この画像を大きなサイズで見る超大質量ブラックホールはまるで「心臓と肺」のように機能して、銀河の老化を遅らせ、寿命を延ばしているという新たな研究結果が報告された。
現代宇宙論の大きな謎のひとつに「銀河はなぜ予測よりも小さいのか?」というものがある。
英国ケント大学の研究チームによると、その理由は巨大なブラックホールによる壮大な呼吸により、銀河が吸収するガスが制限されるからだという。
そのおかげで銀河は制御不能なまでに成長せずにすみ、老化が遅くなる。さもなければ、現在の宇宙は死んだ星々で満ちたゾンビ銀河だらけだったと考えられるそうだ。
銀河が理論的な予測よりも小さい理由
天文学者が頭を悩ませる宇宙の大きな謎のひとつは、「銀河はなぜ理論的な予測よりも小さいのか?」だ。
銀河はガスを吸収し、それが崩壊すると星々が誕生する。だが、これまでの観測によるなら、その吸収されるガスの量が、何らかの力によって抑制されているようなのだ。
そのおかげで、銀河は際限なく成長せずにすんでいるという。
この画像を大きなサイズで見るブラックホールの呼吸が銀河の老化を抑制しているという説
英国ケント大学の新たな研究は、シミュレーションによってその秘密を解明したかもしれない。
その仮説によると、銀河はブラックホールの「呼吸」によって、成長が抑制されている可能性があるという。
ケント大学の研究チームは、銀河の中心にある超大質量ブラックホールを「心臓」に、そこから放出される2本のジェットを肺につながる「気道」に喩えている。
ブラックホールはまるで心臓の鼓動のようにパルスを発生させ、それがジェットの衝撃波面をジェット自体に沿って前後に振動させる。
これはちょうど、人間の横隔膜(あるいは”ふいご”)が上下に動き、肺を膨らませたり、縮めたりするのに似ている。
すると私たちが空気を吐き出すように、ジェットからエネルギーが吐き出される。
これはシャンパンの栓が高圧で押し出されてポンッと抜ける音にも似ており、この「音波」が伝わって銀河に圧力を加える。その結果として銀河はガスを吸収しにくくなり、成長が遅くなる。
ブラックホールがなければ銀河はゾンビだらけになっていた可能性
こうした音波の証拠ならすでに見つかっている。例えば、ペルセウス座銀河団で観測された巨大な高温ガスの泡に起因するとされる波紋などだ。
この画像を大きなサイズで見るこうした波紋には銀河周辺の環境を維持する役割があると以前から考えられていたが、それが発生する仕組みがわかっていなかった。
だから銀河のガスの流れをうまく説明することができず、それゆえに天文学上の大きな謎となっていた。
宇宙の心臓と肺による仕組みは、健全な呼吸であることが大切で、パルスの種類・ブラックホールの大きさ・”肺”の状態などによって左右される。
呼吸が速すぎたり遅すぎたりすると、銀河の媒体を維持しつつ、心臓に燃料を供給する命の鼓動が起きないからだ。
だが、それが適切なものならば、宇宙の壮大な呼吸によって銀河の寿命は延びる。
その中心にある超大質量ブラックホールが、そのままならすぐに崩壊して星になってしまうガスの量を制限し、銀河の成長を抑制してくれる。
このような仕組みがなければ、銀河はとっくに燃料を使い果たし、この宇宙は死んだゾンビ銀河だらけになっていたと考えられるそうだ。
この研究は『Monthly Notices of the Royal Astronomical Society』(2024年7月12日付)に掲載された。
References:Black Holes: Not Destroyers but Protectors / New research reveals how galaxies avoid early death / written by hiroching / edited by / parumo
















表裏一体やろ、陰陽五行思想に通ずる。 ボーアも「相補性」の中でそれを述べている
質量の低い恒星ほど寿命は長くなる(恒星の寿命は質量の3乗に反比例)。
恒星の材料となる星雲ガスを希釈することで確かに重質量の恒星は生まれにくくなる。