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丸い鼻がキュートな深海の新種のサメを発見。世界最小のサメの候補に

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Image credit:S.V. Bogorodsky / Ebert et al., Journal of the Ocean Science Foundation (2026) / CC BY 4.0
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 一言にサメといっても多種多様だ。人食いザメと恐れられる大きなものから、人間には無害な手のひらサイズの小さなものまで560種以上存在する。

 インド洋のモーリシャス沖の深海で丸い鼻を持つ小さなサメが発見され、国際研究チームの調査で新種であることが明らかになった

 ツノザメ目カラスザメ科に分類される新種の全長はわずか21.5cmで、世界最小のサメの候補として注目されている。

 この研究成果は『Journal of the Ocean Science Foundation』誌(2026年8月12日付)に掲載された。

モーリシャス沖の深海で引き揚げられた小さなサメ

 インド洋南西部のマダガスカル島の東に浮かぶ島国、モーリシャス沖の水深400〜500mに仕掛けた海洋調査プロジェクトのトロール網に、全長21.5cmの小さなメスのサメが1匹かかった。

 アメリカのサンノゼ州立大学太平洋サメ研究センター、南アフリカのローズ大学と南アフリカ水生生物多様性研究所、モーリシャス海洋学研究所などの国際研究チームは、引き揚げられたサメを詳しく調べた。

 その結果、これまで知られているどの種とも違う特徴をもつことがわかった。

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知られている種とは違う特徴を持つ、モーリシャス沖で引き揚げられたサメ Image credit:S.V. Bogorodsky / Ebert et al., Journal of the Ocean Science Foundation (2026) / CC BY 4.0

丸くふくらんだ鼻と遺伝子の違いで新種と判断

 このサメはツノザメ目カラスザメ科カラスザメ属のサメであることがわかった。

 カラスザメ属の他の種と比べたところ、このサメだけが、球根のように大きく丸くふくらんだ鼻先をもっていた。

 東アフリカとマダガスカル沖にすむ近縁種「エトモプテルス・セントスス(Etmopterus sentosus)」は、このサメによく似ているが、鼻は丸くふくらんでいない。

 研究チームがさらに詳しく比べると、胸びれの上から背びれの後ろまで広がるとげ状のウロコ(皮歯:ひし)の集まりや、体の側面と尾の模様の形も、ほかの種とは違っていた。

 DNAの一部を調べても、カラスザメ属の既知の種と少なくとも10%の遺伝子の違いが見つかった。

 形と遺伝子の両方に違いがあったことから、研究チームはこのサメを新種と判断し、「エトモプテルス・ブルボスス(Etmopterus bulbosus)」と名付けた。

 エトモプテルスはカラスザメ属を表し、ブルボススはラテン語で「球根のような」という意味で、丸い鼻先にちなんでいる。

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新種と特定されたカラスザメ属のエトモプテルス・ブルボスス。Image credit:S.V. Bogorodsky / Ebert et al., Journal of the Ocean Science Foundation (2026) / CC BY 4.0

 新種が加わったことで、カラスザメ属は45種になった。

 英名は「ビッグノーズド・ランタンシャーク(big-nosed lanternshark)」で、鼻の大きなカラスザメという意味だ。

 ランタンシャークという英語の呼び名のとおり、カラスザメ属の多くは、皮膚にある発光器という特殊な器官で、暗闇の中で光を放つ。

 光は、暗い深海で獲物をおびき寄せたり、自分を食べようとする捕食者を遠ざけたりするのに使われていると考えられている。

 新種のサメの体は茶色と黒の色合いで、引き揚げられた直後はわずかに紫がかっていたが、標本として保存するうちには紫色は消えてしまったという。

 新種のサメがなぜ大きな鼻をもつのか、深海でどのように暮らしているのかは、まだわかっていない。

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エトモプテルス・ブルボススのとげ状のウロコ Image credit:S.V. Bogorodsky / Ebert et al., Journal of the Ocean Science Foundation (2026) / CC BY 4.0

世界最小のサメの座を争う候補に

 新種であるビッグノーズド・ランタンシャークの標本は、丸い鼻先から尾の先まで測っても全長21.5cmと小さい。 

 現在「世界最小のサメ」として知られているのは、完全に成長しても最大21.2cmほどにしかならない、同じカラスザメ属のドワーフ・ランタンシャーク(Etmopterus perryi)だ。

 手のひらにすっぽり収まるほどの小ささだが、今回発見されたビッグノーズド・ランタンシャークはそれに匹敵する。

 まだ1匹しか見つかっていないため断定はできないが、世界最小のサメの座を争う有力な候補となる。

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現在世界最小のサメと言われているドワーフ・ランタンシャーク(Etmopterus perryi)の標本 Image credit:public domain / Wikimedia

深海に隠された未知の生物多様性

 カラスザメ属のほとんどの種は、底引き網漁が行われるよりもさらに深い場所に生息しており、人間の漁業活動の影響を受けにくい。

 国際自然保護連合(IUCN)が保全状況を評価したカラスザメ属40種のうち、36種は「低懸念」とされている。

 深海では、カラスザメ類の新種の発見が続いている。

 西オーストラリア沖のガスコイン海洋公園の水深610mまでの深海で2022年に採集されたサメが、カラスザメ属の新種であることがわかり、2025年9月に「エトモプテルス・ウェストラリエンシス(Etmopterus westraliensis)」として記載された。

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オーストラリアで発見された新種のカラスザメ属、エトモプテルス・ウェストラリエンシス(Etmopterus westraliensis)Image credit:CSIRO Australian National Fish Collection.

 記載に関わったオーストラリア連邦科学産業研究機構(CSIRO)の魚類学者ウィル・ホワイト博士は、カラスザメ類を「驚くべきサメのグループ」と表現している。

人間の手が届きにくい深海には、ビッグノーズド・ランタンシャークのように、私たちがまだ知らない小さくて奇妙な生き物が数多く生息している。

References: DOI.10.5281/zenodo.21897531 / New Species Of Teeny Tiny Lanternshark Looks Shocked To Have Been Discovered And Could Be A World's Smallest Shark Contender | IFLScience

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