TikTokで自分に生き別れの双子がいることを知った姉妹
画像はイメージです
 良くも悪くもさまざまな動画や画像がシェアされているSNSは、ときに人生を変えるほどの奇跡を起こすこともある。

 生まれたときに別々の家族に養子に出されたジョージアの一卵性の双子が、TikTokとテレビのバラエティ番組のおかげで再会したのだ。

 最初は自分のそっくりさんだと思っていただけだったが、実は血のつながった一卵性姉妹であることが判明。しかし、その背景には悲しい過去があったようだ。
How twins separated at birth and sold for adoption were reunited by TikTok

自分と瓜二つの顔を互いに見つけた一卵性の姉妹

 2014年のある夜、当時12歳だったエイミー・クヴィティアさんは、自宅でテレビの中に自分とそっくりの顔をした少女が踊っているのを見て唖然とした。

 バラエティ番組『ジョージアズ・ゴット・タレント』の審査員の前で、その少女は少年と一緒にジャイブを踊っていた。
あのとき、テレビを見ていた知り合いがみんな母に電話してきて、「どうしてエイミーが別の名前でテレビに出て踊っているの!?」って聞いてきたの。

でも母は「単なる偶然よ。他人の空似。誰にでもドッペルゲンガーはいるのよ」って言ってただけだった。(エイミーさん)
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image credit: youtube
 それから7年後の2021年、エイミーさんの自宅から約320km離れたトビリシに住む当時19歳だったアノ・サルタニアさんは、友人からある1本のTikTok動画を送られてきたとき「私に似て、かっこいいじゃない」と思った。

 その動画は、エイミーさんが青い髪に眉毛のピアスをあけているものだった。

 アノさんは好奇心で、自分そっくりの女性のコンテンツ作成者を探し出そうと思いついた。

 だが、ネット上ではその女性の連絡先を見つけることができず、アノさんは大学のWhatsApp(日本でいうLINE)グループにTikTokのビデオを共有し、情報提供を呼びかけた。

 驚いたことに、グループチャットにエイミーさんと面識のある人がいて、すぐにFacebookで2人を結びつけた。

 エイミーさんは、アノさんが数年前にテレビに出ていた女の子だとすぐにわかり、「ずっとあなたのことを探していたの」とメッセージを送った。

 すると、アノさんから「わたしもよ」と返信がきたという。

 2021年、初対面を果たした2人は「自分たちは親戚に違いない」と確信した。
まったく同じ顔で同じ声。私は彼女で、彼女は私だったの。(エイミーさん)
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互いの過去を辿って発覚した事実

 互いについて似たような詳細を発見した後、2人は家族と向き合い、何が起こっているのか尋ねることにした。

 すると、2人は2002年にキルツヒ産院で生まれた後、数週間違いで別々に養子に出されたことを知った。

 さらに2人の歴史を深く調べた結果、出生証明書に書かれた内容が間違っていたこともわかった。

 出生証明書によれば、誕生日は2、3週間離れていた。姉妹であるはずもなく、ましてや双子であるはずもない。しかし共通点が多すぎた。

 同じ音楽が好きで、ダンスが好きで、髪型まで同じだった。しかも2人は同じ遺伝病、異形成と呼ばれる骨疾患を持っていることがわかった。

 2人は、まるで一緒に謎を解いているような気分になった。
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自分たちが生きてきた人生は嘘から始まった

 その後、2人はそれぞれ家族から衝撃的な事実を聞いて「自分の人生はすべて嘘だった」と感じた。

 子供ができなかったエイミーさんの母親によると、友人から地元の病院に望まれない赤ちゃんがいると聞いたという。

 医者への支払いは必要だが、家に連れて帰って自分の子として育てることができると言われたそうだ。

 アノさんの母親も、同じ話をアノさんに伝えた。

 養子縁組をした家族はどちらも娘たちが双子であることを知らず、養子縁組のために大金を支払ったにもかかわらず、それが違法であることを知らなかったという。

 当時、南コーカサスにある共和制国家ジョージアは混乱期を迎えていて、今は取り壊されたその病院のスタッフが関与していたため、合法的な養子縁組だと思っていたというのだ。

 両家とも、金銭の授受がどれほどのものであったか、また出生証明書の詳細が異なる理由を明らかにしなかったようだ。
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image credit: youtube

実母に会いに姉妹はドイツへ

 2人は、病院で生まれた後に実の母親に売られていた可能性があると疑い、ジョージアからドイツまで旅をして生みの母親アザと再会することにした。

 実母に会って確かめたいというエイミーさんに、アノさんは最初乗り気ではなかった。
なぜ私たちを裏切ったかもしれない人に会いたいの? 私たちを利益目的で売ったかの知れないのに。会ったって本当のことはきっと言わないわ。
 それでも、エイミーさんはFacebookで出生時に不法養子とされた疑いのある子供とジョージアの家族を再会させるためのグループを見つけ、自分たちの話をした。

 双子が利用していたこのグループには、病院のスタッフに赤ちゃんが死んだと告げられたが後になって死亡が記録されておらず、子供がまだ生きている可能性があることを知ったという母親たちの投稿が無数にあった。

 また、エイミーさんやアノさんのように、生みの親を探している子どもたちの投稿もあった。

 すると、ドイツに住む若い女性から返信があり、彼女の母親は2002年にキルツヒ産院で双子の女の子を出産し、2人は死んだと聞かされていたにもかかわらず、今になって疑念を抱いているという話を聞いた。

 最終的にDNA検査の結果、Facebookのグループにいた少女は双子の姉妹で、ドイツにいる生みの母親アザと一緒に暮らしていることがわかった。

 ドイツにあるホテルで、エイミーさんとアノさんは、実母に再会した。

 アザは2人を見るとすぐに片方ずつを強く抱きしめた。エイミーさんの顔には涙が流れたが、アノさんは表情を変えることはなかった。

 その後、母親は当時のことを話した。アザは、出産後に体調を崩し昏睡状態に陥ったという。

 目を覚ましたとき、病院のスタッフから「赤ちゃんは生まれた直後に亡くなった」と告げられたそうだ。
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pixabay

ジョージアの「赤ちゃんの闇市場」の背景

 残念ながら、ジョージアでは「赤ちゃん闇市場」の犠牲者が他にも多数存在している。

 生まれて間もない赤ちゃんが盗まれるという事件は、つい最近まで起こっていたそうだ。

 エイミーさんとアノさんもその被害に遭った2人で、生まれた直後に母親から引き離され別々の家庭に引き取られたが、SNSのおかげで偶然互いの存在を発見し、出会うことができた。

 2人の場合は、不幸の中にも幸運があったといえるだろう。
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image credit: youtube
 ジャーナリストのタムナ・ムセリゼさんは、2021年に自分が養子に出されていたことを知った1人だ。

 自身の出生証明書の誤った詳細を発見して以来、タムナさんは何百もの家族を再会させるために精力的に活動してきた。

 Facebookグループ「ヴェドゼブ」は、ジョージア語で「探しています」という意味で、タムナさんによって立ち上げられた。

 エイミーさんとアノさんを含め、何百もの家族の再会を手助けしてきたタムナさんだが、自分の家族の行方はまだ突き止めていない。

 1950年代初頭から2005年までジョージア全土で続いていた養子縁組の闇市場は、組織的な犯罪者によって運営され、タクシー運転手から政府の上層部まで、社会のあらゆる地位にいる人々が関与していたとタムナさんは考えている。

 汚職にまみれた役人たちは、違法な養子縁組に必要な書類を偽造していたのだ。

 ジョージアの養子縁組の疑惑について、タムナさんはこのように語っている。
わかっているだけでも、盗まれた赤ちゃんの数は10万人で、その規模は想像を絶するものです。組織的な犯罪だったのでしょう。
 タムナさんによれば、多くの親が死んだ赤ちゃんの遺体を見たいと言ったところ、すでに病院の敷地内に埋められたと言われたという。

 だが、ジョージアの病院には墓地など存在しなかった。ある親は、霊安室で冷凍保存されていた赤ちゃんを見せられたこともあったようだ。
子供を買うには1年分の給料が必要です。

私は、人身売買によってアメリカ、カナダ、キプロス、ロシア、ウクライナの外国人家族のもとに行き着く子どもたちがいることを知りました。(タムナさん)
 2002年、ジョージア政府はこの児童人身売買の時期について調査を開始し、2005年には養子縁組に関する法律を改正した。

 その1年後、政府は人身売買防止法を強化し、違法な養子縁組をより困難にした。

 BBC(英国放送協会)はジョージア内務省にこれらの事件に関する詳細な情報を求めたが、データ保護のため具体的な詳細は公表しないと言われたそうだ。
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pixabay

現在も人身売買の被害者たちを救う取り組みが続く

 タムナさんは現在、人権弁護士と協力してジョージアの裁判所に被害者グループのケースを提訴している。

 彼らは、ジョージアの法律では現在不可能な、自分の出生文書にアクセスする権利を求めている。

 この権利が認められれば、亡霊に悩まされる人が少なくなるかもしれない。

 「私の人生には何か、あるいは誰かが欠けているようにいつも感じていました」とアノさんは言う。
黒い服を着た小さな女の子が私の後をついてきて、その日のことを聞いてくる夢をよく見たものです。

エイミーを見つけたとき、私がずっと抱き続けてきたその気持ちが消えました。
 エイミーさんとアノさんとの出会いは、互いの人生に新たな意味を与えた。

 今は、それほど頻繁ではないが、連絡を取り合っているということだ。

References:Georgia's stolen children: Twins sold at birth reunited by TikTok video/ written by Scarlet / edited by parumo
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コメント

1

1.

  • 2024年02月11日 19:20
  • ID:B2.af3r.0 #
2

2. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 19:47
  • ID:Blp3hZQY0 #

赤ん坊盗んでまで養子縁組ビジネスで
儲けようとするのは許せん

3

3. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 20:22
  • ID:n11Zw1.Z0 #

かるい気持ちでクリックしたけど、こんな背景とジョージアの歴史があったのか

4

4. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 21:17
  • ID:yoZHzQIl0 #

> 目を覚ましたとき、病院のスタッフから「赤ちゃんは生まれた直後に亡くなった」と告げられたそうだ。

この母親の言葉は全く信じられない

遺体はどうした?
へその緒はどうした?
母親なら当然確認するだろ

5

5. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 22:09
  • ID:CMnqhQ4c0 #

アノさんの方は結局実母に対してポジティブな感情を抱けないまま終わったんだな

6

6. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 22:56
  • ID:ckNEw5e10 #

>>4
すでに埋葬って言われたんやろ?
食い下がると霊安室の冷凍遺体が出される
書いてあるやん

7

7. 匿名処理班

  • 2024年02月11日 23:57
  • ID:q2Aht71b0 #

>>3
駐日大使のイメージしかない国だけど、やっぱロシア系の闇の深い国だったんやな。
大使も幼いころご両親と危険から逃れるために日本にコネを使ってきてたみたいだけど

8

8. 匿名処理班

  • 2024年02月12日 00:15
  • ID:iuwj96ZJ0 #

>>4
ヘソの緒は日本独特の習慣かもしれんし
ヘソの緒は赤ん坊のお腹にしばらくくっついてて
何日かしたらぽろりと
かさぶたのように落ちるもんらしいから
生まれてすぐに赤ん坊と引き離されたお母さんが
確保出来るってワケでは無さそうよ

9

9. 匿名処理班

  • 2024年02月12日 07:31
  • ID:dyqaIVsQ0 #

キレイな人やね

10

10. 匿名処理班

  • 2024年02月12日 08:28
  • ID:m0gci0qT0 #

>>4
今でこそ疑問があればネットで共有してすぐおかしいってなるけど、
2002年の出来事でしょう。
スマホの登場も2007年だし、
それ以前のジョージアにどれぐらい携帯が普及してたのかもわからないし。
現代の感覚で過去の出来事を責めるのはどうかと思う。

11

11. 匿名処理班

  • 2024年02月13日 02:31
  • ID:k9Z8Z1gE0 #

>>6
「冷凍遺体が、あらかじめ用意された別物」まで想像できたら、その人は探偵になれると思うわ。

子供産んだだけで、誰が映画や小説ばりに奇な出来事に巻き込まれると想像できるだろうか。

12

12. 匿名処理班

  • 2024年02月14日 16:38
  • ID:HeGv1Qhp0 #

会えて良かったのう
最近はすぐ涙が出るわ

13

13. 匿名処理班

  • 2024年02月15日 12:02
  • ID:TkuhgfpJ0 #

>>5
「育ててくれた(もしくは今一緒に暮らしてる)今の家族こそが私の家族」と考えるタイプだったからかな?それはそれで理解できる
記事を読む限り、会った時に感動の涙がなかっただけで、生みの親を罵倒とか批難とかしたわけじゃなさそうだし、いいじゃないか

14

14. 匿名処理班

  • 2024年02月15日 12:16
  • ID:rI.JimVy0 #

育ての親たち、本当に合法と思ってたのかな…後ろめたいから他人の空似ってごまかしたのでは

15

15. 匿名処理班

  • 2024年02月19日 06:38
  • ID:8I4Fzchb0 #

>>14
普通に養子ってことを隠したかったのでは?12歳には言えないかも。

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