メインコンテンツにスキップ

Googleでカラパイアを「お気に入りサイト登録」

科学者が米政府が開示した100本以上のUFO動画を分析。黒塗り修正で正確に判断できない

記事の本文にスキップ

18件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
2026年に発生したUAP(UFO)目撃例のイメージ図 Image credit:U.S. Department of War
Advertisement

 トランプ大統領の指示のもと、米国防総省は2026年5月8日以降、5回に渡って機密情報だったUFO(UAP)関連の資料を公開した。

 公開された動画は100本以上にのぼり、科学者たちはこれらの物体がどれくらいの速さで、どのような動きで飛んでいるのかの分析を試みた。

 ところが、対象物までの「距離」という最も重要なデータが黒塗りされていたため、映像から正確な情報を割り出すことができなかった。無修正のデータが必要だという。 

 この査読前の研究成果は『arXiv』誌(2026年8月12日付)に掲載された。

参考文献:

政府公開のUAP動画112本を科学者が分析

 2026年5月8日以降、アメリカの国防総省は米国空域や世界各地の米軍作戦地域周辺で撮影された機密扱いだった文書・写真・映像などを次々と公開している。

 これらは「大統領主導のUAP遭遇に関する封印解除・報告システム(PURSUE:Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters)」の一環として行われており、2026年8月7日には5回目の開示が行われた。

 公開された映像の多くは軍用機などに搭載された照準ポッドや赤外線カメラで撮影されており、UAP(未確認異常現象)とされる物体がカメラの視野を横切ったり、追跡されたりする様子が収められている。

 この公開データを受け、米国政府のUAP科学諮問委員会のメンバーである、ブルー・マーブル・スペース研究所のジェイコブ・ハック=ミスラ氏と、NASAゴダード宇宙飛行センターのラヴィ・コッパラプ氏が分析を試みた。

 両氏は2026年に公開された112本の動画を精査し、物体がどれくらいの速さで移動し、どのような動きをしているのかを運動学的に計算しようと試みた。

データが黒塗りされており実際の速度は計算不能

 しかし、その分析作業はすぐに大きな壁にぶつかった。

 センサーデータの欠落や黒塗り(マスキング)である。

 動画の中には物体が猛スピードで飛んでいるように見えるものもあるが、画面上のピクセルが移動する「見かけの速度」が実際の物理的な速度を正確に表しているとは限らない。

 物体の本当の速度を割り出すために最も重要な数値は、カメラから対象物までの「距離」だ。

 コッパラプ氏は、距離のデータがない限り、画面を高速で横切る物体がカメラの近くをゆっくり飛んでいる鳥なのか、はるか遠くを極めて高速で移動する巨大な物体なのかを区別することは不可能だと指摘している。

 現在公開されている映像では有用な数値のほとんどが黒塗りにされており、民間研究者が異常性を判断するための手がかりが決定的に不足している状態なのだ。

この画像を大きなサイズで見る
PURSUE「DOW-UAP-PR113」映像からの静止画 Image credit: U.S. Department of War

視差による錯覚を防ぐには追加情報が必要

 軍の高度なカメラシステム特有の性質も映像の分析を困難にしている。

 標的を自動で追尾する照準システムは、常に物体を画面の中心に捉えようとカメラ自体を動かす。

 そのため、物体が実際には高速で移動していても、映像上は静止しているような錯覚を引き起こすことがあるという。

 見かけの動きと実際の速度が大きく異なっていた実例として、過去に流出した米海軍の「GOFAST」と呼ばれるUAP動画がある。

 この映像は当初、海面すれすれを異常な速度で飛ぶ物体の証拠だと騒がれていた。

 しかし後に追加のデータを用いて詳細な分析を行った結果、見かけの動きは撮影していた航空機の動きによって生じた視差(パララックス)による錯覚であり、実際の物体は風に流されている風船である可能性が高いことが判明した。

 GOFAST動画のケースでは、観測者に対する物体の動きを評価するための十分な情報が利用可能であった点が大きな違いだった。

5回目となる2026年8月7日に開示されたUAP映像

真実解明には無修正データの公開が不可欠

 現在公開されているPURSUEの動画について、両氏は限られたデータだけで飛躍した結論を出したり、逆にすべてを平凡なものだと完全に否定したりすることは避けるべきだと警告している。

 カメラから物体までの距離や、撮影していた航空機の飛行軌跡といった情報が公式な文書で示されるだけでも、分析の精度は大きく向上する。

 軍事機密の保護という国家安全保障上の懸念は正当なものであるが、基礎となるデータへのアクセスが伴わなければ科学的な調査を前進させることはできない。

 未確認異常現象の真実を解明するためには、今後さらに黒塗りのない無修正データの公開が求められている。

References: Trump Releases UFO Files with Rollout of New “Presidential Unsealing and Reporting System for UAP Encounters" (PURSUE) - The Debrief

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 18件

コメントを書く

  1. 軍用レーダーの性能が丸わかりになっちゃうから緻密なデータは出せんのだろう
    まぁ、当然と言えば当然

    • +25
  2. 100本以上も動画があって全く判断できないようなら黒塗りを解除してもできないよ

    己の技術のなさを黒塗りの責任にしてるとしか思えん

    • -21
    1. >そのため、物体が実際には高速で移動していても、映像上は静止しているような錯覚を引き起こすことがあるという。

      うるせえ!泣き言いわずにやれ!とか無慈悲な事を考えてしまったら

      >しかし後に追加のデータを用いて詳細な分析を行った結果、見かけの動きは撮影していた航空機の動きによって生じた視差(パララックス)による錯覚であり、実際の物体は風に流されている風船である可能性が高いことが判明した。

      やっぱできるんやないか!となったので、なんか大変だったんすよーって苦労自慢のようにも聞こえますよね

      • -7
  3. 正直、軍事的な情報を全部公開しろってのは普通に狂気じみてるわなと
    あと百年も経って現在の軍事技術が完全に時代後れの骨董品レベルにでもならなきゃ全公開なんて無理だろ
    撮影した機体や使用したレーダーや撮影機器の性能を計られる様な愚は犯せん

    • +9
  4. 本当に正体不明なのではなくて、不明って事にしておかなければならないってだけ
    …という「事情の正体」がわかった情報公開でした

    • +3
  5. 公開するって言ったんだから機密だろうとなんだろうと公開するのがスジだと思うけれどね。
    結局よくわからない動画が出てきたってだけで、ネットの不思議動画と変わらない。
    それを「出してやった」みたいに恩着せがましく言われてもお粗末な気がするけど。

    • +4
  6. 結局、宇宙人も幽霊もUMAも妖怪も居ない、なんて結論はつまらないから解らないままの方が良いのかなぁwでも知りたい見たい。
    世にそういった体験が溢れているが自分には全く起こらない、、、

    • +1
  7. そらまぁ。レーダーの性能もわかってしまうし、自国の実験用テスト機体も黒塗りにしないといけないしね…

    • +5
  8. 技師「これ鳥だけど暈したり黒塗りしてそれっぽくしたろ」
    士官「やめたれw」

    • 評価
  9. 世界から金集めて最新式のレーダー政策運用するだけの賞金の2倍出すから本物のUFO写真・動画を発表した国の総取りで募集すれば良いと思う
    (判定はあらゆる専門分野の人50人くらいとAI複数で判定でどうかな…結局もったいぶっても本物は無い気がするけど)

    • 評価
    1. ジェームズ・ランディの100万ドルチャレンジというものがあってだな・・・

      UFO専門というよりオカルト全般が対象だが、
      1964年から半世紀以上やって1000人以上が挑戦して科学的に証明できた人はゼロ。

      • 評価
  10. UFOだからって宇宙人とは限らないから、多分そっちの方がギョッとするよね
    どこの国の戦闘機かわからないってパニックだと思うんだよね。国防的には。実は反重力なんてとっくにあって、自国の次世代型ドローンの極秘テストを自国の軍にやってるだけかも知れないし。魔法のような技術なら、何十年も秘密にするなんて、普通だと思う。経済や政治に新すぎる技術は合わせていかなきゃいけない。

    • -3
  11. 本当にUFO的なものがあるならNASAの予算削減なんてしないと思う

    • +2
    1. 概ね同意だけど、
      ただあの大統領は本当に存在する疫病相手にも予算を削減するようなお人だからな・・・

      • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

UFO・宇宙人

UFO・宇宙人についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。