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自閉スペクトラム症の成人は、目の前にない物体や状況を視覚的に思い描く能力に長けている

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(著) (編集)

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 新たな研究によると、「自閉スペクトラム症」の成人は、目の前に実物がなくても、頭の中で物体や状況を視覚的に思い描く能力に優れていることがわかったという。

 こうした想像力は、過去の出来事を思い出したり、意思決定を行ったりする際に重要な役割を果たす認知機能の1つである。

 これまでの研究で、自閉スペクトラム症の人は、普通の人とは少々違った視点で世界を見ており、それによって知覚的に優れた能力を発揮する場合があることが明らかになっている。

 『Autism Research』(2024年7月11日付)に掲載された研究でも、そんな彼らのイメージの力が探られ、従来の説の正しさが改めて裏付けられている。

自閉スペクトラム症(ASD)とは?

 自閉スペクトラム症(ASD)とは、多くの遺伝的な要因が複雑に関与して起こる発達障害の一種で、データにより異なるが、人口の2.5%~5%くらい存在する可能性が指摘されている。

 主に社会的なコミュニケーションの困難さや空間・人・特定の行動に対する強いこだわり、興味・関心の狭さ、感覚(刺激)の過敏さなどを特徴とするが、その症状は多種多様であり、一人ひとりで異なる。

 そういった特性は幼少期から現れるが、大人になってASDであることが発覚する場合もある。

 これまでは、自閉症、広汎性発達障害、アスペルガー症候群など、様々な名称で呼ばれていたが、2013年のアメリカ精神医学会(APA)の診断基準DSM-5の発表以降、自閉スペクトラム症(ASD)としてまとめて表現するようになった。

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Photo by:iStock

自閉スペクトラム症の人々のイメージ力をテスト

 トゥールーズ大学ジャン・ジョレス校(フランス)のチームによる今回の研究では、特に自閉スペクトラム症の人の「イメージ」の力が探られている。

 実験に参加したのは、自閉スペクトラム症の成人(18~50歳)44人と、特に発達障害のない成人(21~47歳)42人だ。

 参加者には、イメージ力を測定する次の4つのテストに取り組んでもらった。

  • イメージ生成:マス目に想像で文字(例えば E)を書いてもらい、その時に特定のマス目に線が引かれるのか答える
  • 想像による回転:立体的に描かれた図形を見た後、それとは別の角度から描かれた図形が表示されるので、最初の図形と同じものか答える。
  • 視覚パターン:シンプルなドット絵のようなマス目を見た後、白紙のマス目を見てどこが塗られていたか答える
  • イメージスキャン:4つの点が描かれた白いスクリーンを見た後、点の代わりに矢印が表示されるので、それがきちんと点があった位置を指しているかどうか答える
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image credit:Pixabay

自閉スペクトラム症の成人の優れたイメージ力

 これらのテストのうち、自閉スペクトラム症の人と普通の人とで大きな違いがあったのが、視覚パターンとイメージスキャンだ。

 自閉スペクトラム症の人は、より正確かつ素早く回答したり、より多くのパターンを記憶できたりと、優れた成績をマークした。

 こうした結果は、これまでの研究と同様、自閉スペクトラム症の人はイメージ力が高いという仮説を裏付けるものだ。

 ただし今回の参加者は、全員がある一定以上の知能の持ち主であることには注意が必要だ。

 参加者が取り組んだテストが多少なりとも複雑なものだったため、これは仕方がないことだ。

 だが、そのせいで、この結果が自閉スペクトラム症と診断される人全員に当てはまらない可能性もある。

 とは言え、頭の中に物体をはっきり思い浮かべるその能力が、彼らにどのような世界を見せているのかとても興味深いことだろう

References: Autistic adults exhibit unique strengths in mental imagery, study finds

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この記事へのコメント 15件

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  1. 「教室の隅でずっとノートになんか書いているオタク」
    を学術的に表現するとこうなります

    • -2
  2. イメージ力というより単純な記憶力だな

    • 評価
  3. 発達障害の作者の実録漫画で「学校の授業中に目の前にキャラを出して動かす妄想をしてた」ってあったの思い出した。
    漫画家は小さい頃から想像力豊かなんだと思ってたけど比喩じゃなくて本当にキャラが見える才能があったのか。

    • +3
  4. 「自閉スペクトラム症の成人(言語的障害が強い場合に)は、目の前にない物体や状況を視覚的に思い描く能力に長けている(傾向がある)」ではないかな?
    言葉の障害との関連が今回比較されてないけど、『4歳で写実的な絵を画く自閉症の少女が言語訓練を受けたところ、その才能を失う』とか『言語野の発達してなかった初期の人類が見事な壁画(壁の凹凸も利用)を残した』とか
    『言語の獲得は空間認知を浸食(削るでもいい)して得るもの』のようだという考えがあって、私はそれを押してるんだ(というか、その手の本を2冊読んでるから)
    ここからは私の解釈『人類が言語を獲得するにあたり、容量(キャパ、スペース)を多く使ってる(潜在的に持ってる)空間認知の一部を割り振った』のでは?
    もともと猿の仲間である人、枝から枝へ移るのに発達させた脳、それが地上生活し集団生活の中、空間認知の必要性は前より減っていく(もちろん狩りなどでは有効だが)
    そこでパーテションを切り直す(使わない脳領域は使うものに割り振る)ようになった
    それは個人の発達でも起こり、健常者は早期に起こり現象として気づかれないが、自閉スペクトラム症の成人はそれが遅れる、または十分に移行しない(言語の遅れとして見られ空間認知能として残る)
    それが今回の実験結果

    • +3
  5. ネットでも何と戦ってるん?って人いるよね(違)

    • 評価
  6. まあまあいろんな人がいるよ
    話が転がるとついてこられない人は質問すればいい

    • +1
  7. 「視覚」イメージ力の話題なのに、なぜ話してない事・書いてない事の話になるの?
    それこそあなた自身がそれを体現してるようにしか思えないのだけれど

    • 評価
  8. 全然違うし🙄

    読解力の低さでどんどん脱線していくというモデルケースか🙄🙄

    • 評価
  9. ASDでIQ140の人が家族にいるけど絵も間違い探しも立体の別角度を想像するのも世間一般の人よりずっと苦手だよ
    ただ子供の頃から一度も道に迷ったことがないし、どんなに開発された土地でも歩くだけで本来の地形を言い当てる
    興味の有無の問題なのかな
    色んな人がいるね

    • 評価
  10. この記事が気になったので、インターネッツで成人期のASDセルフチェックをやってみた。(RAADS-14)
    結果、ASDの特性を持っている可能性は低いと出た。
    でも、設問の中に、引っかかる要素が複数あり、それらの傾向が強く出ているか否かによって、ASDかどうかが判断されるのだとわかった。

    チェックリストには、大なり小なり、誰でも該当しそうな設問が入っていて、特に生活上困らなければ、無理に矯正する必要はないのだと思う。
    エゴグラムもそうだけど、自分を知る上で、ASDセルフチェックは有益だね。

    興味深い記事を有難う。

    • +1
  11. イメージ・想像力・思い描く、という単語から日本人が受けるイメージはどちらかというと少数の単語や情報や思い出から、新しいモノや実際には無いものを思い描いたり創造性に富んだ発想をする事を指してるような気がするので、何か違和感のある話。

    内容としては今まで知られてる通り発達障害の人の記憶力が高い、その内容の補填だった。

    発達後の脳は記憶力が低い訳でなく、幼児期の記憶力特化の頭から想像力に長けた脳になっても取り出し能力のタイプが変わるだけで、実際は記憶力自体はあんまり変わって無いような気がする。

    子供の成長を見てると園児~小学校低学年あたりで会話等の発信能力が伸びると高い記憶力と相まって「ウチの子天才かも」なんて勘違いするが、実際は記憶力が高いより想像力・創造力が高い方が格段に頭が良くなったと実感する。

    • 評価
  12. これ別に無いものを想像するんじゃなく視覚記憶の話だよね多分
    さっき(あるいは昔)見たものをまんま記憶してるっていう

    • -1
  13. 旭川の廣瀬爽彩さんも自閉症で絵が得意だった

    • 評価

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