この画像を大きなサイズで見る世界を震撼させるサイバー攻撃が相次いでいる。ヨーロッパ11カ国のスーパーの冷蔵庫・冷凍庫が一斉に50℃まで熱くなる事件が起きた。
先月フランスのスーパーで発生した攻撃と同じ手口で、インターネット経由で何者かに冷蔵設備を乗っ取られ、大量の食品が廃棄された。
犯人は身代金を求めておらず、犯行声明も出していない。食べ物をダメにする攻撃の目的はいったい何なのか?
個人情報流出も怖いが、食べ物をこれほど粗末に扱われるのもある意味怖い。っていうかむなしい。
参考文献:
- Who is hacking Europe’s supermarket fridges and freezers, and why? | Cybercrime | The Guardian
- Hackers turn freezers into 122-degree ovens in six-country attack
ヨーロッパ11か国のスーパーの冷凍庫が一斉に50℃に
2026年11月1日の夜から2日の未明にかけて、ベルギーやスウェーデン、アイルランドなどのスーパーで、冷蔵庫や冷凍庫の温度が一斉に50℃に上がった。
ベルギーではスーパー大手デルハイゼの約40店舗とカルフールの15店舗が被害を受け、家具大手イケアの店舗の食品売り場も被害にあった。
被害はドイツやイタリアなどにも広がり、11月3日の時点(現地日時)で少なくとも11か国に広がった。
ベルギーのデルハイゼのある店舗では、捨てた野菜や果物だけで10万ユーロ(約1770万円)分にも及んだという。
この画像を大きなサイズで見るインターネット経由で制御装置に侵入
今回とよく似た攻撃は、およそ3週間前にフランスでも起きていた。
2026年10月11日の夜から12日の早朝にかけて、フランス各地の約700店のスーパーで冷蔵庫や冷凍庫が最高50℃に加熱され、大量の食品が捨てられたのだ。
スーパーの冷蔵売り場では、店内の冷蔵庫や冷凍庫を1台の制御装置でまとめて管理している。
保守点検の業者が離れた場所から温度を調整できるように、制御装置はインターネットにつながっている。
攻撃者はインターネット経由で制御装置に侵入し、冷凍庫を霜取りモードに切り替えたり、温度の設定を引き上げたりした。
冷凍庫は霜取りモードになると、内部にこびりついた霜を溶かすため、ヒーターで一時的に温度を上げる。
霜取りは本来短い時間で終わり、冷凍庫はすぐに冷やす運転に戻るが、攻撃者は霜取りが終わらないように設定し、冷凍庫を加熱し続けたのだ。
被害を受けた設備の多くには、フランスの事件でも狙われたデンマークのメーカー、ダンフォスの制御装置が使われていた。
フランスの事件のあと、ほとんどの店は対策を取ったが、対策をしていなかった一部の店が狙われたという。
古い装置を守るにはソフトウェアの更新に加えて、設備そのものを改修する必要がある。
最も簡単な対策は、制御装置をインターネットに直接つながず、決められた業者だけが使える専用の回線を通して管理することだという。
いったいなぜ食べ物を狙うのか?
これだけ大規模な攻撃ながら、犯行声明も身代金要求も出ていない。
サイバー攻撃の多くは、個人情報を盗んだり、パソコンのデータを使えなくして身代金を要求したりして、お金を手に入れることを目的にしている。
だがヨーロッパのスーパーを襲った一連の犯行は、食べ物を標的にしている。
オーストリアのセキュリティ企業の専門家は冷凍庫は誰から命令されても50℃に加熱する命令を受け付けない作りにするべきだと指摘している。
インターネットにつながった機器への攻撃が、現実の命や食べものに被害を与えた例は過去にもある。
2024年にはスイスの酪農家で搾乳ロボットのシステムがサイバー攻撃を受け、母牛とお腹にいた子牛が死亡した。
スイスの事件では犯人が身代金を要求していたが、今回の冷凍庫への攻撃では身代金の要求は報じられていない。
犯人が誰なのかについて、各国の見方は分かれている。
EUのクリストフ・ハンセン食料・農業担当委員は、ヨーロッパの食料の供給を混乱させ、食品への消費者の信頼を失わせるための意図的な攻撃だと警告した。
一方、ルーマニア国家サイバーセキュリティ局のダン・チンペアン局長は、攻撃は半分素人のようなもので、国家による攻撃とは考えていないと話している。
ベルギーの検察は捜査を始め、イタリア政府は情報機関の幹部と緊急の会合を開いた。
ベルギーのサイバーセキュリティ当局は、犯人が誰なのかは永遠にわからないかもしれないとしている。
アメリカでも、8月に複数の米軍基地の中にある食料品店で冷凍庫の故障が相次いだ。
米国防総省は故障の原因がサイバー攻撃だった疑いがあるとみて調べており、フランスの捜査当局とも連絡を取り合っている。
だがやはり、誰がシステムに侵入したかはまだわかっていない。
日本でも相次ぐサイバー攻撃
日本でも、サイバー攻撃による被害が相次いでいる。
東京商工リサーチによると、1000万件以上の個人情報が漏えいした事故は、2025年までの14年間で3件だったが、2026年は、10月23日までにすでに8件が起きている。
個人情報保護委員会によると、2026年4月から10月半ばまでに不正アクセスで漏えいした個人情報は、漏えいのおそれがあるものも含めて延べ約2億6000万人分にのぼるという。日本の人口のおよそ2倍の規模だ。
11月2日には、GMOインターネットグループが記者会見を開き、仮想デスクトップサービス「お名前.com デスクトップクラウド」が不正アクセスを受けたことについて説明した。
攻撃者は80億円の身代金を要求しており、侵入に使われた弱点は、2年前にグループ会社が指摘していたものだった。
日本で相次ぐ攻撃は情報やお金を狙っているが、ヨーロッパの攻撃のターゲットはスーパーの食品だ。
犯人の目的は、今もわかっていない。
COMFEE' 冷凍庫 142L 上開き 温度調節6段階 大容量 直立式 省エネ 静音 ストッカー 小型 家庭用 自立式 RCC143WH(E) ホワイト
このPRリンクから注文に進んだ場合、販売サイトからカラパイアに紹介料が支払われることがあります。紹介料が発生した場合は、サイト運営の継続と記事制作の資金として活用いたします。

















編集長パルモのコメント
今やインターネットに接続して遠隔操作や管理ができるIoT家電が多く出回っているが、ハッキングされたら家の冷蔵庫の食べ物がダメになっちゃうとか考えただけでも恐ろしいね。冷蔵庫だけならまだしも、監視カメラに入られたら家の中丸ごと見られちゃったりするのかな?うちに4台ある監視カメラの1台が暴走して夜中にアラームが鳴り続けたのは、もしかして!いやいや私のやらかし具合は半端ないから、私の仕業であって欲しい。