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気候変動で極地の氷が溶け地球の自転が減速、過去360万年で最も1日が長くなっている

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Image credit:Oleksandr Umanskyi
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 気候変動で極地の氷が融解し海水の分布が変化したことで、地球の自転が遅くなり、1日の長さが過去360万年で最も速いペースで長くなっていることがわかった。

 オーストリアのウィーン大学とスイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究チームは、海底に生息する微小生物の化石を分析し、過去数百万年の海面変動と日長の変化を復元した。

 その結果、現地球の自転の減速は2000年以降に特に顕著で、21世紀末には月の重力による影響をも上回る可能性が示されている。

 この研究成果は『Journal of Geophysical Research: Solid Earth』(2026年3月10日付)に掲載された。

参考文献:

 参考文献:Climate change slows Earth’s spin: Day lengthening unprecedented in 3.6 million years
https://www.univie.ac.at/en/news/press-room/press-releases/detail/climate-change-slows-earths-spin-day-lengthening-unprecedented-in-36-million-years

気候変動が地球の自転を遅くしている

 地球の自転は常に一定ではない。月の引力や地球内部の動きなどの影響で、1日の長さはわずかに変化している。

 そこに新しく加わった要因が、気候変動による氷の融解だ。

 グリーンランドや南極の巨大な氷床が溶けると、水は海へ流れ出る。すると地球全体の重さの分布が変わり、自転が少し遅くなる。

 スイスのチューリッヒ工科大学のベネディクト・ソジ教授は、この現象をフィギュアスケートの回転で説明する。

 スケーターが腕を広げると回転が遅くなるように、水が地球全体に広がると回転の勢いが弱まり、1日の長さがミリ秒単位で延びるのだ。

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2000年以降の変化は過去360万年で最速

 研究チームは、海底に住む単細胞生物「底生有孔虫」の化石を分析した。殻の成分には当時の海水の状態が記録されているため、過去の海面の高さを推定できる。

 海面の変化が分かれば、地球の質量分布の変化を計算できる。そこから地球の自転速度と1日の長さの変化も推定できる。

 解析の結果、2000年から2020年に観測された自転の減速は、少なくとも過去360万年の記録の中で最も速い変化に近いことが分かった。

 現在の日長の増加は100年あたり約1.33ミリ秒と推定されている。

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底生有孔虫の化石の殻に残る化学成分から過去の海面変動を解析した結果、現在の1日の長さの増加(100年で約1.33ミリ秒)は、過去360万年でも際立って速い変化であることがわかった Image credit:ETH Zurich.

2024年の研究が示した予測を裏付ける結果

 スイス連邦工科大学チューリッヒ校の研究チームは、2024年にも「気候変動が地球の自転を遅くしている」という研究結果を発表している。

 その研究では観測データと物理モデルを使い、氷の融解によって地球の回転が遅くなる可能性が示されていた。

 今回の研究は、海底の化石記録から過去数百万年の変化を調べることで、現在の自転減速が地質学的にも異例の速さであることを示したものだ。

 2024年の予測を、地球の長い歴史の中で裏付けた形になる。

自転の変化はGPSや宇宙探査にも関係する

 1日の長さの変化はミリ秒単位で、人間が体感することはない。だが、人工衛星の軌道計算や宇宙探査では、地球の自転速度を非常に正確に把握する必要がある。

自転のわずかな変化でも、長期的にはGPSの位置計算や時間の同期に影響を与える可能性がある。

 研究チームは、気候変動による地球温暖化が続けば21世紀末には氷の融解が地球の自転を遅らせる最大の要因になる可能性もあると指摘している。

 これまで数十億年にわたって地球の自転を遅らせてきたのは、月の重力が海水を引っ張る力(潮汐摩擦)だった。

 しかし、気候の影響が、宇宙規模の物理現象である月の力さえも上回ろうとしている。

References: Onlinelibrary.wiley.com

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この記事へのコメント 19件

コメントを書く

  1. 縄文時代、一万年位前は温暖化してました。
    縄文海進とか習いましたね?
    過去300万年でなんたら、、
    本当かね?

    • 評価
    1. タイトルが誤解を招いてそうだけど記事の内容は
      「自転が減速するペースが過去360万年で最速」
      というものだから、縄文時代頃の温暖化は
      今ほどのペースでは進んでいなかったということかと

      • +6
    2. だって縄文海進って直前の寒冷期から一番暖かい時期までの気温上昇に1000年スパンかかっているもの
      しかも縄文海進の時代は平均気温から+2℃程度までしか上昇していないけれど、現代、何も対策をしない場合での最悪予想は、21世紀末までに平均気温が4~5℃上昇するとの試算

      気温上昇速度を直前の氷期。17世紀からのマウンダー極小期からの換算したとしても、縄文海進時代の半分以下の時間で2倍以上の温度上昇を記録しているのが今です

      • +6
  2. 年齢を重ねると1年が早くなってたのはそのせいだったのか

    • +3
  3. 日照時間が長くなると?
    ますます暑くなりそう

    • 評価
  4. 体感時間はどんどん短くなってるが?
    ああもう3月も後半かぁ。

    • +2
  5. 人間「過去360万ねん、ウヒョー」
    地球「360万年とか一瞬やろ」

    • +2
  6. 世界での氷床の融解量が年間3700億トン、地下水の汲み上げによる放出が1260億トン
    さらに海水温が上昇すると海水自体が膨らむので海面はさらに上昇する
    そりゃ自転も遅くなりますよ

    • +1
  7. 氷河期は10万年周期で氷期、間氷期になるんじゃなかった?
    この理屈なら氷河期なら自転が早くならないといけないよな?
    CO2削減し過ぎて地球がおかしくなってきたってことなのか?

    • 評価
    1. 過去の氷期・間氷期の変動は現在の変化ほど早くなかったという話

      • 評価
  8. 今は間氷期で一時的に太陽活動が活発化して気温が上昇傾向だが長いスパンで見ると気温は下がる方向という話だった気がしたんだが実際どうなのさ

    • 評価
  9. …因果が逆じゃないの?

    自転速度が落ちるのと、氷が溶けるのが単に同時に落ちているってだけで、要因は他に隠れているとかないの?

    氷程度で自転が遅くなる…うーん。

    • -4
  10. 全部溶けたらどのくらい1日が長くなるんだろう?
    また、セオリーだと氷河期が来るらしいけど、凍ったら早くなる?フィギュアのスピンみたいに?

    • 評価
  11. あーそれで仕事の時間が長く感じるんだな

    • 評価

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