メインコンテンツにスキップ

遺伝子操作で誕生した6本足のマウス、生殖器が2本の足に変化

記事の本文にスキップ

30件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 遺伝子操作により、生殖器の代わりに2本の余分な足を持つ、合計6本足のマウスが誕生した。実はこれ、意図的にやったわけではない。

 胚の成長に関わる受容体タンパク質の実験を行っていたところ、偶然にも生殖器が2本の後ろ足に変化してしまったのだ。

 それもそのはず、四肢動物の外性器と足は、同じ原始構造から発達するのだ。結果的にこの研究により、生殖器と足のどちらを生やすべきかが決定されるメカニズムが明らかになったという。

遺伝子操作を行っていた所、6本足のマウスが誕生してしまう

 ポルトガル、グルベンキアン科学研究所の発生生物学者モイセス・マロ氏らは、「Tgfbr1」という受容体タンパク質を研究していた。

 これは胚(多細胞生物の個体発生におけるごく初期の段階の個体)の発生のさまざまなプロセスに関わるシグナル伝達経路に関係している。

 研究では、まだ発生途中にあるマウスの胎児の遺伝子を操作し、Tgfbr1が機能しないようにして、それが脊髄の成長にどう影響するのか調べていた。

 ところがある時、彼の教え子が妙なものを見つけたと報告してきた。

 そのマウスの胎児の本来なら生殖器があるところから、あるはずのない2本の後ろ足らしきものが生えていたのだ。

この画像を大きなサイズで見る
通常のマウスの胎児(左)と、遺伝子操作で6本の足が生えてきた胎児(右)。そのお腹からは内臓も突き出ている/Credit: Anastasiia Lozovska et al/Nat. Comms

受容体タンパク質がDNAの折りたたみ方に関わっていた

 驚くべきことだが、まったくあり得ないことではないという。

 というのも、ほとんどの四肢動物(足を4本もつ動物)は、外性器(生殖器の外部にあらわれている部分)と後ろ足は、まったく同じ原始構造から発達することが以前から知られていたからだ。

 この不思議なマウスの”6本足現象”を詳しく調べてみたところ、その原始構造の細胞内で受容体タンパク質「Tgfbr1」がDNAの折りたたみを変化させることで、生殖器と手足どちらを生やすのか決めていることがわかった。

 だからTgfbr1の機能を止めてしまうと、ほかの遺伝子の働きが変わり、それによって生殖器のかわりに余計な足が生えてくるのだ。

この画像を大きなサイズで見る
6本足マウスの骨格を3Dで再現したもの。水色が通常の手足、ピンクが生殖器のかわりに生えてきた手足 / image credit:nastasiia Lozovska et al/Nat. Comms

 研究チームは今、Tgfbr1や類似の受容体タンパク質が、転移性のがんや免疫といったまた別のシステムのDNA構造にどう影響するのか確かめたいと考えている。

 また、手足のかわりに生えてくるヘビの半陰茎(二股に分かれた生殖器)の発生にも、同様のメカニズムが関係しているのか知りたいそうだ。

 この興味深い研究は『Nature Communications』(2024年3月20日付)で報告された。

References:Tgfbr1 controls developmental plasticity between the hindlimb and external genitalia by remodeling their regulatory landscape | Nature Communications / Scientists made a six-legged mouse embryo — here’s why / written by hiroching / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. これはつまり
    ♂マウスのおいなりさんが足になりすましたと!?

    • +4
  2. 逆に生殖器を2つに増やすこともできるのだろうか?

    • +3
  3. 逆の操作したらダブル息子スティックにもなるのかしら

    • +5
  4. 生物はスイッチで成り立ってて
    そのスイッチを操作できるレベルに来た人類は神の領域に足を踏み入れてる
    病気にならない人間を作れるようになるかもね

    • +2
  5. 手足が性器ってイカかよ…と思ったら成長の過程でどっちになるか決まるのか
    物語の魔物みたいに下半身が脚じゃなくて変な触手みたいなもの生えてる人間もいたのかも知れないな

    • +11
  6. >3
    サメ類は2本ある種が多いよ
    もともと尻ビレだからね
    そして
    胸鰭=前脚
    腹鰭=後ろ足

    • +5
  7. どうせなら足より手が多い方がいいなあ。

    • +3
    1. >>11
      上司「他人より手が多いんだから、この仕事も任せたぞ」
      部下「えっ?」(´・ω・`)

      • +3
      1. >>20
        猫の手も増やしたほうがよさそうだ。

        • +4
    2. >>11
      二足歩行の人間の腕が4本 6本になると
      上半身重くなって腰痛持ちになるよ…

      • +1
  8. 自然を壊して住処を追いやるだけじゃなく、生体も変えるのかよ
    動物にとっては悪魔だな

    • +3
    1. >>12
      まあ品種改良とかは古代からやってるから今さら感はある。

      • +1
    2. >>12
      ミギーじゃないか。元気にしてた?

      • +2
  9. 俺のも3本目の脚みたいと嬢によく言われるんだが、これが原因か。

    • -6
  10. ニワトリの羽を足に変化させ四足歩行にすれば
    フライドチキンの都市伝説の再現ができるね。

    しかし髪の毛をはやす程度の事が出来ない人間に
    こんな実験をやる資格があるのだろうかっ!

    • +2
    1. >>15
      鶏には外性器がほとんどないから、まず立派な外性器を持つ鶏を作るところからだな

      • +1
    2. >>15
      そうなんだよ、なんでマウスに髪の毛生やさないの。医療に応用しないの
      iPSヘアーないの?

      • +4
  11. よく3本足とか言うけどホントに足にすんな

    • +3
  12. 繁殖できないんだったら、生き物としては失敗作じゃ、、、少子高齢化が進行している時点で我々人類も同じか、、、

    • +1
  13. 6本目の足も驚きだけど内臓が飛び出てるのが失敗作みがすごい

    • +5
  14. そういや本来アレって骨があるんだった
    人間のだけ骨がないけど

    • +2
  15. かわいそう。。普通に生まれてきたかっただろうに。。

    • +3
  16. 意図してやったらドン引きだが、意図しない実験の結果だったか

    • +1

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。