で弱ってるとそれができずに
    フジツボや藻が付着 → さらに弱る
    という負のスパイラルに陥るんだろうな

    • +61
    1. なるほどなぁ
      何で弱ると着くんだろうと不思議だったけど元気なら自力でケアできてるからなのか

      • +37
  2. これは、、あり得るのか、、?
    膝の皿の裏にびっしりフジツボとやらが、、?

    • +2
    1. 小さな棘が刺さっても膿んで出てくるんだし、フジツボの幼生なら胎内で生き残れないよ

      • +7
  3. 甲羅ならわかるけど、四肢や頭までこんな事になるものなのか

    • +20
  4. 痛かっただろうにたいへんだったねえ助かってよかったねええええつうほうしてくれたかぞくありがとうセンターのひとありがとう

    • +20
  5. ウミガメの脱皮って何年サイクルなんだろ? この子顔の鱗も変形しちゃってるけど、脱皮でも取れないんだろうか?
    (うちの35歳超えてるクサガメは2年に1回ペースになってきた)

    • +9
    1. ウミガメに付くフジツボはカメが脱皮しても取れないよう
      深くまで根(のようなもの)を張ってるらしい
      骨にまで食い込んでることもあるとか

      • +24
    1. YouTubeでフジツボ除去みたいな文言で検索すると出るよ。
      ただ、蓮コラみたいな合成画像のサムネがかなりの数引っかかるから苦手な人はやめた方がいいかも。

      • +16
  6. 人間がやらかしたものならともかく、自然界での淘汰の一環で手を出すべきじゃない。
    可哀想の基準が…、可愛い生き物だからなの?
    フジツボや藻だって生きてるんだよ。
    命を大きさ、見栄え、好みで測るならあまりにも酷い。

    • -43
    1. 亀のほうが絶滅危惧種だからじゃないか?

      • +28
    2. たまたま地球に住む原生人類に見つかって気まぐれで助けられただけで、自然の出来事です。原生人類は何かしらの理由で他者を区別するし扱いも変える生き物です。

      亀は運が良くて、フジツボは運が無かった。

      • +25
    3. 海洋汚染や温暖化の影響で弱ったかもしれないじゃん

      • +2
  7. ひとつの命を救うためにいくつの命を奪ったんだろう

    • -38
    1. あなたも私も、生きて行くために沢山の命を奪って…いや戴いているのです

      • +26
  8. 人間なんてけっして特別なものではなく自然の一部で
    ときどき人間は気まぐれなことをするっていうのも自然の摂理の一部
    大規模に徹底的にやるんなら自重や自制も必要だけど
    こんな個別の事例はただの気まぐれで片付けていいと思う

    自分も気まぐれな人間のひとりとしてカメさんが楽になって嬉しい

    • +25
  9. 平等に扱いたい、可哀想だから救いたい、人間のせい、自然なこと
    全部力を持った側のエゴでしかない

    だから好きなように選んで手助けすればいいし否定するのも自由だ
    そのために誰かの邪魔をしない限りね

    • +12
  10. いや~亀氏には申し訳ないがカッコいいねって思ってしまったわ。

    • -7
  11. 元々病気になってしまってたんだね
    海の生物として捕食を免れ長生きコースを辿ると病気になっていくわけだ
    そしてフジツボに負けてしまうんだね
    海はエグイなー

    • -3
  12. フジツボは今のところ保護するほどじゃなくたくさんいるがウミガメは保護がいる
    ウミガメに絶滅されると生態系崩れる だからフジツボ殺す
    環境保護は結局は人間のため フジツボは悪いが死んでもらう
    人間が減るのが手っ取り早いんだが

    • +2

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