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今度のドローンはカラスがヒント。飛ぶのはもちろん足で歩いたりジャンプすることもできる!

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(著) (編集)

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鳥のように動くドローン nature video/Youtube
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 ドローンも多様化の時代だ。様々な特性を持ったドローンが登場しているが、新たに開発されたのが、カラスにインスパイアされたというその名も「RAVEN(レイブン)」である。

 スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究チームがこだわったのは足だ。飛行能力はもちろんのこと、ちょこまかと歩き回ったり、ひょいとジャンプして隙間や段差を乗り越えることができる。

 研究チームによると、RAVENの歩行から飛行へのスムーズな移行性は、複雑で難しい環境にもうまく対応できる先進的なドローンへの道筋を開く可能性があるという。

足にこだわって開発されたカラス型のドローン

 鳥が空の生き物だということは誰でも知っている。だが見落とされがちなのは、彼らが空と地上の2つの領域を上手に行き来しているという点だ。

 美しい翼は飛行に特化したものだ。だが実は足も重要な役割を果たしている。

 枝を上手に掴んだり、地面をちょこちょこ歩きまわったり、パッとジャンプして離陸しては飛行を開始するなど、さまざまな機能を果たしているのだ。

 そこで、スイス連邦工科大学ローザンヌ校の研究チームは、鳥と同じ動きができるドローンの開発に着手した。

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白いけどカラスがモチーフとなった鳥型ドローン、レイブン nature video/Youtube

 難しいのは、歩行とジャンプとでは足の動かし方が違うところだ。

そのために別々の仕組みを搭載すれば、当然機体は重くなり、飛ぶことが難しくなる。多機能性を実現しながら、いかにして飛行に不可欠な軽さを維持するか、これが大きな課題になる。

 その難題をクリアしたのが、鳥型ドローンの「RAVEN(レイブン)」だ。

 ”Robotic Avian-inspired Vehicle for multiple Environments”の略語だが、レイブンはワタリガラスを意味する言葉で、うまいことかけあわせたネーミングだ。

 RAVENの脚部は腱のようなスプリングや柔軟なつま先といった工夫を施すことで、本物の鳥のようなさまざまな動作が可能になっている。

 カラスをモデルにした翼幅100cm・体長50cmの機体は、1mを4秒足らずで歩行し、12cmの隙間や26cmの障害物をひょいと跳び越える。また飛び立つ時は、秒速2.2mで走り、高さ0.5mにまでジャンプする。

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うまく足を使って台に飛び乗るRAVEN nature video/Youtube

上手に飛び立つために大切な役割を果たす足

 従来の二足歩行ロボットがアクチュエータで足を制御するのに対し、RAVENではとにかく軽くすることを念頭に設計されている。

 たとえば、受動的に伸縮するつま先の関節部は、余分な重量を増やすことなく、さまざまな歩行が実現するうえで役に立った。

 それによって、適切な角度で離陸できるようになったのも大きなポイントだ。

 一方、足の多機能性にこだわった結果、RAVENの総重量620gのうち、230gが脚・つま先・アクチュエータといった多機能性に関係するパーツで占められることになった。

 問題は、それによって複雑になった足の設計が、もう1つの重要点である軽量化とうまく両立されているかどうかだが、この点も心配ないようだ。

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RAVENの脚部 nature video/Youtube

 この足のおかげで歩行やジャンプが可能になり、かえってスムーズに離陸できるようになったのだ。

 とりわけジャンプによる離陸は、止まった状態からいきなり離陸するより10倍もエネルギー効率的であることが判明したという。

 ジャンプしないで離陸しようとすると、たとえ角度が最適だったとしても、飛行は不安定で非効率的なものになる。

 ところが、ジャンプさせてやると、その駆動エネルギーが運動エネルギーと位置エネルギーに効率的に変換され、よりスムーズに飛行へ移ることができる。

 またRAVENの足は、歩いている際のエネルギー効率も向上させ、そのおかげで短距離飛行を繰り返さなくて済むのだという。

Watch this bird-inspired robotic drone leap into the air

もっと本物に近い鳥型ドローンを目指して

 本物の鳥の足ならば、飛ぶだけでなく着地したり、木の枝にとまったり、あるいは泳いだり、物を掴んでいじったりといったこともする。

 もちろん研究チームはそんなこと承知しており、RAVENをもっと本物の鳥に近づけるために、今もなお改良を続けている。

 だが少なくともRAVENを大型化するのは可能であるとのこと。大きくなったRAVENならば、空からお届け物を宅配なんてこともできるようになる。

 また翼が大きくなり障害物に衝突しやすくなった時のために、折りたたみ式の翼などで狭いところを通り抜けるといったアイデアもあるそうだ。

 この研究は『Nature』(2024年12月4日付)に掲載された。

References: EPFL's bird-inspired RAVEN robot enables walking, hopping, and flight

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この記事へのコメント 21件

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  1. 「足は飾りなんかじゃない、現場の人間にはソレが解らんのだよ」

    • +10
  2. 飛んじゃうと普通のプロペラ飛行機みたいだけど、鳥の形してると「頑張ってる」感出てカワイイな

    • +22
  3. もっとカラスみのある顔かと思ったらふつうに飛行機顔

    • +1
  4. 『カラスの教科書』によると
    カラスは汎用型で色んなことができる(体型)と言う
    だからベースにするのに適してると思う

    • +10
  5. 流石に羽ばたき飛行まで再現するのは
    コスト的に厳しいのかな。
    鳥でも虫でも殆どの飛行生物は羽ばたき飛行だから
    航空力学的には効率の良い飛び方なんだろうと思うけど。

    それともプロペラの方が飛び方として優れてるけど
    生物の方がそれを実現できてないのだろうか。

    • +1
    1. 揚力を得る原理と推進力を得る原理という意味では、流体中での動きによって生じる力を利用しているため、プロペラ式航空機も飛翔生物も同じと言える。
      プロペラのようにある部分を他の部分から独立して360度連続回転させて推進力を得ることが生物に実現できないかという意味では、微生物だと鞭毛モーターの例はあるが、大型生物だと恐らく十分な出力で回転させる方法が無い。

      • +2
  6. なにこの妙な愛らしさ…かなりかわいい
    巣離れのような風を掴んだ瞬間にちょっと感動してしまいました
    フライシャーロボのようでもあり白いマグパイのようでもあり

    • +6
    1. アポロンの下で真面目に働いてた頃の姿なんだよ

      • +5
  7. いずれ飛行機の離陸もジャンプ方式に変わるのかもね。
    空母に巨大で複雑で膨大なエネルギーを要するカタパルトをつけるより効率はいいだろう。

    • 評価
    1. 飛行機にジャンプさせると飛行機側にジャンプできるだけの機構を搭載せねばならなくなってしまう。当然重量が大幅に増大する。
      カタパルトは飛行機を離陸のため加速させる機構を飛行機の外部に設置したものという見方もできる。飛行機側の重量増を大きく抑えつつ短距離・短時間で加速してからの離陸を可能にさせている。
      ジャンプ離陸方式はあくまで軽量小型の航空機を場所を選ばす離陸させるのに適した方式だと思う。

      • +3
  8. これから自立をします。陸海空を駆け抜け、さらに大きく成長し、そして皆で独立します。

    • +1
  9. 数年後にはカラスそっくりなドローンができそうだな

    • +2
  10. ハシボソガラス系の歩き方ですね。 ハシブトガラスは両足ピョンピョン。

    • +1

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