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1億5000万年前の恐竜「ケラトサウルス」の幼体の完全な全身骨格、約42億円で落札される

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ケラトサウルス・ナシコルニスの完全な全身骨格 / Image credit:Matthew Sherman
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 2025年7月16日、世界的オークションハウス「サザビーズ」で、約1億5000万年前、ジュラ紀後期に生息していた肉食恐竜「ケラトサウルス・ナシコルニス(Ceratosaurus nasicornis)」の幼体の完全な全身骨格が出品された。

 成体に至る前の若い個体として、ここまで完全な骨格(化石化された骨)が残された標本は世界に一体のみ。

 推定落札価格は400万〜600万ドル(約6億4000万〜9億6000万円)とされたが最終的に3050万ドル(約42億円)で落札された。

ケラトサウルスの幼体の全身骨格が史上初めて競売へ

 今回競売にかけられたのは、後期ジュラ紀に北アメリカに生息していた肉食恐竜ケラトサウルス・ナシコルニスの幼体(ジュブナイル)だ。

 全長は約3.3m、体高は約1.9mに達し、すでに迫力ある姿をしているが、これはまだ成長途中の段階だ。

化石は全139点の骨から構成され、特に頭蓋骨・鼻先の角・背中の骨の装甲・鋭い歯など、特徴的な部分も含めて完全に近い状態で保存されている。

骨は美しく鉱物化され、灰色から黒にかけての深い色合いを呈しているという。

サザビーズによると、この標本は過去に例のないほど保存状態が良く、全身が組み立てられた状態で展示されるのは今回が初めてだそうだ。

 科学・自然史部門副会長のカサンドラ・ハットン氏は、「これまで競売で扱った中でも最も優れた恐竜のひとつ」と高く評価している。

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出品されたケラトサウルス・ナシコルニスの頭蓋骨の右側の詳細/ Image credit:Matthew Sherman

発見されたのは「恐竜の宝庫」、ワイオミング州の化石地帯

 この化石が見つかったのは、1996年、アメリカ・ワイオミング州にあるボーンキャビン採石場(Bone Cabin Quarry West)だ。

 この地は19世紀末から20世紀初頭にかけて、アメリカ自然史博物館が大規模な恐竜発掘を行ったことで知られ、「恐竜の宝庫」とも称された場所である。

 発掘当時、博物館のヘンリー・フェアフィールド・オズボーン博士は、この採石場について「単一の場所でこれほど多くの絶滅動物が見つかったのは世界で他に例がない」と述べている。

 実際、ケラトサウルスの骨格は、歴史的にもわずかに3体しか発見されておらず、幼体でかつ全身が完全なものはこの標本が唯一である。

ケラトサウルス・ナシコルニスの幼体の完全全身骨格、人間の大きさと比較  Image credit:Matthew Sherman

恐竜が繁栄した進化の転換点を生きた肉食恐竜

 ケラトサウルス・ナシコルニスが生きた時代は、地球の歴史でも特に変化の大きかったジュラ紀後期(約1億5000万年前)。

 この時代、超大陸パンゲアが分裂を始め、気候は温暖で、海面は上昇し、多様な生態系が形成されていた。

 北アメリカやヨーロッパ、アフリカの広大な平原では、肉食恐竜ケラトサウルスや、草食恐竜ステゴサウルス、アパトサウルスなどが共存していた。

 ケラトサウルスは、俊敏で攻撃的な肉食恐竜で、発達した後肢と鋭い歯、特徴的な鼻角によって、独自の生態的ニッチ(役割)を持っていたと考えられている。

このような進化の転換点における証拠として、この化石の持つ科学的価値は計り知れない。

予想価格を大幅に超える約42億円で落札される

 このケラトサウルス・ナシコルニスの幼体骨格は、2025年7月16日に予定通りサザビーズで競売にかけられ、最終的に3050万ドル(約42億円)という高額で落札された。

 これは、事前に見積もられていた推定価格400万〜600万ドル(約6億4000万〜9億6000万円)を大きく上回る結果となった。

 恐竜化石のオークションとしては歴代でも上位に入る落札額であり、2024年に同じくサザビーズで記録されたステゴサウルス「Apex」の全身骨格標本、4500万ドル(約63億円)に次ぐ注目の取引となった。

 落札者の身元は公表されていないが、関係者によると、「今後は博物館などでの展示を前提とした取得である可能性が高い」とされている。

 これまでにもサザビーズで競売にかけられた恐竜標本の一部は、アメリカ国内の主要な科学博物館に収蔵・公開されており、今回の標本についても一般公開される見込みがあると期待されている。

 化石の保存状態の良さと学術的価値の高さから、この標本は今後の恐竜研究においても重要な資料となる可能性がある。

 1億5000万年前の地球に生きた若い肉食恐竜の姿を、現代の人類が目にする機会が訪れることに、世界中の注目が集まっている。

References: Artnet.com / Interestingengineering / Sothebys

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この記事へのコメント 15件

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  1. > 今回の標本についても一般公開される見込みがあると期待されている。
    やっぱりそこが気になるよねぇ

    • +18
    1. 最近は金持ちがコレクションや投資目的で
      全身骨格など貴重な個体を高額で売買するようになり
      博物館など研究者が困っているなんて記事を見たな。

      • +4
  2. ゾウさんもクマもライオンでも子供って可愛いって思えるけど、恐竜は赤ちゃんでも怖そう

    • +4
    1. 骨格の複製から肉付けされた子供サウルスを見てみたいね
      怖さとあどけなさが共存してると想像中

      • +4
    2. むかしの再現フィルムだと可愛かったよ

      • 評価
  3. 42億でググると日本郵便の今年3月までの1年間の決算で純損益が42億円
    土肥金山のおいてある250キログラムもの巨大な金塊が購入時4億円が
    現在約42億円に跳ね上がり
    今回の場合は未来投資で役立つといいな

    • +4
  4. 見つけるのも掘り起こして綺麗にするのも大変だったろうね

    • +4
  5. 格好いいし、程よい大きさだし
    その上、貴少性のたかさもあるなんて
    そりぁ42億も納得だよー
    お前さん😄

    • +5
  6. 以前ティラノサウルスの「スー」が約10億円で落札されて話題になったけど
    今思えばかなりお買い得だったんだな
    今なら10倍くらいの値がつきそう

    • +6
  7. 価格は納得なんだけどこういうのは人類の財産として博物館とかで広く科学に役立つべきだと思う

    • +8
  8. ある所にはあるんだな・・お金・・・(;^ω^)

    • +4
  9. こういうので化石が高く取引されるようになると、盗掘とかの温床になるし、研究者の方も入手が難しくなって研究の障害になりそう…

    • +9
  10. 「今後は博物館などでの展示を前提とした取得である可能性が高い」

    至極当然。歴史のためならボランティアで買い取るって発想はありえないし、保全するのだって金が必要だからね。博物館も高い金払って借りてるものをぞんざいに扱うなんて基本はせんでしょうしね。

    • 評価
  11. 「人間」のモデルさんが裏梅に激似。骨格標本だけに宿儺さまお買い上げかしらと妄想したわ。

    • -3

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