メインコンテンツにスキップ

カモノハシの毒をくらうとどうなるのか?「出産をはるかに超えるレベル」と語る女性

記事の本文にスキップ

30件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 哺乳類でありながら卵を産むカモノハシは、かつてはその存在が否定されたほどの摩訶不思議な生き物だが、触るな危険な動物でもある。オスの後ろ脚には長さ15mmほどの蹴爪(けづめ)が生えていてここから毒を出すのだ。

 オーストラリアの女性は道路にうずくまっているカモノハシを発見し、助けようと手を出したところ、大変な思いをした。

 この個体はオスだったのだ。女性によるとその痛みは「出産をはるかに超えるレベル」だったという。出産の痛みがわからない?数十年前にカモノハシの毒にやられた男性は「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現している。

カモノハシを助けようとしたところ毒にやられてしまう

 この不運な女性、ジェニー・フォワードさんは、カモノハシの毒の痛みを「出産の痛みよりもひどい」と表現し、頭が爆発しそうだったと語り、1週間たってもまだ痛いという。

 3月上旬、フォワードさんがオーストラリア、タスマニア島キングストンの町近くを車を運転していたときのことだった。

 道の側溝に一匹のカモノハシがいるのを見つけ、フォワードさんは車を停めた。車に轢かれたのではないかと心配になり助けようとしたのだ。

 だがカモノハシのほうは、彼女の厚意がわからなかったようだ。この小さな哺乳類を抱き上げたとき、フォワードさんは手に激しい痛みを感じた。

このユニークで小さな生き物をを抱き上げたとき、体をねじって両足についている蹴爪(けづめ)を私の右手の脇に突き刺したのです。蹴爪が刺さったままになり、カモノハシを振り離すこともできませんでした

まるでナイフで手を突き刺されたかのようでした。痛みは耐えがたく、明らかに出産のときよりも苦しかったわ(フォワードさん

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

不思議な生態を持つカモノハシ

 多くの離島がそうであるように、オーストラリアにも、ほかにはいないユニークな野生動物が生息している。

 比較的長い間ほかの地域から隔絶していたため、ありえないような独特な方法で進化をとげて生き抜いてきたのだ。

 カモノハシはこうしたユニークな生き物の代表例で、タスマニアを含むオーストラリア東部に生息する半水生哺乳類だ。

 アヒルのようなくちばし、ビーバーのような尾、カワウソのような足をもち、なんとも不思議な姿をしている。

 カモノハシの毛皮や絵が英国に送られたとき、ヨーロッパの科学者たちは最初、こんな生き物がいるなんてありえない、捏造されたフェイクだと思ったという。

この画像を大きなサイズで見る
photo by iStock

 4種いるハリモグラとともに、カモノハシも哺乳類なのに卵を産む単孔類で、現存するわずか5種のうちのひとつだ。

 ほかの単孔類と同様に、カモノハシも電気定位を使って、濁った水中を移動し、虫、淡水エビなどの獲物を捕らえる。

カモノハシの毒にやられた人の治療が難しい理由

 カモノハシは毒で敵を攻撃できる数少ない哺乳類といわれるが、実際に毒を持つのはオスだけだ。カモノハシはオスメス共に後ろ脚に蹴爪があり、オスはその爪から毒が出せる。

 身の危険を感じた時や驚いた時、オスは蹴爪を使って毒を出す。

 この毒は強力で、 犬や小型の哺乳類を絶命させる殺傷力がある。

 カモノハシの毒で人間が死亡することはまずないが、激痛がなかなか収まらず1週間も続くことがある。

 だがカモノハシの毒については詳しく研究されていないため、この毒にやられた人の治療は極めて難しいという。

 1992年の症例報告では、オーストラリアに住む57歳の男性が、北クイーンズランドで釣りをしていたときにカモノハシの毒にやられ、たちまち破壊的な痛みに襲われてそれがかなり長引いたという。

 元退役軍人だというこの被害者は、その痛みを「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現した。

 男性は車で100キロいったところにある病院に運ばれ、モルヒネを投与されたが、ほとんど効かなかったという。

 男性の手の腫れと痛みはその後数日間続いたが、そのうち痛みは耐えられるレベルにまで落ち着き、6日目に退院した。しかし、2週間以上たっても、痛みは残っていたとのことだ。

 タスマニアのフォワードさんの場合、まだ痛みはあるものの、少し気分が楽になりつつあるという。

 こんなに大変な思いをしたにいもかかわらず、フォワードさんは野生動物を助けるという情熱を失ってはいない。

 彼女はこのカモノハシ事件をきっかけに、カモノハシの保護を手伝うようになったという。カモノハシは、希少な生き物で絶滅の危機にあるのだ。

「私はキングボロ評議会がカモノハシを守るためになにをしているのかを調べて、殺された彼らの遺骸が水路にひとつもなくなるようにするささやかなグループをたちあげるつもりです」フォワードさんは語った。

References:Woman Stung By Platypus Venom Says Pain Was “Worse Than Childbirth” | IFLScience / written by konohazuku / edited by / parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 30件

コメントを書く

  1. >出産の痛みがわからない?数十年前にカモノハシの毒にやられた男性は「戦闘で散弾銃をくらうより遥かにひどい」と表現している

    多分だけど、散弾銃で撃たれる痛みの方が
    分からない人が多いと思う・・・

    • +26
    1. >>1
      身体の数箇所ないし十数か所に高速で鉛球をねじ込まれる。同時に。
      肉は抉れるし、骨は折れるし、神経は切れるし、臓器は衝突の衝撃で瞬間的に大きく変形する。大量の血液が失われて血圧が下がって、迷走神経だか自律神経だかもまともじゃなくなって、呼吸や知覚が制御不能になる。

      こんな感じかしらね。知らんけど。

      それよりひどいとしたら、要するに文字通り指一本も動かせないくらいヤバいってことなんだろうかね。銃弾の衝撃は一過性だけど、毒物の影響は持続するからね。
      どうだろうかね。
      カモノハシやばいね。

      • +3
    2. >>1
      では10メガハナゲくらいというのはいかがでしょうか

      • 評価
    3. >>1
      近い感覚を味わいたいなら釘打ち機の連続打ち込みモードで自分の手のひらを打ち抜いてみるといいよ。痛すぎて全身が硬直、悲鳴すら出せない状態になる。

      • -1
      1. >>21
        やったことあるけど、意外とそんなに痛くないよ
        ぐううう!って声が出るくらいかな

        • +5
  2. どうでもいいけど、出産に痛みが伴うのってどう考えても生物として欠陥だよね
    なんで出産が気持ちよくなるように進化しなかったんだろうか

    • +10
    1. >>2
      マジレスすると人間が四足動物から2本足になった時に
      本来なら寝て出産するものが立つことで骨盤も変わらず
      激痛になったようだ

      更に付け足すと今の出産はまだ痛みは少ない
      現在の方法を生み出したフランスの産婦がいない
      時代は穴あきの椅子にくくり付け、妊婦のお腹を
      こん棒で殴りつけて、無理やり出すという集団
      暴力に似た方法だったので出産率1%以下で母体も
      あぼーんという摩訶不思議な方法だった

      • +5
      1. >>5
        その方法なら妊婦以外は黙って見てた方がまだ安全だったのでは?って気がする

        • +6
    2. >>2
      母体が楽に産める●サイズの仔で繁栄率を確保するにはかなりの量がいるから(犬猫って10匹とか孕むよね)人類はあんなやわやわでも1体当たりの生存率の高いでかい赤子にしたと思われるのです…人類は感情方面に発達しすぎたから、一腹の半分は自立前に死ぬみたいなの厭うんじゃないかな。それこそひりだす苦痛よりも耐え難く。

      • 評価
      1. >>7
        進化の結果感情が発生したのはわかるけど、感情が進化になんかしらの影響を与えるとは思えないけど

        • 評価
    3. >>2
      人生に於いて快楽と痛みって相対的な一面があるんだよね 頻繁に快楽があるとたいして快楽と感じなくなり苦痛の反動でより快楽を求めるようになる 出産時ではなく事前行為に人生の快楽にピークを持ってくることは生物学的にも合理的と言える

      • +2
    4. >>2
      鶏卵みたいな結果論だけど助け合いや役割分化によって本来なら産めない弱い個体でも産めるようになった結果繁栄してきたんだろうね
      まあ今色々男女論とかあるけど産む女性の痛みには全面的に同情するわ。早く人工子宮実用化されるといいっすね

      • 評価
      1. >>22
        人工子宮とかそれ実装されたら自力で産めなくなって人類弱体化まっしぐらじゃん

        • -1
    5. >>2
      人間の場合は産婦が苦しがって大声を上げることで
      群れの仲間に守って貰う、という効果があるらしい。

      大声を出すと敵に見つかりやすくなるという欠点はあるけど
      それを差し引いても仲間に助けて貰う利点は大きかったんだろう。

      • 評価
    6. >>2
      痛くっても死ぬわけじゃないから、淘汰圧がそれほど働かなかったのでは

      生物としての欠陥というけれど、個体の快不快には生物の「種」ってわりと無頓着
      快不快どころか、個体が死ぬことにすら無頓着だったりするわけだし

      • 評価
  3. 実は過去、上野動物園にカモノハシが来るビッグチャンスが一度だけあった。しかしその時の青島都知事が必要性を認めなかったため、残念ながら実現しなかった。

    • +5
  4. トイレに入ったら個室からうめき声が!
    産気ついたひとかも!と思い聞き耳立てたが
    しぱらくして紙を使う音が聞こえたので
    違うと判断し外に。ちな、男子トイレでの事。

    • +4
    1. >>4
      まぁ男性でも出産する可能性は0ではないし、周りが注意してあげるのはいいことだよね

      • +2
  5. 惚けた顔しやがってやるじゃね~か、見直したぞカモノハシ!

    • -2
  6. ナイフで刺された事ならある。皮膚とか突き抜けて骨にゴリゴリッと当たったのを感じたけど、刺さった瞬間はそんなでもなかった思い出
    個人的には釘が足裏にぶっ刺さった時が一番痛かったw刺さった瞬間に痛みが脳天突き抜けたわ
    不安定な足場でよろめいて、足出したらそこに釘が飛び出してて踏み抜いた

    • +10
    1. >>8
      なかなかの修羅場をくぐっているじゃなーかw

      • +9
    2. >>8
      興奮してるときはそんなに痛くないんだよね
      俺も喧嘩したあとの拳を見たら中指がイケナイ方向に曲がってたことならある
      指が折れてるのは見るまで気づかなかった

      • +6
  7. 最後の文は、水路の掃除をする団体を立ち上げるつもり ってことでいいんかな?

    • 評価
  8. これをきっかけにカモノハシ保護を始めたってのがすごい

    熊に襲われたときとかも、「熊が悪いんじゃない。自分がテリトリーに入ったんだから仕方ない」とか言う人いるけど、なんかカッコ良くて好き

    • +7
  9. メスでいう乳腺がオスの場合毒腺に発達するのと、
    哺乳類で唯一毒を持つ種族だ、というのを小学生の時動物図鑑で知ったなあ

    • +4
    1. >>26
      その存在が最初に欧米で発表された時は、会場が爆笑の渦に包まれたらしい
      卵で増えるのに哺乳類でぇ鳥みたいなクチバシ持っててぇさらにはクチバシと爪に毒がある!
      標本もあったけど、「出来の悪い作り物」って評価だったような
      そんなんいるわけねーじゃんwって感じだったんだって

      • +4
  10. カモノハシを見るとゲゲボという単語が不意に脳裏に蘇る

    • 評価
    1. >>27
      貴様ローディストだな!
      ローディストに違いない。

      • 評価
  11. 毒があると知らなかったからこの記事読んでびっくりした
    出逢うことは多分一生ないだろうけど覚えておこう

    • +2

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

動物・鳥類

動物・鳥類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。