メインコンテンツにスキップ

イギリスに設置された、AI生成の巨大看板広告が地獄絵図。クトゥルフ降臨と話題に

記事の本文にスキップ

55件のコメントを見る

(著)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
すべてAIで生成された巨大看板の一部 @mattthr.bsky.social
Advertisement

 街中がきらびやかなイルミネーションに包まれるクリスマスの季節がやってきた。この年末の風物詩に心が沸き立つ人も多いだろう。ところが、イギリスのロンドン郊外にある町では少し状況が異なるようだ。

 レストランの建物の上に掲げられた巨大なクリスマス広告が、道行く人々を恐怖と困惑の渦に巻き込んでいる。

 すべてAIによって生成されたその絵には、異界から現れたかのような怪物たちの姿であふれていたのだ。

 顔が溶けた人々、体が融合した犬、頬に目を持つ雪だるまなどが描かれており、そのラヴクラフト的な恐怖の世界は、「AIがクトゥルフを召喚した」としてネット上で話題になっている。

楽しいはずのクリスマスの様子が地獄絵図に

 ロンドン近郊のキングストン・アポン・テムズにある遊歩道は、地元のお店が立ち並ぶ人気エリアだ。

 しかし現在、この場所を訪れる人々は、通りの一角にあるレストラン「コート・ブラッセリー(Côte Brasserie)」の建物の上に掲げられた巨大な広告看板に釘付けになっている。

この画像を大きなサイズで見る
レストランの上に掲げられた巨大看板 @mattthr.bsky.social

 残念ながら、それは感嘆の意味ではない。看板にはクリスマスの賑やかな群衆が描かれているのだが、その描写が明らかに異常なのだ。

 AI(人工知能)で生成されたとみられるこの絵には、恐ろしく変形した人々や動物たちがひしめき合っている。

この画像を大きなサイズで見る
看板に描かれていた変形した動物や人 @mattthr.bsky.social

 本来なら賑やかで温かみのあるクリスマスの風景を描くはずだったが、完成した絵はまるで別世界だった。

 人々の顔は判別できないほど歪み、腕や脚の数も合わない。犬のような体が人間と混ざり合い、雪だるまの頬には目玉が描かれている。地元の人々は立ち止まり、恐怖におののいた。

この画像を大きなサイズで見る
初期のAIが描いた感満載な絵 @mattthr.bsky.social

クトゥルフ降臨?困惑する住民たちとネットの反応

 この巨大看板を見た 通行人がSNSに写真を投稿すると、たちまち話題となった。

 ジャーナリストのマット・スロワー氏は、SNSのBlueskyで次のように冗談を飛ばした。

この看板は表向きはクリスマスのために掲げられたものだ。しかしAIのおかげで、実際には我らが闇の帝王クトゥルフの復活を祝うものになってしまった

 クトゥルフとは、アメリカの作家、ハワード・フィリップス・ラヴクラフト(1890年8月20日 – 1937年3月15日)が創作した神話に登場する、タコのような頭部を持つ架空の邪神のことだ。

 ラヴクラフトが生み出した怪神や異次元の存在を含む神話体系は「クトゥルフ神話」と呼ばれ、現在も世界中に熱狂的なファンがいる。

 「Reddit」でも「ラヴクラフト的恐怖の光景」というスレッドが立ち、「どうしてこの惨状が許可されたのか」」「これ全体で30mもあるのか」「頬に目玉がある雪だるまなんて悪夢だ」「印刷前に誰も確認しなかったのか」などのコメントが相次いだ。

悪夢の看板はもう1つあった

 さらに悪いことに、看板はこれ一つだけではないようだ。

 ソフトウェア開発者のスティーブン・オークマン氏は、現場を確認しに行った感想をBlueskyに投稿した。

この画像を大きなサイズで見る
隣にあったもう一つの悪夢の絵 @stephenoakman.bsky.social

自分自身の目で確かめる必要があったが、神よ、想像以上にひどい。隣にもう一つ別の看板があり、それはこれよりもさらに悪夢だ

この画像を大きなサイズで見る
@stephenoakman.bsky.social

 現代の技術とは思えない低クオリティ

 看板を近くで見ると、「ラヴクラフト的恐怖」の深きものどもの正体がより鮮明になる。人間の顔は原型をとどめないほど歪んでおり、余分な手足が生えている者もいる。

 犬と思われる動物の体は、人間の姿と恐ろしく融合してしまっており、ハッピーなホリデーとは程遠い光景である。

 現代の画像生成AIは、大きな進歩を遂げており、人間の顔や手の形を比較的正確に描くことができるが、この広告ではそれらが完全に崩れていた。

 おそらくは、古いAIツールで作られた可能性が高いわけだが、なぜそれをチェックすることなく、公共の場に堂々と展示されているのだろう?

 いったい誰がこの看板を発注し、展示したのかは完全には明らかになっていない。一説によると、この看板を設置したのはテナントのレストランではなく、建物の家主だとの話もある。

 あるBlueskyユーザーはこの絵を「完全なAIスロップ(AIによるゴミ)」と断じながらも、「私は新しいAIロボットであるクトゥルフの支配者を歓迎する」と皮肉を込めて書き込んだ。

 2025年10月に発表された調査によると、インターネット上のコンテンツの50%以上がAIによる生成物になっているというデータもある。

 今回の件は、そうしたデジタル世界のゴミが、現実世界の祝祭さえも侵食し始めている兆候なのかもしれない。

References: Reddit / BSKY / Futurism

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 55件

コメントを書く

  1. >インターネット上のコンテンツの50%以上がAIによる生成物になっているというデータもある

    えー普通のブログや動画はどこいっちゃったんだろ

    • +30
  2. 仮にAIじゃなかったとしても色味とか服装が汚らしくてクリスマス感は感じられないな…
    どちらかと言うと災害みたいな印象

    • +70
  3. AIに描かせたものって、リテイクさせつつまともな絵にしていくものでは?
    何のために設置してるのか謎なのが怖いw

    • +33
  4. 仮に「まとも」だったとしても意味が分からない絵だね
    でもまあそこらの看板よりは注目されるかも(効果はともかく)

    • +19
  5. サンタ以外クリスマス感を感じないんだが、どんな状況を描いたんだろう。

    • +32
  6. フジテレビが新年の看板に
    地獄絵図を使ったらしい。
    その後、フジテレビが地獄に。
    因果応報やね、、

    • +20
  7. 北方ルネサンスというかバロックというか….
    西洋ではAIも西洋絵画っぽくなるのだなあと
    変な感心をした

    • +10
    1. なんとなくヒエロニムス・ボスとかピーテル・ブリューゲルの絵が連想されなくもないような気が…

      • +25
      1. 初見で自分も同じことを思った。そのあたりの絵画を意図的に参照したのでは。

        • +9
      2. 自分もボスっぽいなあ、と
        明るい笑顔で地獄っぽいのが良いわ

        • +2
  8. AI画伯は置いといて、これで行けると思った関係者は深きものどもの疑いがある

    • +60
  9. ウオーリーを探せみたいで良い、クトゥルフを探せ! ってわけだ
    AI絵なのにイギリスらしさを感じられるのが凄いなー

    • +8
  10. まず推敲しようよ推敲 皆んなに見せる前にさ

    • +13
  11. 流石イギリス
    ギャグセンスが突き抜けている

    • +14
  12. サンタじゃなくてサタンと入力してしまったのでは?

    • +22
  13. AIの著作権問題が話題になってるけど、出力後のおかしな部分を探す工程や、それをやり直すための試行錯誤の時間ってホントかかるのよね。
    だから、完成された一枚には著作権を認めるのは当然だと思うの

    • -4
  14. AI生成のクリスマス広告が不気味かつ奇妙で、「なぜこんなものが公共の場に?」という驚きとおかしさがある記事でした。AIが文化的文脈を読み違えることで起きる“ズレ”が面白くもあり問題でもあり、AIコンテンツが増える時代らしい象徴的な出来事だと感じました。

    • 評価
  15. 低クオリティAI風に描いた風刺看板でござるね

    • +7
  16. AIは無神論者ですからね
    クリスマスなんて冒涜の限りを尽くして嗤うでしょう

    • +5
  17. AIで出力された絵を使った看板なのね。てっきり巨大スクリーンに都度テーマに沿った画像が生成されたり、通行人が声かけるとそれに反応して生成されたりするのかと思った。

    • 評価
  18. 日本人にかかればクトゥルフも美少女になるというのに英国人ときたら

    • +12
  19. 正直に言うとここカラパイアも生成AIによる画像を載せはじめたとき酷く落胆しました

    • +26
  20. もしかして俺はAIに生成された模造品なのか?!

    • -4
  21. これは世界が既に遊星からの物体Xに感染されているという人類への警告なんだよ!

    • +4
  22. 生成AI広告はよくこういう低クオリティのものを見かけるけれど
    やってる人間は広告を出す重要性は理解しているはずなのに
    肝心の中身を練る力が無いのはなんなんだろう

    • +20
  23. 一目でAI生成って分かる内容じゃないと使いたくないって最後の抵抗だったんじゃないの

    • +8
  24. 誰も細部まで見ていないと思う。それっぽい絵なら、多くの人は見逃すと思う。

    • -6
  25. とにかく注目されたいが目的なら成功はしてるね

    • +6
  26.  逆に話題になるの狙っての、要するに炎上目的では?だって変ではなかったらココで取り上げられていないでしょ?つまり私達も目にはしていない。異様だったからネットに拡散されて私達まで目にする結果となった。
     さらには変な部分を探させる為に足を止めてじっくり見るだろうし、他の人もなんだろうとつられて見てしまうよね。コスパ最強ではないだろうか?

    新宿の東西自由通路でやったら凄まじく効果的な気がする。

    • +5
  27. イギリスではXmasにシャケ怪人出てこないのか?

    • -1
  28. クリスマスは加須意宇や恋人があいを語る日なのに

    • -2
  29. 複数のお店が入っているようですけど店子への説明無かったぽいのも(そういうものなんか…いやまあ普通そうか)てなりますね
    撤去の方向らしいですが次はどんなものになるのかな
    デイリーメールのほうの画像で眺めても見れば見るほど謎行事
    小氷河期のフロストフェアってわけでもないしなあ凍ってないし

    • 評価
  30. 日本の某航空会社のクレカ騒動と違って、これくらいおおらかな英国の方がいいと思うんだけど
    日本だったら、ワイドショーやらSNSで炎上して秒で撤去に追い込まれている事案

    • 評価
  31. 正直嫌いじゃない初期AI画像
    怖いもの見たさで

    • +6
  32. まあ殆どの人間はそんな細かいとこまで見ないんですけどね

    • 評価
  33. ブリューゲルの絵を思い出す
    「反逆天使の墜落」とかの

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

サブカル・アート

サブカル・アートについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。