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150万年前のアフリカで異なる2種の初期人類が同じ場所で共存していたことが足跡から判明

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(著) (編集)

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発掘された足跡の航空写真 Image credit: Louise N. Leakey, Turkana Basin Institute and Stony Brook University
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 アフリカ、ケニアで発見された150万年前の足跡によって、2種の初期人類がまったく同じ場所、同じ時代で共存して生きていたことが明らかになった。

 一緒に暮らしていたことが明らかになったのは、「ホモ・エレクトス」と「パラントロプス・ボイセイ」だ。

 いずれもすでに絶滅しているが、とりわけホモ・エレクトスは私たち「ホモ・サピエンス」の直接的な祖先であるため、今回の発見は彼らの暮らしぶりについて新たな洞察をもたらしてくれる。

 異なる初期人類(化石人類)が共存していたという証拠は、彼らが何らかの形でお互いに交流していただろうことを物語っているという。

数時間差で同じ場所につけられた2種の人類の足跡

 東アフリカでは足跡の化石がたくさん発見されている。

 例えば、タンザニアのラエトリ遺跡では、約360万年前につけられた「アウストラロピテクス・アファレンシス」(ルーシーの化石で有名)の足跡が見つかっている。

 だが今回、ケニアのトゥルカナ湖国立公園群内にあるコービ・フォラで発見された足跡には、注目すべき特徴があった。

 それは、2種の二足歩行動物がほんの数時間差で同じ場所を歩いたことで残されたと考えられる点だ。

 化石人類(現在ではすでに化石化してその人骨が発見される過去の人類)である、「ホモ・エレクトス」と「パラントロプス・ボイセイ」である

 コービ・フォラでは、300万年ほどの間にアウストラロピテクス属2種とヒト属4種が暮らしていたことがわかっている。

 ただし、それらの化石は不完全かつ断片的なものであるため、彼らが同時期に暮らしていたのかどうか確かなことは不明なままだった。

 ところが、新たに発見された足跡は、少なくとも2種がまったく同じ時代に住んでいただろうことを示しているのだ。

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左:ワシントン DC のスミソニアン自然史博物館の人類起源ホールに展示されているホモ・エレクトスの成人女性の顔の復元模型((Wikipedia)、右:パラントロプス・ボイセイの法医学的顔面復元((Wikipedia)

ホモ・エレクトスとパラントロプス・ボイセイ

 コービ・フォラの足跡は、複数種の足跡が8mに渡って続いている。1人の人物は、12個ほどの足跡を残しており、また別の人物のものが3つあった。さらにすでに絶滅した大型コウノトリの足跡も一緒に保存されていたという。

 3Dイメージング技術による分析では、足跡を残した人物の足の形と動きの特徴が明らかになっている。

 まず3つだけ残された足跡の人物は、土踏まずが高く、まず踵を着いて次につま先を着くといった現代人に似た足運びが見られた。

 こうした特徴から、体形も大きさも現代人によく似ていたホモ・エレクトスの足跡だろうと推測されている。

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ホモ・エレクトスの足跡 /Image credit: Kevin G. Hatala, Chatham University

 もう一方の足跡は、ずっと平らで、踵よりもつま先が深く着地していた。また、親指がやや広がっており、現代人の足の親指のように他の指に沿っていなかった。

この特徴からは、親指がほかの指から離れていたP. ボイセイのものであることがうかがえる。

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パラントロプス・ボイセイの足跡 / Image credit: Kevin G. Hatala, Chatham University

 これらの人物が男性なのか、女性なのか、それとも子供だったのかはっきりとはわかっていない。

だがパラントロプス・ボイセイの靴のサイズは大体26.5cm、ホモ・エレクトスは22.5~24.5cmくらいであるそうだ。

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ホモ・エレクトスとパラントロプス・ボイセイの足跡の3Dモデル / Image credit: Kevin G. Hatala, Chatham University

チンパンジーとゴリラの関係に似ていた?

 こうした足跡が示しているのは、今から150万年前、この地域ではホモ・エレクトスとパラントロプス・ボイセイが共存していただろうということだ。

 ただし彼らがお互いにどう思っていたのか、どのような交流があったのかはわからない。友好的だったのか、敵対的だったのか、それとも無関心だったのか、確かなことは不明だ。

 だが、今回の論文著者である米国チャタム大学の古人類学者ケビン・ハタラ氏は、両者の関係は、チンパンジーとゴリラのようなものだったのではと考えている。この2つの種は、良くも悪くも、互いに交流している姿が確認されているという。

 それでもホモ・エレクトスとパラントロプス・ボイセイの足跡がほぼ同じ場所にほんの数時間差でつけられたことを考えると、両者は想像以上に身近な存在だったのではないかと想像される。

 「彼らが互いを目にしたとき何を思ったのか、そしてどのように交流したのかを考えるのは楽しいですね」と、ハタラ氏は述べている。

 この研究は『Science』(2024年11月28日付)に掲載された。

References: 1.5 million-year-old footprints reveal our Homo erectus ancestors lived with a 2nd proto-human species | Live Science / 1.5-Million-Year-Old Footprints Suggest Two Ancient Human Relatives Walked Together | IFLScience

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この記事へのコメント 9件

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  1. 中学生の時に
    「北京原人だ~」とからかってゴメンね。
    いつも愛してるよ。

    • -4
  2. 友好的だったって考える最近の風潮なんだろうね
    ちょっと前まで欧米の学者はそんな感じじゃなかったのに

    • +2
  3. 同時期に共生出来たと言うことは、食べ物が豊富だったか、被らなかったか…。
    私的だけど、なんか最近「~原人」とか「~類人猿」とかめっちゃ多くて引く。
    私が学校で教わったのは北京原人とジャワ原人、アウストラロピテクスとホモサピエンスくらいよ。

    • 評価
    1. 土地が広くてその割に人口が少なかったのかもね
      他のGrと被ったらどこかに移動すればいいわけだし
      争うより移動の方が楽で安全

      でもネアンデルタールは習ったでしょ

      • 評価
  4. 今も理系の知識を使いものを産出せる民族は限られているので
    現在も2種以上の異なる人類が併存してる状態

    • 評価

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