メインコンテンツにスキップ

ネットの作り話を信じて自分の血液を飲んだ少年が救急搬送(ロシア)

記事の本文にスキップ

37件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 ロシアの首都モスクワ在住の少年が、SNSで見た動画のアドバイスに従って、自分の血液を飲むことでヘモグロビンの値を上げようとした。そうすれば貧血が改善し、体力がつくというのだ。

 だが少年は自分の血液を飲み続けた結果、体調に異変が起き、救急車で搬送され、急性の中毒症状と診断された。

 ロシアでは最近、こうした医学的根拠のない誤った行為をライフハックとして広めるSNSが後を絶たず、専門家が警告する事態になっている。

自分の血を採血して飲んだ少年が緊急搬送

 この衝撃的な話は、最初にSHOT Telegramチャンネルによって報じられ、その後、複数の大手メディアが取り上げ、ロシアの医療専門家によって事実であることが確認された。

 この17歳の少年は自ら注射器で採血を行い、その血を飲む行為を続けた。そうすれば鉄分が増えて体が強くなると信じていたという。

 しかし、結果は少年の期待とはまったく違うものだった。

 しばらくして少年は気分が悪くなり、体調に異変をきたす。吐血し、発熱も見られたために救急車が呼ばれた。

 彼は血液を摂取したことによる急性の中毒症状と診断され、集中治療室に運ばれた。

 医師たちは少年の容体を安定させることには成功したものの、中毒の原因を知って大きな衝撃を受けた。

 少年は、血を飲めば鉄分が増えると説明するSNSの動画を見たと話し、その行為がどれほど危険であるか、特にそれを一定期間続けた場合のリスクについてまったく理解していなかったという。

この画像を大きなサイズで見る

ロシアで相次ぐ偽りのライフハックによる危険行為

 この少年の行動について、ロシアのインターネット上では厳しいコメントが寄せられており、肯定的に受け止める声はほとんどなかった。

 ロシア国内のSNSでは、こういった危険な「ライフハック」や過激なトレンドがときおり話題になり、若者の間で実践する者が出て問題になっている。

 例えば口を大きく見せようとして、ハサミで自分の口角を切り裂くという行為が、十代の若者を中心にまん延しているという。

 さらに、パーティで酔っ払った若者が自分の腹を切り裂き、その様子を仲間たちが動画に撮影するという事件も、2025年8月に起こっている。

 こういった若者たちは自傷行為の危険性を理解しておらず、感染症を引き起こすケースがいくつも報告されているそうだ。

 ロシアの「安全なインターネット連盟」の代表、エカテリーナ・ミズリナ氏は、親たちに子供の行動に注意を払うよう警告している。

血液を飲んでも健康にメリットはないどころか危険

 内科医で医学博士のアンドレイ・コンドラヒン医師は、ロシアのニュースメディアMoscow24に対し、血液が胃に入ること(たとえば鼻血を飲み込んだ場合)の危険性について、次のように指摘する。

 人間の体は血液を消化・吸収できないという。

血液は大量の鉄分や血球成分を含んでいるため、消化・吸収されません。これが、胃の粘膜を刺激する原因となります。

こうした点から、たとえば出血を伴う胃潰瘍の場合に、身体が血液を攻撃的な物質として認識する理由も説明できます。

血液の液体成分(血漿)は、そのままの形で消化管を通過するようには作られていません。人体は血液を消化する仕組みを持っていないため、非常に困難なプロセスなのです。

そのため、ヘモグロビンに含まれる鉄分を、この方法で体が取り込むことはできません。

結局のところ、(血液を飲んでも)嘔吐を引き起こすだけで、何のメリットもありません。貧血の治療にはまったく適していないのです

 つまり、血液はほぼ変化しないまま腸内を通過する。酸やアルカリの影響で性質や色が変わることはあっても、基本的には摂取時とほぼ同じ状態で排出されるという。

 さらに、少年が自己判断で採血を行った点にも注意が必要だと、コンドラヒン医師は指摘する。

 このような処置は医療機関でのみ行われるべきであり、そうでなければ感染の危険があるという。

 実際、体内にさまざまな微生物が侵入する経路を自ら作ってしまうことになるのだ。

この画像を大きなサイズで見る

 一般に、ヘモグロビンは赤血球に含まれるタンパク質で、細胞に酸素を運ぶ役割を果たしている。

体内の鉄分が不足し、ヘモグロビン値が低下すると、臨床的な貧血が発生します。これには倦怠感や疲労感、顔色の悪さといった症状が伴います。

このような症状が見られた場合は直ちに医師の診察を受け、血液検査を受けてください。検査を行えば、問題はすぐに明らかになります

 内科医のリュドミラ・ラパ医師はこう説明する。専門医に必要なのは、なぜ鉄分が失われているのかを特定することで、多くの場合は血管の損傷や出血を伴う潰瘍といった疾患が原因だという。

 鉄分の不足は、医師が処方する薬によって改善される。レバーやほうれん草といった鉄分を含む食品を取り入れるなど、食生活の見直しも有効だ。

 いずれにせよ、血液を口から摂取することによるメリットはないどころか、健康には悪い影響しかないということだ。

 血液摂取の危険性についてもっと詳しく知りたい人は、『バイエンス』がわかりやすく説明してくれているので、よかったら参考にしてみよう。

【驚愕】人間の血液はどのくらい危険な存在なのか?

References: Teen Suffers Poisoning After Drinking His Own Blood to Boost Iron Levels

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 37件

コメントを書く

  1. ネットの真贋あやしげな話を鵜呑みにしちゃうか・・・

    思ったんだけど、ブルートヴルストとか血液使った食品はどうなんだろ
    同じように悪影響あるんかな(大量に口にしなければよい、とか?)

    • +14
    1. 『食品』であれば調理されているから、ある程度の化学変化?は起きていると思う
      すっぽんの生き血はどうなんでしょうね???
      『人間の』なおかつ『調理されていない生き血』というのがダメなのかな?

      • +18
  2. 自分の血を飲んで鉄分が増えるなら、その鉄分はどこから湧いてくるねん

    • +95
      1. 永久って程ではないし、時間は掛かるけど、
        ドーピングとして陸上競技などで禁止されている手法に、
        大会の何週間か前に予め採血しておいたのを
        濃度が戻ってきた出場直近に自己血輸血してヘモグロビンを増やす
        ってのがあったりする。

        • +2
    1. 多すぎる鉄分は毒なんです
      鉄分というひとくくりで考えるのはとても危険ですよ
      血を飲むことはヘモグロビンの形で安定した鉄を消化することで取り出して
      腐食性のある鉄分の形で体に戻すことなんです
      少量なら問題にならないかもしれませんが
      そうでない場合は危険性のある薬として取り扱わないといけないものなのです
      食塩を含めてミネラルの扱いには注意が必要なんですね

      • +6
  3. 血液は劇薬だと言うしね
    間違ったところに入ると毒なんだな

    • +12
  4. まず
    好き勝手に使える注射器が
    そこら辺にあるってのがおかしい

    • +68
  5. 飲尿療法を思い出したけど、血液だと厨ニ心をくすぐられる部分もあるのかな。

    • +14
  6. 鼻水と間違えて鼻血すすってたら気持ち悪くなるよね

    • +12
  7. 継続的なプロパガンダに曝され続ける国だと、情報に対する感度が脆弱になるのだろうか?
    それとも17歳という若さに特有のものなのだろうか?

    • +6
  8. そもそも自分から抜いた鉄分を再摂取してもプラスマイナスゼロで総量変わらないという単純な算数ができていない…
    そのうえ実情は鉄分取り込めないのでマイナスしか残ってないという

    • +25
  9. まじかよ
    自分の血を舐めてカッコつけてた若い頃の努力は無駄だったのか・・・

    • +8
  10. 鉄欠乏性貧血治療で使う経口鉄剤ってのがあります
    手術後に飲まされた記憶がありますよ
    子供用もあるみたいですが
    妊婦向けのビタミン剤を含めて
    鉄を含んだものは大人用であり
    それを子供(6歳未満)が飲んでしまうと死亡事故につながります
    量によりますから子供用だからといって安全とは言えず管理に注意が必要です

    • +12
  11. 鼻血とか怪我した時の血とか
    いっぱい飲むと気持ち悪くなるよね
    ひどめの胃もたれみたいな感じ

    • +6
  12. 消化も吸収もできないもので中毒なんて起こさない。医者すら信じられないって笑えないね。
    鉄の過剰摂取か不衛生な注射針での感染症だと思うよ。

    • -32
    1. 勝手に中毒の意味を変えて論破気分楽しいの?

      • +8
      1. 消化も吸収もできないなら純金と同じように素通りするハズってそんな変な話かな
        その理解すらしてない医者の指す中毒を信用できる理由を教えてほしい

        • -9
    2. 液体だから食べ物と認識されないってだけだと思うよ
      水を飲んだだけで胃酸や膵液がでたら困るでしょ
      もちろん、話はそんなに単純ではないわけで

      • +1
      1. 水で胃酸が出るかどうかまで知らないけど、胃酸が薄まるから影響はないし、なんなら食べ物の匂いだけでも胃酸が分泌されるけど困らないよ

        • -7
        1. 血液でも胃酸が薄まるから影響はないってことになるよ
          消化しなければならない固形物があるから
          その消化に必要なだけの胃酸が出るってこと
          血液は凝固するから胃壁にべっとり張り付いて
          ペンキみたいになって胃酸を胃壁との間に貯め込み
          もしかしたら胃壁を消化しているかも
          膜だから固形物とは認識されないし
          胃が動いたとしても効果がなく
          消化に時間がかかると考えると気持ちが悪くなるね

          • 評価
  13. 「怪我からの回復には血を」て聞いたが
    例えばソーセージのような加工がされたもので摂らないと
    生き血の場合も半分は酒で割るなどして少量だけだ

    • +8
  14. のどに垂れてきた鼻血を飲んだだけでもかなり胃もたれするのに、故意に飲んじゃ、そりゃきついかもしれないですね……

    • +9
  15. 自家血を飲むなんて、ネットの情報だけでよくやるなと思った。
    採血だって自分でやるのは簡単じゃないと思うけどな。
    そういえば中学くらいの時、ケンカして殴られて口の中切って血が出た時は、飲み込まずに吐き出せっていってたなぁ。
    そういうことなんだねぇ。
    ためになるねぇ。

    • +18
  16. アゴ砕かれて血を飲み込んでたろくでなしブルースの葛西は

    • +1
    1. 水族館でマグロ水槽を見て止まれねぇとつぶやく

      • +2
  17. 「閾値無効」説も寝耳に水だったが、

    >口を大きく見せようとして、ハサミで自分の口角を切り裂くという行為が、十代の若者を中心にまん延

    最近は口が大きい方がイケてる、という情報を知らなかったんだが。。。

    • +3
  18. >ロシアで相次ぐ偽りのライフハック

    別にロシアに限らず、似たような作りの〇〇ハック系ってこんなのだらけ
    料理系は特にヤバいの多くて調理に使えないものを容器にしたりとか危険なものばかり
    編集して別で作ったものを完成したように見せてるだけで同じ工程を踏んでも再現不可なものも多い
    これからはAI生成でさらにその手順で出来るように見せる動画が増えるんだろうな
    正直常識レベル、義務教育レベルの頭があればその手順はおかしいと気づくもんだけど、英語だと世界中に視聴者がいて環境はさまざまだから視聴回数稼いで儲けられればいいと有象無象にこういう動画が蔓延してる

    • +13
  19. どこだっけ? タイとかラオスの辺り
    家畜を潰して血を丼にとり、固まったもの(血餅 ゼリーのよう)を切って野菜と炒めて食べていた
    見た目はレバニラ、めちゃくちゃ辛い味付け

    • +1
  20. 小さい頃兄ちゃんに自分が入った状態でお風呂のお湯飲んだら減るって言われて飲まされたの思い出した 

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

料理・健康・暮らし

料理・健康・暮らしについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。