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仲間の数は274!土星で新たに128個の衛星を発見!

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(著) (編集)

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(NASA/JPL-Caltech/Space Science Institute
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 土星で新たに128個もの衛星が発見され合計274個となった。

 太陽系惑星の衛星は次々と発見されており、土星と木星が熾烈なデッドヒートを繰り広げていたのだが、今回の大量発見により、土星が、木星(現在95個)を大きく引き離したことになる。

 台湾、中央研究院天文及天文物理研究所のエドワード・アシュトン氏は、「私の予測では、木星が追いつくことはないでしょう」と、ニュースリリースで語っている。

続々と新たな衛星が発見されている土星

 今回100個を超える衛星が発見されるきっかけとなったのは、2019年から2021年にかけてやはり大量の衛星が見つかったことだ。

 2023年の発表では、新たに62個の衛星が発見されたとして、天文学者や宇宙のファンたちを驚かせた。この時点で土星の衛星は145個に。更にまた1個発見され146個になった。

 もしかしたらまだまだあるんじゃないかと、アシュトン氏がさらに調査をしたところ、128個もの新発見につながったのだ。

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2025年3月の時点で土星の衛星の数は全部で274個に! X@tony873004

土星の衛星は巨大な衝突で砕けた天体のかけら

今回発見された128個の衛星は、地球の月のように丸く大きなものではない。これらはユニークな軌道を持つ「不規則衛星」と呼ばれれものだ。

 形もいびつで直径わずか数kmほどしかない。つまり、小さな岩の塊のような衛星なのだ。

 新たな衛星は、土星の環の外側にある「北欧群」という衛星グループに属している。その大きな特徴の1つは、土星の自転とは逆方向に移動(逆行軌道)していることだ。

 これらは、もともとはもっと大きな天体だったと考えられている。

 研究チームによると、これらの衛星はもともと土星の周囲を漂っていた天体群が、太陽系の初期に重力によって捕らえられ、その後、互いに衝突を繰り返しながら現在の姿になったと推測される。

 たとえば、土星の第9衛星「フェーべ」は、太陽系で一番遠い惑星「海王星」のさらに向こう側にある、「エッジワース・カイパーベルト」という氷や岩石が円盤状に集まった領域にあったが、太陽系初期に土星の重力に引っ張られ、他の天体と何度も衝突し、小さな欠片(かけら)を作り出すことになった。

 新たに発見された衛星が形成されたのは、今から1億年前のこと。その数・大きさ・軌道の集中から、衝突が起きたまさにその場所であると考えられるそうだ。

I spent almost 2 hours painstakingly copying the orbits of all 128 Saturnian moons from the announcement MPEC and reformatting them for visualization…Behold, here are the orbits of ALL 128 MOONS OF SATURN. This isn't just a moon system—it's a literal asteroid belt around Saturn! 🧪🔭☄️

astrafoxen (@astrafoxen.bsky.social) 2025-03-12T00:04:54.693Z

 この研究は『Planetary Science Journal』に提出された。その未査読版は『arXiv』(2025年3月10日付)で公開されている。

編集長パルモのコメント

パルモの表情、普通

衛星の数を競い合う太陽系惑星の戦いを描いたSF作品とか見てみたいな。というかその裏では衛星を自由自在に操れるエイリアンたちが暗躍していたとかいうやつでよろしくお願いしたい。

References: 128 New Moons Found Orbiting Saturn in Mindblowing Discovery : ScienceAlert / 128 new Saturn moons just announced. Incredible! / Astronomers discover 128 new moons orbiting Saturn | Saturn | The Guardian

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この記事へのコメント 14件

コメントを書く

  1. そういえば一時期、天王星が衛星の数のトップだった事が有ったと思う。

    • +2
  2.  これだけ多いと惑星の周りをまわってる岩石までカウントされそうなので「衛星」の基準を Wikipedia で見ちゃいました。 それによると、「惑星の環などを構成する氷や岩石などの小天体は、普通は衛星とは呼ばれない」ということで、具体的な大きさについては触れられていませんでした。 観測技術が上がると安定軌道に乗っかっていれば衛星と呼べそうですが、どの辺の大きさから岩石なのかって感じでいつか基準が決められるのでしょうね。 惑星についての基準の見直しが入ったように……
     安定軌道の条件がいくつかかいてありました。 ロシュ限界の外側ってのは容易に想像がつきますが、「逆行衛星でないこと」ってのが引っかかりました。 今回の記事中のアニメーション画像では逆行しているように見えるのもありますけどこの辺どうなんだろう?とね。

    • +3
    1. IAUが2006年に惑星を定義したとき衛星は今後検討する予定とかいってたけど検討もされてないよね

      • +3
  3. 輪とは違うのか
    土星の周辺がごちゃごちゃしてるのは分かった

    • +5
  4. この時点で追加で128もの衛星が発見となるとなると数年後には更に数百単位で発見されそうな予感

    • +3
  5. 多分現時点では通し番号とかで呼ばれてるんだろうけど
    ひとつひとつ名前つけたら神話の登場人物(神々)じゃ足りなくなりそうね

    • +4
    1. 天体に神の名を冠するのは既に足りないので
      オウムアムアが…

      • +2
  6. 周ってる内に加速し過ぎて土星の重力圏から飛び出したり
    逆に土星に落下するのもいるんだろう
    月も徐々に地球から離れているらしいから
    朝起きたら書置きを残していなくなってた日も来るかもね

    • +2
  7. 木星の衛星だっけ?
    昔は土星みたいに輪があったけど、それが重力に負けて全部墜落して、衛星が巨大な山脈で真っ二つにされてるやつ
    宇宙から見ると、星がレモン型になってる
    土星もこれから何十億年も経ったら、そうなるんだろうか

    • +1
  8. 衛星の基準が良く分からないな。太古の昔土星軌道に有った大き目の衛星同士がぶつかった後のある衛星も衛生なら今後も衝突を繰り返して分裂する事もあるからどうカウントするのか気になる。
    自分はぶつかった破片は単なる岩で衛星は球状じゃ無いと認めないくらいの分け方でも良いと思うが、逆に重力圏に捉えられて回っていれば全て衛星でも良いけど、そうなると衛星をカウントする意味が無いね。
    (地球に接近する可能性のある者は監視が必要だけどね)

    • 評価
    1. > 衛星は球状じゃ無いと認めない
      同じこと考えたけど火星のフォボスとダイモスがあるからね
      どちらもジャガイモ並みなので

      • +2
  9. 「エッジワースカイパーベルト」と聞くだけでクラクラするような快感を覚える。いわゆるSF脳って言うやつ。

    • +2
  10. シュミレート画像、昔のVGAボードの性能試験用ソフトみたいに見えた(笑

    • 評価

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