この画像を大きなサイズで見る日本ではめったにお目にかかれないが、まれに冬鳥としてやってくるクロウタドリが、人間にとって最も心地よいと感じる鳴き声を持つという。
ドイツのテュービンゲン大学の新たな研究によると、鳥の鳴き声を「心地よい」と感じさせる要素は、適度なボリュームと変化に富んだ高音域にあるという。
ドイツの成人84人が123種類の野鳥の声を聴き比べた調査で、クロウタドリがトップに輝いた。
鳥によって生息地が異なるため、日本で調査したら別の鳥が選ばれたかもしれないが、音域や音量的に似たような鳥になるのかもしれない。
今回はトップ20に選ばれた鳥を鳴き声と共に紹介しよう。
この研究成果は 『Frontiers in Bird Science』誌(2026年9月2日付)に掲載された。
参考文献:
- Scientists discover the key ingredients that make birdsong pretty
ドイツで心地よい鳥の鳴き声を大調査、クロウタドリがトップに
ドイツのテュービンゲン大学の研究チームは、19歳から81歳のドイツの成人84人に、123種類の異なる野鳥の鳴き声を聴かせ、その「心地よさ」を1(あまり心地よくない)から5(とても心地よい)の5段階で評価してもらった。
参加者は研究室でヘッドホンを使い、1種につき15秒の音声を順不同で聴いた。
その結果、クロウタドリが平均スコア4.52を獲得してトップに立った。
クロウタドリは日本ではあまり見られないスズメ目ツグミ科の鳥だ。
ヨーロッパ全土から地中海沿岸、中近東、インド、中国東南部までの広い範囲に生息し、体長は約28cm。
オスは全身が黒く、くちばしと目の周りだけが黄色い。
この画像を大きなサイズで見るメスは全体的に茶褐色をしており、くちばしと目の周りの黄色があまり目立たない。
公園園や路上といった開けた場所を好み、地上で虫をついばむ姿がよく見られる。
美しいさえずりで知られ、ヨーロッパでは春の訪れを告げる鳥として親しまれ、スウェーデンでは国鳥になっている
鳥の鳴き声の感じ方に知識は関係しなかった
研究を主導したナディーン・カルプ博士によると、鳥の鳴き声を美しいと感じるのに鳥の専門知識は必要ないという。
参加者が外見や鳴き声で鳥の種類を識別できるかどうかは、鳴き声の評価そのものには影響しなかった。
バードウォッチングの熟練度も同じく影響しなかった。
関係していたのは知識ではなく、鳥が好きかどうかだった。鳥が好きだと答えた人ほど、全体に高い点をつけていた。
心地よさを決めるのは音の高さとレパートリー
研究チームは、心地よさの評価結果と、それぞれの鳴き声が持つ音響特性を照らし合わせて分析を行った。
人々が心地よいと感じる鳴き声には、共通の音響的な特徴があることが判明している。
適度なボリュームで、ピッチが高く、変化に富んだ鳴き声が高く評価される傾向にあった。
鳴き声に使われる周波数の範囲が限定的でありながら、音の要素が多くレパートリーが豊富な声が好まれている。
人間の聴覚が過敏に反応してしまう特定の周波数帯域を避けていることも、高い評価の要因となっていた。
人間の耳は2.4kHzから5.5kHzの音をとらえる感度が最も高く、その範囲の音は実際より大きく感じられる。
上位に入った鳴き声は、そろってこの範囲から外れていた。
一方で、大きな音として認識されるボリュームの大きすぎる鳴き声は不快に感じられやすい。
たとえば、「金切り声ノフクロウ」の異名を持つメンフクロウの平均スコアはわずか1.32にとどまり、最下位となっている。
美しい鳴き声は安全とリラックスのサイン
なぜ人間は、特定の音響特性を持つ鳥の鳴き声を心地よいと感じるのだろうか。
カルプ博士は、人間が進化の過程で身につけた本能的な反応ではないかと考えている。
適度なボリュームと周波数を持つ、変化に富んだ鳥のさえずりは、そこが安全で健康的な環境であることを示すサインとなる。
人間は無意識のうちにそのサインを受け取り、リラックスできるように生まれついている可能性があるという。
共同研究者のクリストフ・ランドラー博士も、人間と鳥の関係性に注目している。
鳥のさえずりは自然のなかで過ごす際の大きな楽しみであり、心理的な回復や幸福感につながることが過去の研究でも示されている。
研究チームは今後、対象者を広げてさらに大規模な調査を行う予定だ。
鳥の鳴き声が現実の環境で人々にどのような影響を与えるかを調べることで、健全な生態系が人間の幸福に果たす役割を解き明かしたいとしている。
この画像を大きなサイズで見る最も心地よい鳥の鳴き声トップ20
最後に、今回の調査で上位にランクインした鳥たちを紹介する。
今回の調査で使われたのは、ドイツに広く分布するヨーロッパの鳥123種の声である。
順位、標準和名(英名)、平均心地よさスコアの順である。
鳥の名前のリンクをクリックし、地図の下に並んでいる録音ボタン(▲)を押すと、実際の様々な鳴き声を聴くことができる。
- クロウタドリ(Common Blackbird) 4.52
- キタヤナギムシクイ(Willow Warbler) 4.45
- ズグロムシクイ(Blackcap) 4.43
- ヤドリギツグミ(Mistle Thrush) 4.33
- ニワムシクイ(Garden Warbler) 4.30
- ヨーロッパカヤクグリ(Dunnock) 4.30
- ズアオアトリ(Chaffinch) 4.29
- サヨナキドリ(Common Nightingale) 4.26
- ムネアカヒワ(Common Linnet) 4.26
- ゴシキヒワ(European Goldfinch) 4.26
- マダラヒタキ(European Pied Flycatcher) 4.25
- ミソサザイ(Eurasian Wren) 4.24
- ヒバリ(Eurasian Skylark) 4.23
- ニシコウライウグイス(Eurasian Golden Oriole) 4.17
- カッコウ(Common Cuckoo) 4.13
- ヨーロッパビンズイ(Tree Pipit) 4.08
- シロビタイジョウビタキ(Common Redstart) 4.08
- アオカワラヒワ(European Greenfinch) 4.08
- キバシリ(Eurasian Treecreeper) 4.05
- ヨーロッパコマドリ(European Robin) 4.04
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編集長パルモのコメント
私の一番好きな鳥の鳴き声と言えばやはりウグイスかな。前に住んでいた家の近くでは、冬の終わりから夏頃まで「ホー、ホケキョ」という声が聞こえてきて、心が洗われる感じがしたよ。というか今は秋なので、鈴虫が鳴いているのが聞こえてくるんだけど、鈴虫もいい感じだな。