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宇宙でシンクロ!400光年先の星系で同時にジェットを噴出する双子の円盤を発見

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(著) (編集)

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 地球から400光年離れた星系で、これまで誰も見たことがないジェットを平行に放出する双子の円盤が発見されたそうだ。

 へびつかい座ロー分子雲領域の「WL20星系」で、そんな世にも珍しい発見ができたのは、2つの超強力な望遠鏡をコラボさせるという天文学者の機転と、ちょっとした幸運のおかげだ。

 ALMA望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡はそれぞれに電磁スペクトルが異なる部分を観察してるが、それらを組み合わせたところ、前代未聞の宇宙の構造が浮かび上がってきたのだ。

 この発見は、複数の星系の形成がからむ複雑なプロセスに光を当てたものであるという。

2つの宇宙望遠鏡を組み合わせて双子の円盤を発見

 宇宙のほとんどは人間の目には見えない。星々が放つ光(電磁波)は、しばしば人間の目にみえるスペクトルから外れた波長であるからだ。

 そして、さまざまな望遠鏡もまた、そうした電磁波の異なる波長を眺めている。

 チリにある「アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計(ALMA)」と、宇宙に浮かぶ「ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」の中赤外線画像センサーもまた、それぞれ異なる電磁波を見ている。もしもそれらを組み合わせたとしたら、宇宙のどんな姿が見えてくるだろうか?

 天文学者が目にしたのは、星のペアを囲む2つの円盤と、そこから平行に放出される2筋のジェットだ。
 それが発見されたのは、太陽系から400光年以上離れた「へびつかい座ロー分子雲領域」のそばにある「WL20星系」だ。

 WL20星系を観察していた天文学者チームは、その中にある星がほかの星より若く見ることに好奇心をかき立てられた。

 そこでALMA望遠鏡の電波領域と、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の赤外線領域でそれを観察してみたところ、1つの星だと思われたものが、じつは2つの星であることが判明したのだ。

 それぞれが円盤に囲まれており、どちらの円盤もお互いに対して平行にジェットを噴出していた。

 ALMA望遠鏡のデータによるなら、円盤は地球と太陽の間の距離の約100倍という巨大なものであるという。またジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のデータからは、ジェットの化学組成も明らかになっている。

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左) スピッツァー宇宙望遠鏡が中赤外線でとらえた「へびつかい座ロー分子雲領域」。右) WL20星系で発見されたジェットを放つ2つの円盤のイメージ。ALMA望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡を組み合わせることで、その全貌が明らかになった/Credit: U.S. NSF/ NSF NRAO/B. Saxton.; NASA/JPL-Caltech/Harvard-Smithsonian CfA

天文学者の機転と幸運が奇跡の発見につながる

 これは天文学者が機転をきかせ、2つの強力な望遠鏡を組み合わせたがゆえの発見だ。

 ALMA望遠鏡は円盤の姿を詳細にとらえてくれたが、それだけなら中央に穴の開いた大きな円盤の縁にしか見えなかったはずだ。

 だがちょっとした幸運にも恵まれた。NASAジェット推進研究所のマイケル・レスラー氏にとって、WL20星系は30年近くも研究してきたお馴染みの星だったという。だからそれに安心していれば、今回の発見はなかった。

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ALMA望遠鏡とジェイムズ・ウェッブ望遠鏡が集めたデータ。左) 両望遠鏡のデータを合成したもの。右) 両望遠鏡による個別のデータ。その色から化学組成を推測することができる/Credit: U.S. NSF/ NSF NRAO/ ALMA(ESO/NAOJ/NRAO)/ NASA/ JPL-Caltech/ JWST/ B. Saxton.

「一般に、ペアの原始星の研究では、その周囲にある星が形成される領域しか調査されません」と、レスラー氏は語る。

 だが彼がジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡でペルセウス座の連星を観察する機会に恵まれたとき、せっかくだからそのほぼ正反対にあるWL20星系も観察してみようと思ったのだそうだ。

 「次にこうしたチャンスが巡ってくるという保証はないのだから」と。それが今回の素晴らしい発見につながった。

 この発見は、複数の星系の形成がからむ複雑なプロセスに光を当てたものであるとのことだ。

References:It’s Twins! Astronomers Discover Parallel Disks and Jets Erupting From a Pair of Young Stars – National Radio Astronomy Observatory / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 12件

コメントを書く

  1. 左はちょっと太った男の人がクッキー咥えてて、右は両手でクッキーを差し出してる

    • 評価
  2. アタカマ大型ミリ波サブミリ波干渉計なんて用語、分かる人類は何人いるんだろうか

    • +2
    1. >>3
      天文に興味のある人なら結構知ってる可能性高いかも
      ただ自分もサブミリ波干渉計は解るけどアタカマは知らなかった(w

      100天文単位と言う事は海王星までの距離の3倍ちょい有るのか
      ボイジャーが約160天文単位ぐらい離れてるからそれよりは近いのか

      • 評価
    2. >>3
      アタカマは地名だろう、大型はいいだろ、サブミリ波は分かるだろ、干渉計は常識

      • 評価
  3. 募集:穴の無いバウムクーヘンに
    穴をあけるだけの簡単なお仕事です

    • 評価
  4. AIが生成したかっこいいチョコパイとバームクーヘン

    • 評価
  5. なに?これ?なに?補正されたイメージ図だから意味わかんないのかと思ったけど、純粋に意味わからないな…
    ハッブル望遠鏡の時点で遠くが見れてすごい!って思ってたけど今のジェイムズウェッブ望遠鏡は桁違いだし本当にわくわくする
    広い宇宙の長い歴史のたっった100年、どんどん面白いものみつける人類のたっった100年ぽっちしかいられないの悔しい気持ちになる

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  6. 自然に完全な平衡だったら凄いね
    何か力学的な作用でそうなるんだろうか

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    1. >>11
      重力でお互い引きあってるってのもあるだろうけど、お互いの周りを回転してるからかも。平行状態が最も安定するとか?

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