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好きな番組を一気見することは、心に良い影響をもたらす可能性があるとする研究結果

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(著)

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ネットフリックスのテレビの選択画面この画像を大きなサイズで見る
image credit:unsplash
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 お気に入りのドラマやアニメを、つい何話も続けて一気見してしまったあと、「また時間を無駄にしてしまった」「他にやるべきことがあったのに、やっちまった!」と後悔した経験はないだろうか。私はある。いや、大ありだ。

 確かに長時間画面に張り付いていることが体に良くないという見方もある。

 しかし、最近の研究では、物語を続けて観るという行為には、意外にも心に良い効果がある可能性があるという結果が出ている。

 一気見は、登場人物の気持ちを想像したり、物語の意味を自分なりに深く考えるようになり、無意識のうちに想像力がふくらみ、自己理解が深まり、心の安定につながることがあるという。

 つまり、時間に余裕があるときにどっぷりと一気見するのは、心の健康にとって悪くない選択かもしれない。

一気見した物語は、頭の中で長く生き続ける

 アメリカのジョージア大学でメディア心理学を研究するジョシュア・ボールドウィン博士の研究チームは、300人以上の大学生を対象に、物語の視聴スタイルとその後の心理的影響について調査を行った。

 その結果、物語を連続して視聴した人ほど、観終わったあとも登場人物の行動やストーリー展開について考え続ける傾向があることがわかった。

 たとえば、印象的だったシーンやセリフがふとしたときに頭に浮かび、何度も思い返してしまうような体験だ。

 研究チームはこの現象を「回想的想像関与(retrospective imaginative involvement)」と呼んでいる。

 これは単なる記憶の保持ではなく、視聴後も心の中で物語を再構成したり、登場人物の選択に対して自分なりに意味づけをしたりするような、より能動的で想像力を伴う関わり方を意味する。

 たとえば「あの結末が違っていたらどうなっただろう?」「このキャラクターが現実に存在したら…」といった空想が頭に浮かび、無意識のうちに物語が続いていくような感覚だ。

 実際、連続して物語を楽しんだ人たちは、このような心の動きをより強く示していた。

 観た物語が、ただその場で消費されるのではなく、無意識のうちに脳内で繰り返し再生され続けているということだ。

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image credit:Pixabay

感情的な物語が、より深い思考や心の安定をもたらす

 この研究では、書籍よりもテレビ番組の方が視聴者の記憶や感情に強く残る傾向があることも明らかになった。さらに、作品のジャンルによっても反応は異なった。

 たとえば、コメディ作品では「このキャラクターが面白かった」「あのセリフが印象的だった」といった軽い記憶にとどまることが多い。

 一方で、感情を揺さぶるようなドラマやヒューマンストーリーは、登場人物の行動や感情に深く共感し、自分の経験と重ねて考えるきっかけになることが多かった。

 なかには「この番組を観ると落ち着く」と話す人もいた。

 何度も繰り返し観ているお気に入りの作品が、言葉にはできない形で心の安定をもたらしている可能性もある。

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image credit:Pixabay

心に余裕があるときほど、物語は深く刺さる

 研究では、自由時間の多い人ほど視聴後の想像力が強くなる傾向が見られた。

 時間や気持ちに余裕があるときは、登場人物の行動や物語の意味を深く考えることができるのだ。

 一方で、ストレスが高い状況下にある場合、物語への没入が難しくなる場合もあるという。

 ただし、これは一概には言えず、別の調査ではストレスの有無による明確な差が出なかったことも報告されている。

 研究チームは、ストレスの強弱ではなく、「心にどれだけ余白があるか」が重要だと指摘している。

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image credit:unsplash

流し見でも、何かが心に残ることはある

 スマホを触りながらの“ながら見”では、物語に入り込むのは難しいかもしれないが、ふとした瞬間に思い出されるセリフや場面があるなら、それは物語の一部が心のどこかに残っている証拠かもしれない。

 深く関与できなかったとしても、小さな記憶のかけらが、後から思わぬ形で気持ちに作用することもある。

 ということで、時間と心に余裕があるときは、お気に入りの作品にどっぷりとつかり、想像力を膨らませ、心の栄養にしようじゃないか。

 ただしあまりやりすぎると、目や体に負担がかかるので、自分へのご褒美として月1回くらい、シーズン1全話一気見とかでいいんじゃないかな。

  この研究成果は『Acta Psychologica』誌(2025年7月)に発表された。

References: Sciencedirect / Why Binge-Watching Your Favorite Shows Might Actually Be Good for You

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この記事へのコメント 7件

コメントを書く

  1. 一気見どころか新しく買った漫画ですら読み始める気力が出ないので年またぎの積読が増えていく⋯ でも興味のある分野の学術本なんかは読めるし考えられる不思議

    • +6
  2. >心に余裕があるときほど、物語は深く刺さる

    これ、子供の頃に見た作品がめちゃくちゃ面白く感じる理由の一つなのかな

    • +14
    1. 大人になってからだと「この展開は常識的に考えておかしい!」と突っ込んでしまったり、「この先こうなるんだろ?」と先が読めてしまったりというのもあるかも。
      子供の頃は何でも純粋に楽しめるのだと思います。

      • +9
  3. 年一でロードオブザリングのSEE版をぶっ通しで見てる
    ほぼ一日潰れる

    • +5
  4. ああ、物語がある番組だけなのね。
    こないだ録画が溜まってたブラタモリ一気見したけど(4時間くらい掛かった)そういうのは関係無いのね。
    でも凄く面白かったし大満足だったよ!

    • +8
  5. 少女連続殺人事件のイギリスドラマを見たけど、事件から30年経ってやっと犯人は見つかったけどすでに病気で死亡していたという、被害者遺族にとって複雑であろう結末だった
    勧善懲悪でないようなストーリーだと、一気見してストーリーに入り込んでしまうと、納得いかない暗い気持ちが続いてしまうことも多いんだよなぁ

    • +1

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