メインコンテンツにスキップ

ヘヴィメタルで国と国をつなぐ、台湾代表がフィンランドで選んだ外交手法

記事の本文にスキップ

17件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
image credit: Instagram @freddylimtt
Advertisement

 フィンランドはヘヴィメタル愛好国として知られており、子供向けのメタルバンドが存在するほど音楽文化として社会に深く根付いている。

 そんなフィンランドの首都ヘルシンキで、2025年11月29日に「F:F:F-Formosa : Finland : Fest」という音楽フェスが開催された。

 このイベントの一環として行われたヘヴィメタルのコンサートが、フィンランドだけでなく台湾でも大きな注目を集めた。

 その理由は、ステージに立ったリードボーカルが、台湾を代表する公的立場の人物だったからだ。 

ヘルシンキで開かれた台湾とフィンランドの音楽フェス

 このフェスの一環として行われたヘヴィメタルを熱唱していたのは、フレディ・リムこと林昶佐(りん・ちょうさ)氏。台湾・台北市出身の49歳で、15歳の頃にはすでにロックバンドで世界を目指す夢を抱いていたという。

 大学時代にはヘヴィメタルバンド「ChthoniC(ソニック、閃靈樂團)」を結成し、台湾の神話や歴史、政治的なメッセージを題材にした楽曲で、国内外から注目を集めてきた。

 2014年に起きた「ひまわり学生運動」をきっかけに政治家を目指し、政党「時代力量」を結成。2016年から2024年まで、立法委員(国会議員)を務め上げた。

 なお、台湾は国として承認されていないため、フィンランドとの間に大使館を置くような正式な外交関係がなく、フィンランドに大使館を設置していない。

 その代わりに置かれているのが台湾代表処であり、林昶佐氏は、2025年7月より、そこで台湾を代表して活動している。

 肩書きは大使ではないが、現地の政治関係者や文化関係者と交流し、台湾を知ってもらう役割を担っている点では、大使に近い立場と言える。

 もともとChthoniCはフィンランドのレーベルと契約していたため、フレディさんとフィンランドは、深いつながりを持っていた。

 11月29日に行われた話題のフェスは、「2025・ヨーロッパ台湾文化年」と銘打って、台湾外交部が支援するイベントの中で行われたもの。

 コンサートにはChthoniCを含め、台湾とフィンランドのメタルバンドがそれぞれ3組ずつ参加し、かなりの盛り上がりを見せたようだ。

 下は当日のステージで、デスボでフィンランド語のご挨拶をするフレディさん。

Tervehdin teitä Taiwanin presidentin ja kansan puolesta! Olen Taiwanin-suurlähettiläs Freddy Lim!

 そしてコンサートの様子はこちらから。左手に持っているのは台湾の伝統楽器の「二胡」で、彼はリードボーカルの他に二胡の演奏も担当しているのだ。

Facebookで開く

 こんなフレディさんの奥様は、ChthoniCのベーシストでリーダーのドリスさん。そして素顔はこんな感じ。一人娘のミルちゃんにメロメロな良きパパでもある。

実はかなりの親日家

 リムさんは、実は日本文化と共に育った親日家でもある。アニメ好きで、聖闘士星矢のテーマ「ペガサス幻想」をカバーしたり、故・李登輝総統といっしょに「魁!!男塾」のコスプレをしたことも。 

 また、あのメガデスのマーティ・フリードマンといっしょに「鉄色クローンX」というバンドを結成して、ももいろクローバーZのメタルカバーを披露したりなんてこともしていた。

 もちろん、フレディさんはしっかり日本語でももクロを歌い切っている(たまに台湾語も混ざる)。

鉄色クローンX / Z伝説 ~終わりなき革命~

 ChthoniCはXの日本語アカウントで、日本向けの情報発信もしている。下はフレディさんの親友で元IT大臣の、オードリー・タンさんと共演したときの投稿。

 フレディさんは、もちろん政治家としても日本を訪れている。日本にはもっとアジア地域の発展に貢献し、大国としての責任を果たしてほしいと思っているそうだ。

Freddyvlog|🇯🇵 富山行日語演講大考驗 米魯說以後要把阿爸的墓碑拔起來?!😱

「メタルの聖地」への着任に歓迎の声

 フィンランドは言わずと知れたメタル大国である。

 この「聖地」で、大使という職にある人物がメタルのステージに立ったことは、ネットでも大きな評判を呼んだ。

  • 誰にだって発散の場は必要だ。大使っていう仕事のストレスは、きっと最高の燃料になるだろうね
    • 大使になったのはここ数か月だけど、活動家と音楽家としては何十年もやってきてる人なんだよね
  • 台湾にはこういうPRが必要だよ。小さなことでも、積み重値が大切
  • 政治家や外交官って現実からズレてる人が多いけど、こうしてちゃんと趣味や情熱がある姿を見ると一気に人間味が出るんだよね。しかも国際的に成功してるメタルバンドとか。フィンランドとの文化交流でメタル演奏って、場所としても完璧すぎる
    • それが任命理由の全部だったとしても驚かないね
      • さすがに全部ではないにしても、赴任先の国の有名な分野をガチでやってるってのは、候補者選びでかなりプラスだろ
  • メタルバンドで二胡を見るのは初めてだわ。めちゃくちゃかっこいい
    • あのバンド、メタルに伝統楽器を混ぜるので有名だよ。台湾の伝統文化由来の鐘とかも使ってるし、知れば知るほどどんどん好きになるんだ
  • 自分は日本の外務省と近い仕事してたことあるけど、もし日本の大使がこんなことやったら、6ブロック先からでも職員が青ざめるのがわかるレベルだと思う
    • イギリス駐在の日本代表は、パブで飲み歩いて方言チャレンジしてる。かなり好感度高いよ。さすがにデスメタルまではやってないけど
    • スウェーデン駐在の日本大使たちも、代々かなり変なことやって現地文化に溶け込んでて、スウェーデンの人たちからすごく好意的に受け止められてた。フィンランドでメタルがどれだけ文化的に重要かも、ちゃんと理解して受け入れると思う
      • 日本ってお堅いイメージがあるけど、プロレスラーや芸能人が国会議員をやってきた国でもあるし、変わり者には意外と寛容だったりするんだよね
  • 彼は正しい国に来たんだよ
  • これは史上トップクラスにメタルな出来事だぜ

 SNSでは、日本の大使に触れているコメントも多かった。ここで引き合いに出されているのは、鈴木浩駐英大使と、能化正樹前スウェーデン大使だと思われる。

 能化氏はエジプト大使の後でスウェーデン大使となった人物だが、どちらの国でも離任する時には非常に惜しまれたことで知られている。

References: All About Freddy Lim, Taiwan's Envoy To Finland And Heavy Metal Musician / Taiwan's representative to Finland explores heavy metal diplomacy

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 17件

コメントを書く

  1. 「ヘヴィ・メタルはまだガンには効かないが、
    そのうち効くようになる」( ー`дー´)キリッ

    • +10
  2. F:F:F-Formosa : Finland : Fest.やね
    We TAIWANのSNSアカウント内でソニックと共に演奏したフレッシュジューサー、
    クレセントラメントの紹介と会場の様子にも触れているので興味があれば
    クレセントラメントはNightwish好きな人にはかなり刺さるのではないかな
    PVがなかなかショッキングな内容なのでそこは注意ね…

    • +2
  3. ヘルシンキが聖地? アレキシ・ライホの墓があるから?
    メタルに全然詳しくない人が書いているのがバレバレで萎える。

    • -6
  4. chthonicはブレイク前のベビーメタルと対バンライブやってるズッ友

    • +5
    1. 例の件は置いても、イングウェイを生んだ
      お隣のスウェーデンの勝ちw

      • +1
  5. 李登輝と一緒に写ってたあの誰かよくわからん男塾塾生コスの兄ちゃんか
    覚えてるぞ懐かしい

    • +6
  6. 「ひまわり学生運動」はオードリー・タンが活躍し知られるようになったきっかけだと記憶していたがやはり友人だったか。

    • +6
  7. ヘヴィメタバンドやってて、コスプレやるほどアニメ好きって、濃い…

    • +2
  8. 台湾の元大統領、李登輝氏が伝統的な和服姿でユーモラスに並ぶもので、二人の親密な関係を象徴しています。
    2004年に作成されたクリエイティブなポスターで、生成画像や完全なイラストではありません。

    • +4
  9. メタルのイベントはフィンランドで受けるんだろうか
    日本の大使でこういう交流って想像もできないな

    • +1
  10. 外交官でメタルも 48歳でこの筋肉も どちらも凄い

    • +5
  11. フレディが政治家を志すようになったのはひまわりよりもっと前で
    地方自治、どっかの市長やって国政に転身したいといっていた
    ひまわり学生運動が起こったことで政界入りを早めたという感じだ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サブカル・アート

サブカル・アートについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動画

動画についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。