この画像を大きなサイズで見るフロリダ南部の広大な湿地帯「エバーグレーズ」では、外来種のビルマニシキヘビによる野生動物の激減が深刻な問題になっている。
絶滅寸前にまで追い込まれた在来種を守るため、研究者たちが新たに導入したのは、なんとロボットウサギ。
ぬいぐるみを改造して作られたこの“ロボウサギ”が、ニシキヘビをおびき寄せて罠にかけるという。
可愛らしい見た目とは裏腹に、ロボウサギはフロリダの自然を取り戻すための本気の刺客だ。
ビルマニシキヘビがフロリダにもたらした深刻な被害
ビルマニシキヘビは、東南アジア原産の大型ヘビである。ところが1970年代以降、フロリダに持ち込まれた個体が逃げ出したり捨てられたりしたことで、同州南部に広がる湿地帯「エバーグレーズ」に定着してしまった。
エバーグレーズは、広さ約6,000平方kmにおよぶ亜熱帯性の湿地で、ゆるやかに流れる“草の川”と呼ばれる地形が特徴だ。希少な動植物が多く暮らす自然豊かな地域で、世界自然遺産にも登録されている。
だがこの巨大なビルマニシキヘビが生態系に与えた影響は深刻だ。
2003年から2011年にかけて、ビルマニシキヘビの生息域ではアライグマの個体数が99%以上減少。オポッサムやボブキャットも激減し、ウサギに至っては完全に姿を消した。
南フロリダ水資源管理局のマイク・カークランド氏は「20年前にはあふれていた野生動物が、今では一匹見つけるのも難しい」と語る。
フロリダの生態系は今、ヘビによって大きく崩されている。
この画像を大きなサイズで見る新たな刺客「ロボットウサギ」が導入される
ビルマニシキヘビに対処すべく、これまでにもさまざまな対策が行われてきた。
販売や輸送の禁止、個体のマイクロチップ登録、プロのヘビハンターの導入、近赤外線カメラやDNA技術を使った追跡調査などだ。
中でも注目されたのが「スカウト・スネーク」作戦と呼ばれるもの。
これは捕獲したオスのヘビに発信機を取り付けて再び放ち、繁殖期にメスの居場所を突き止めてもらうというものである。
メスは一度に数十個、場合によっては数百個もの卵を産むため、1匹の除去が数千の新たな個体の誕生を防ぐことにつながる。
そんな中、さらなる強化策として導入されたのが「ロボウサギ作戦」だ。
この画像を大きなサイズで見る体温を持ち体も動く、ヘビにとって魅力的なウサギの“罠”
フロリダ大学のロバート・マクレアリー教授は、これまで生きたウサギをおとりに使っていた。
しかしウサギにとっては命の危険が大きく、継続的には使えない。
そこで、ぬいぐるみを改造してロボット化し、モーターで動かし、ヒーターで温かさを再現する「ロボウサギ」を開発した。
このロボウサギは、ニシキヘビにとって“かつてのごちそう”のように見えるよう設計されているのだ。
将来的にはウサギのにおいも再現する予定で、40体のロボウサギがすでに現地でテスト運用されているという。
「私はロボット工学の専門家ではありませんが、本物のウサギが出すすべての刺激を模倣したいと考えています」とマクレアリー氏は語る。
この画像を大きなサイズで見る成果の発表は秋、未来への布石となるか
この作戦の成果が分かるのは2025年11月の予定だ。
マクレアリー教授は現段階で具体的な効果には言及していないが、もし効果が確認されれば、管理対策の新たな柱となるだろうと期待を寄せている。
ロボウサギが使われている場所は非公開。「誰にもロボウサギを探し回ってほしくない」とマクレアリー氏は述べている。
ビルマニシキヘビを完全に排除するのは難しいかもしれない。しかし、効果的な管理によって野生動物が再び戻ってくる未来は描ける。
南フロリダ水資源管理局のカークランド氏も「複数の対策を連携させることで、生態系の回復は可能になるかもしれない」と述べ、ロボウサギ作戦がその一端を担うことを期待している。
在来種の野生動物たちも奮闘中
ただし在来種もただおとなしくやられているだけではない。
2025年6月、フロリダ州のボブキャット(アメリカオオヤマネコ)がビルマニシキヘビと戦い、勝利を収めたケースも報告されている。
また、フロリダパンサー(ピューマの亜種)やアメリカグマ、さらには一部の猛禽類も、ビルマニシキヘビを獲物として狩り始めたという。
ビルマニシキヘビにはどういった攻撃が有効で、どう戦えば勝てるのか、それらの戦法が捕食上位者たちに浸透すれば、野生動物たちが自分たちの力でフロリダ州の生態系を守れるようになるかもしれない。
編集長パルモのコメント

フロリダと言えばワニ、そしてサメかと思ったら外来種であるビルマニシキヘビも大量にいるんだね。全長5メートルを超えるこのヘビを捕獲したニュースはカラパイアでも何度か取り上げているけれど、人間が駆除するだけじゃ追いつかない感じなのね。成獣のビルマニシキヘビの天敵はほとんど存在しないようなので、逆に獲物で釣る作戦ってわけだね。本物のウサギじゃなくロボウサギで本当によかった。
References: Palmbeachpost / Smithsonianmag
















ロボの献身に感情移入してしまってうまくこメントができないのだけれど
この人にもビルマニシキヘビにもロボたちにも幸せをもたらさない今の状況が良くなってくれることを祈りますよぅ
蛇の皮を利用する業者が一斉に押し寄せれば
あっという間に絶滅しそうだなw
「場所は非公開」というところで「何で?」と困惑した私はとことん平和ボケした日本人なんだなー、と。
悪戯されたり盗んだりされることを前提にしていろんなことを進めなきゃいけないのって大変そうだ。
あたしウサちゃん。
パパはリビアで大佐をしてるの。
まさかこのロボウサギを食べさせて消化不良をまねいたりドクサツするのか!?と思ったが元記事読んだら囮としておびき寄せて捕まえる方向なのね
日本で放してアライグマを喰ってくれんかね
悲劇の連鎖
ロボットウサギ「駆逐してやるっ!」
ボブキャットがヘビに負けるか?
生態系って捕食される側が減るとする側も餌がなくなって減るんだけど
このヘビの場合はどうなってるんだろうね
蛇は割と省エネな生き物なので餌が見つからなくても水場さえあれば2年平気で絶食できたりしちゃうので……
基本的に脅威となるのはある程度の大きさのある個体だろうから(他動物への攻撃性の他、繁殖も含む)、丁度いいサイズとしてウサギが選ばれたんだろうね
しかし地域の生き物が全滅するとなると、相当な数が生息してる事が予想されるけど、研究者たちの活動だけで大丈夫なのかな?
1匹あたりに懸賞金を懸けてバウンティハンターを使っては駄目なのかな?
ビルマヘビを駆除してねウサギさん