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絶滅したデニソワ人がチベット高原で16万年の間、生き延びていたことが遺骨の発見で明らかに

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(著) (編集)

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image credit:Dongju Zhang via Wikimedia Commons (CC BY-SA 4.0)
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 最新技術により、旧人類の絶滅種「デニソワ人」が、過酷な地で16万年に渡り生き延びていた可能性が明らかとなった。その証拠は標高3280mに位置するチベット高原の洞窟にあった骨の化石の分析から得られたという。

 デニソワ人はネアンデルタール人やホモ・サピエンスと同時期にアジア全域に住んでいた古代人類だが、これまで発見された骨はほんのわずかで、彼らがいつ絶滅したのかなど、詳しいことはわかっていない。

 今回、新たな技術で発見されたデニソワ人の骨を分析したところ、彼らは、約20万年前から4万年前の氷河期を含む過酷な気候の中、この洞窟で生存していたことがわかったそうだ。

新たな技術でデニソワ人の骨を分析

 デニソワ人は、ネアンデルタール人やホモ・サピエンスと交雑していたことを示す証拠が示されており、彼らのDNAは、わずかだが現代人に受け継がれている。

 現在、チベットに住む人たちは高所の低酸素環境に順応しているが、これはもしかするとデニソワ人から受け継がれたものなのかもしれない。

 中国の蘭州大学、デンマークのコペンハーゲン大学、チベット高原研究所から成る国際研究チームが、デニソワ人が住んでいたことが知られる数少ない場所のひとつ、高地チベット高原にある白石崖カルスト洞窟から見つかった2500以上もの骨を最新技術で分析した。

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白石崖カルスト洞窟 / image credit:Dongju Zhang’s group (Lanzhou University)

16万年間過酷な気候状況の中生き延びていたことが判明

 これによりデニソワ人の遺骨の化石が新たに特定され、およそ20万年前から4万年前のチベット高原で、氷河期を含む過酷な気候の中、彼らが生き延びる能力があったことが明らかになった。

見つかった骨のほとんどは動物のもので、デニソワ人がさまざまな動物を狩猟して食べていたことがわかりました。

彼らが高地の環境や激変する気候にうまく適応していた証拠といえます。私たちはこの並外れた祖先のことをやっと理解し始めたばかりなのです

 論文の共著者である動物考古学者のジェフ・スミス博士は語る。

Who Were The Denisovan Humans?

デニソワ人の食の多様性

 この洞窟で発見された骨は粉々に砕けていたものが多く、なんの動物の骨だか識別するのは難しかったが、生き物の骨コラーゲンから、なんの種のものであるかを特定する最新科学技術が活用された。

質量分析法による動物考古学ZooMSによって、見落とされがちな骨片から重要な情報を抽出、人類の祖先の活動について深い洞察を得ることができました(蘭州大学 環夏博士)

 骨のほとんどは、チベットの野生のヒツジであるバーラル、野生のヤク、ウマ、絶滅した毛の長いサイ、ブチハイエナなどで、マーモットなどの小型哺乳類や鳥類の骨片もあった。

 現在ある証拠からは、この洞窟に住み、手に入る動物資源をとことん利用したのは、ほかの人類種ではなくデニソワ人だったことがわかるという。

 断片化した動物の骨の表面を詳しく調べると、それを使って道具に加工した痕跡がわかる。骨から肉や骨髄を取り除くためだったのだろう。

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人間の手で動物の骨から作られた道具類 / image credit:Nature (2024)。DOI: 10.1038/s41586-024-07612-9

新たに見つかったデニソワ人の骨

 新たに見つかったデニソワ人の骨は肋骨の骨だとわかった。肋骨があった地層は4万8000年から3万2000年の頃のもので、ホモ・サピエンスがユーラシア大陸に分散していった頃と同じだ。

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白石崖カルスト洞窟から新たに発見されたデニソワ人の肋骨片 / image credit:Dongju Zhang’s group (Lanzhou University)

 つまり、デニソワ人は2度の寒冷期だけでなく、中期更新世と後期更新世の間のわりと温暖な間氷期にも生きていたことを示している。

 骨の化石と分子の証拠から、この洞窟は標高が高いにいもかかわらずデニソワ人にとっては比較的安定した環境だったのかもしれない。

 しかし、大きな謎が残る。ではチベット高原に長いこと住んでいたデニソワ人はいつ、どうして絶滅したのだろうか?

 この研究は『Nature』誌(2024年7月3日付)に掲載された。

References:Bone remains indicate extinct humans survived on the Tibetan plateau for 160,000 years / Extinct humans survived on the Tibetan plateau for 160,000 years | ScienceDaily / written by konohazuku / edited by / parumo

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この記事へのコメント 7件

コメントを書く

    1. >>1
      中国で野人発見!っていう昔のテレビ番組あったけど、実はそれ系がデニソワ人だったのかも・・・?

      • +1
  1. どんな調理でどんな調味料を使っていたのだろう

    • +3
  2. 太平洋とか深海とかなら想像出来るけど、チベット高原ってどれくらいの広さで、どれくらい調査が進んでるんだろう?
    あまりにも過酷すぎる高山帯は除いて、平原部は隅々まで調べ尽くされてるのかな?

    • +1
  3. アボリジニだって4万、縄文人も一万年前と考えれば16万も住んでいたのはとてつもなく長い。

    • +7
  4. 絶滅したんじゃなくて、山から下りてホモサピエンスサピエンスに溶け込んだんじゃないかな

    • +8
  5. >絶滅した毛の長いサイ
    ケブカサイかな?

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