この画像を大きなサイズで見る世界には様々な種のエイが存在するが、一部の種の背面には、目玉のような丸い模様が2つある。
スウェーデンのストックホルム大学が580種以上のエイを調査した結果、この模様を持っているのは、毒棘や電気器官といった強力な武器を持たない、無防備な小型の種であることが判明した。
この目玉模様は身を守るために進化したもので、生息する水深や光の届き方とも深く関わっており、暗い深海では逆に模様が消えていくという。
この研究成果は学術誌『Nature Ecology & Evolution』誌(2026年4月24日付)に掲載された。
参考文献:
- Why some rays have ‘fake eyes’ – and others don’t
エイも「偽の目玉」模様がある
チョウの羽やクジャクの尾羽に見られる、目玉のように見える丸い模様は「眼状紋(がんじょうもん)」という。
中央に黒い点があり、その周囲に同心円状のリングが重なる構造で、捕食者に「見られている」と錯覚させる効果があるとされている。
どの角度から見ても視線を感じさせるこの模様は、視覚的な威嚇として機能する。
じつはこの眼状紋、エイの一部の種も持っているのだ。
チョウとエイはまったく異なる生き物だが、異なる系統の生物が似た環境的な圧力に応じて独立に似た形質を進化させることがある。収斂進化だ。
なぜ一部のエイにだけこの模様があり、他の種にはないのか。その謎に取り組んだのが、スウェーデンのストックホルム大学の研究チームだ。
この画像を大きなサイズで見る580種のエイを対象にした大規模比較調査
エイはサメと同じ軟骨魚類に属する古い系統の魚で、世界中の海に生息している。
骨格が骨ではなく軟骨でできており、平らな体と長い尾が特徴だ。
ガンギエイはエイに近縁のグループで、よく似た平たい体型を持つが、尾が比較的短くて太く、毒のあるトゲ(毒棘:どくきょく)を持たない点が異なる。
研究チームは既知のエイ全種の90%以上にあたる580種を対象に、眼状紋をはじめとする模様の有無と種類、毒棘の有無、電気器官の有無、体の大きさ、生息水深などのデータを照合した。
眼状紋だけを単独で調べるのではなく、各種が持つ防衛手段の全体像を把握した上で比較分析した。
この画像を大きなサイズで見る強力な武器がある種には眼状紋が出ない
エイはサメ、海洋哺乳類、大型魚類など多くの捕食者に狙われる。そのため各種はそれぞれ異なる防衛手段を持っている。
毒棘とは尾などに持つ毒を注入できるトゲのことで、アカエイの仲間が持ち、触れると激しい痛みを引き起こす。
電気器官は筋肉組織が変化して生じた器官で、デンキエイの仲間が持ち、捕食者を感電させて撃退する。また海底の砂に潜って姿を隠す種もいる。
調査の結果、毒棘や電気器官といった強力な防衛手段をすでに持っている種には、目立つ模様がほとんど見られないことがわかった。
研究チームの筆頭著者マディッケン・オーカーマン氏は、強力な機械的・電気的防衛を持っているなら、視覚的な警告信号を持つ必要はないと説明する。
この画像を大きなサイズで見る目玉模様は小型の弱い種が選んだ防衛手段
では眼状紋はどのような種に現れるのか。
毒棘や電気器官を持たない小型の種が、水深200m以浅の明るい浅い海域に生息している場合に、眼状紋が進化しやすいことが明らかになった。
共同著者のジョン・フィッツパトリック氏は、眼状紋はランダムに現れるわけではなく、強力な物理的防衛を欠く種が視覚信号の有効な明るい浅い海域で進化させる傾向があると述べている。
視覚信号が機能するには十分な光が必要で、暗い深海では模様があっても捕食者の目に届かない。
眼状紋は、他に強力な武器を持たない種が光の届く環境でのみ有効に使える防衛手段として選ばれた戦略といえる。
この画像を大きなサイズで見る眼状紋は段階的に進化する
さらに興味深いのは、眼状紋の進化プロセスだ。
調査データを分析した結果、眼状紋が突然現れることはほとんどなく、まず太い斑点などの単純な模様が先に現れ、それが長い時間をかけて同心円状の眼状紋へと洗練されていくことがわかった。
単純な模様を獲得する確率は、眼状紋を直接獲得するよりも約100倍高い。
フィッツパトリック氏は、まず他の模様が現れ、時間をかけて眼状紋へと洗練されていく段階的なプロセスだと説明する。
深海では模様が消えていく
一方で、目立つ模様は失われることもある。
光がほとんど届かない深く暗い海では、どれだけ鮮やかな模様を持っていても捕食者の目には映らない。
視覚信号としての効果がない環境では、目立つこと自体が捕食者に居場所を知らせるリスクになりかねない。
そのため深海に生息する種では、目立つ模様が進化の過程で薄れ、消えていくことが確認されている。
模様が生まれ、洗練され、そして消える。エイの眼状紋の進化は、生き残るための戦略が環境によって絶えず書き換えられていることを示している。
References: The evolution of eyespots in skates and rays















目玉模様は光の届くところに住んでいる弱い種にという解説はとても納得です。 ガンギエイが少し飛行機っぽく見えて、目玉模様がついているのを見るの自衛隊の飛行機みたいとちょっと思ってしまいました。 有名なのは昆虫と鳥類に目玉模様があって、今回魚類のエイにもあることが新しいわけで、(調べたけど明確にこれ!という記事はみつけられませんでしたが)哺乳類や両生類、あるいは爬虫類にも同様の機能を持つ目玉模様ってあるのかななどと疑問が膨らんだりして……
カモシカなどにある眼下腺は臭腺としてだけでなく警戒機能の目玉模様としても働いてるかも
一部に眼状紋を持つものがいるのは既知で、有無を分ける要因を発見したのが成果だよ
羊だか牛だかの尻に目を書いたら、狼の被害が減ったとかいう記事を見た覚えが……。
真上からだと翼にマークを施した戦闘機のようにも見える
私はキゲンの悪いゾウさんに見えました
それぞれのエイのグループが身を守る手段として毒や電気や目玉模様を獲得していったってことなのかな
毒や電気よりも模様の方がコスト少ないだろうし賢い戦略だよね
淡水エイは背中全面にそれっぽい模様があるパターンが多い。
アハイアグランデ、ポタモトリゴン、ポルカドット…。
模様が多ければ多いほど生き残れたからなのか、
目玉の多い怪物が昔は存在していてその擬態なのか…。
> 模様が生まれ、洗練され、そして消える。エイの眼状紋の進化は、生き残るための戦略が環境によって絶えず書き換えられていることを示している。
説明に矛盾がある
長い進化の中で消える方向に収れんしなければならない
環境やライフサイクルの変化によって獲得した形質が消失してまた再獲得することはよくある
これは何の生物を擬態してるんだろう
何がエイを襲ってるんだろう
やっぱり眼なんだねキバじゃなくて
蛇と蠍の話をします
蝮は他の蛇に比べて動きが遅いです
毒を使い待ち伏せ型の狩りをし、敵にあっても逃避より撃退するとか
蠍は尾が太いほど毒器官が発達しています
その代わりハサミが小さくなり
大型のハサミを持つものは毒性が低くなります
捕食に毒を使うかハサミを使うかどちらかになるからで
「ハサミが貧弱で、尾が太いサソリほど危険」てやつですね
以上、蛇蝎の話ですが、この記事と通じるものがありますね
少なくとも自分には効果的
遠浅でシュノーケリングで遭遇したらギョッとすると思う
同じこと思った
眼状紋が「防衛手段」というか、目に似ていたことで確率的に淘汰されずに済んだというだけのことでしょう。
眼状でなかった紋を持つ種や個体は、何の効果もなかった。
鳥に襲われるって事かな?
そうそう、オオメジロ(鮫)とかね あとイタチ(鮫)もね
真面目な話をしている時のゲイラカイトっぽいね
海水浴で見たことあるかも
うっかり出くわすと本当に、異様なほど怖いんだよな
神「こんなんあったら笑うやろ、どや?」
ゲイラカイトのマネをしたんだと思います!
海でも陸でも目は二個なんだなあ
何か不思議
「そんなことないよ!涙」(マダガスカルミツメイグアナ)
「ヘンケンだよ!!」(ホタテ)
アカエイは料理の素材
魚も目線気にするの?蝶の目玉模様もだけど目玉にするとなぜ寄り付かなくなるの
そりゃするでしょう。捕食者は目で探して魚を捕食してるんだから。