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【訃報】ロシアのスパイ疑惑のあったシロイルカ「ヴァルジミール」が突然の死

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(著) (編集)

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  かつてカラパイアで何度か取り上げたことのある、ロシアのスパイ?疑惑のあったシロイルカ(ベルーガ)のヴァルジミールを覚えているだろうか。

 ノルウェーに“亡命”した格好だったヴァルジミールが、2024年8月31日、同国の南西部、リサヴィカ湾で死亡しているのが発見された。

 死骸には大きな外傷は見られなかったといい、発見される24時間前には生きているのが確認されていたそうだ。

 ノルウェー当局ではヴァルジミールの遺体を回収し、今後死因を特定するために、専門家による解剖が行われるという。

ノルウェーからヴァルジミールの訃報が伝えられる

 2024年8月31日付のInstagramへの投稿で、ノルウェーの非営利団体Marine Mindはヴァルジミールを追悼し、彼の死を世界に向けて発表した。

ヴァルジミールの訃報を伝えるのは非常につらいことです。今朝、私たちは地元の人からの目撃情報を受けて、彼が安らかに水に浮かんでいるのを発見しました。

彼の死因はすぐに判明するものではありませんが、早すぎる死を調査するために検視が行われる予定です。

過去5年間にわたって、彼は何万人もの人々の人生に触れ、自然の驚異に畏敬の念を抱かせ、人々をひとつにしてきました。

彼の存在は、海洋保護の重要性を私たちに教えてくれました。そしてそうすることで、私たち自身についても、多くのことを教えてくれたのです。

ヴァルジミールは人間と野生動物との間の橋渡しを、類を見ない方法で果たしてくれました。

多くの人々にとって彼は特別な存在であり、彼と出会う機会に恵まれたすべての人々に、忘れられない足跡を残しました

ロシアのスパイ?と疑われたシロイルカ

 シロイルカ「ヴァルジミール」について知らない人もいると思うので、まずざっくりとおさらいしておこう。

 まず、「ヴァルジミール」という名前は、ノルウェー語でクジラを意味する「フヴァル」と、ロシアのプーチン大統領の名前「ウラジミール」をもじってつけられたもの。

 ヴァルジミールが初めてその姿を目撃されたのは、2019年4月のことだった。

ノルウェー北端のフィンマルクで漁師たちによって発見されたとき、彼は身体に小型カメラが取り付けられたハーネスを装着していたんだ。

 その海域は、ロシアのムルマンスク海軍基地から400kmほど離れた場所で、ハーネスには「サンクトペテルブルクの備品」と英語で書かれていた。

 そこでヴァルジミールは「ロシアのスパイとして訓練されていたのでは?」という疑惑が浮上した。

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 ロシア当局は当初この疑惑を否定したが、後に海軍が軍用イルカを保有していることは認めたそうだ。

 ただし、このヴァルジミールが本当にロシアのスパイだったかどうかは今も不明だ。ハーネスに書かれていた文字が英語だったのも謎である。

 とにかくヴァルジミールはそもそものスパイ疑惑と、その人懐っこいパーソナリティで一躍人気者になり、その後はノルウェーの沿岸に定着。

 多くの人が彼との交流をSNSに投稿するなど、ネット上でも世界中から注目を集めるようになっていた。

釣りをしていた父子が遺体を発見

 ヴァルジミールがが死んでいるのを発見したのは、ノルウェーの南部にあるリサヴィカ湾沖で釣りをしていた父子だという。

 長年彼の様子を見守って来たMarine Mindは、SNSで次のようにコメントしている。

ヴァルジミールは単なるシロイルカではありません。希望の光であり、つながりの象徴であり、人間と自然界の深い絆を思い出させる存在でした

 彼はこれまでに人間の船とぶつかって、大ケガをしたことも何度かあったそうだ。だが今回発見されたとき、彼の身体には大きな外傷はなかった。

 Marine Mindで3年間ヴァルジミールを観察してきた、海洋生物学者のセバスチャン・ストランド氏によると、遺体となって発見された前日にヴァルジミールの元気な姿が確認されていたという。

私たちは彼の遺体を回収し、冷却された場所に収容しました。獣医学研究所による解剖で、彼に実際何が起こったのかを解明できるでしょう

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 ヴァルジミールは体長が約4.2m、体重は約1,225kgだった。シロイルカの寿命は、野生下では通常40~60年と言われている。

 ヴァルジミールは14~15歳だったと推定されており、人間でいえば20代の早すぎる死だったと言えるだろう。

 解剖の結果は2~3週間以内に公表される予定だという。

 保護団体によると、体に複数の銃創があり、弾丸も残っていたとのことで、犯罪の可能性もあると報じているところもあるそうだが、正確な死因がわかったらまたお伝えしたい。

軍事利用されるクジラやイルカが増えている?

 ウクライナとの戦争が進行中のロシアでは、対ウクライナ軍対策として、クリミア半島で軍用イルカの訓練をしているとの情報もある。

 イギリス国防省によると、昨年にはクリミア半島の沖合で、イルカ・クジラ用のいけすの数が倍増しているのが確認されたそうだ。

 もともとクリミア半島に軍用イルカ訓練施設があることは知られていたが、ロシアに侵攻される前はウクライナが管理していたという。

 ウクライナ情勢は予断を許さない状況にあるが、これ以上海の生き物たちが戦争に巻き込まれることのないよう祈りたい。

References: Beluga whale alleged to be Russian ‘spy’ found dead in Norway | Norway | The Guardian / Whale dubbed a Russian spy found dead off Norway

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 作り物みたいに肌がきれいなイルカさんだったんだねえ

    • +1
  2. 生き物ってちょいちょい死ぬよねえ。
    捕食とかなくてもちょこちょこ死ぬもんよ。

    • 評価
  3. 眠れ眠れヴァルジミール お前にも迎えがやって来た  
    お前の故郷 暗い闇の底に帰るが良い
    もう無意味な争いは終わり お前は全てを受け入れて
    安らかに眠るが良い

    • -3
  4. 純粋無垢な動物を軍事利用 するなんて人間は何て醜いのだろう
    せめて最期は自然死だったと思いたい
    人間によって殺されたのであればもう救いようがない

    • +8

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