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ネズミも過去の出来事を覚えている。古い記憶を使って問題を解決していることを初めて証明

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(著) (編集)

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 人間以外の動物にも、自分が経験した出来事に関する記憶(エピソード記憶)があり、それを思い出して目の前の問題を解決できることが確認されたそうだ。

 私たち人間は、それほど重要には思えないささいな出来事でもきちんと覚えており、必要に応じてそれにアクセスしている。

 それと同じことが、ネズミ(ラット)のような人間以外の動物にもできることが確認されたのは史上初めてのことだ。

 米インディアナ大学のチームによるこの研究は、ラットには素晴らしい記憶があるという以上の意味がある。

 というのも、アルツハイマー病など、人間の記憶に関する病気を治すヒントにもなると考えられるからだ。

人間は日常で経験した過去の出来事を覚えている

 エピソード記憶とは、自分が経験した出来事や体験についての記憶のことだ。

 たとえば昨年の誕生日パーティーや、先日学校や職場で起きた出来事のこと、さらには家に帰ってきてスマホをどこにおいたかなんて何気ない記憶も、どれもエピソード記憶だ。

 私のようなポンコツの場合、すぐに忘れてしまうし黒歴史は脳から抹消することも可能なので、全ての人間が完璧にエピソード記憶を覚えているというわけではなさそうだが、それでも多くの人は、ささいな出来事であってもきちんと覚えている。

 たとえばテスト勉強ならば、教科書の内容が重要だとわかっているので、一生懸命覚えようとする。覚えられるかどうかは別として。

 一般的に、人間のエピソード記憶は、その時はそれほど重要に思えない出来事であっても記憶されているという。

 そしてずっと後になって、たまたまそれが重要になる場面になると、それを思い出して問題解決のために役立ていることもわかっている。

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photo by Unsplash

人間以外の動物も過去の記憶を使って問題解決しているのか?

 では人間以外の動物もまた、そのようなささいな出来事を記憶しているのだろうか? 今回、インディアナ大学のカサンドラ・シェリダン氏らはラットを使って実験を行った。

 その実験はちょっと”スパイシー”なやつだ。

 まず、9匹のラットにシナモンやパプリカなど、一般的な香辛料のニオイを一つずつ嗅がせる。それから2種類のニオイを嗅がせて、最後から3番目のニオイを当てさせる。

 ラットがエピソード記憶を思い出し、予期せぬ問題にそれを役立てる能力を調べるため、今度は彼らを放射状の迷路に入れる。

 そこにはスパイスの香りつきの蓋で閉じられたエサ入りの容器が置かれている。

 この迷路の探索後、ラットにまたも最後から3番目の香りを当てさせる。これを正解するには、ラットは以前嗅いだ香りの記憶を思い出さなければならない。

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ラットが記憶を頼りに移動しなければならなかったスパイスの入った迷路 / image credit: Mike Jackson

正解率は100% すべてのラットが記憶を利用して問題解決していた

 すると驚いたことに、このチャレンジにすべてのラットが正解。その正解率はなんと100%だったのだ。

 これはラットには重要とは思えない出来事のエピソード記憶があり、後になってからそれを思い出して問題解決に使えることを裏付けているとのこと。

 この実験について、ジョナサン・クリスタル教授はプレスリリースで次のように語っている。

私たちが試したかったのは、人間なら日常的に行なっているのに、それ以外の動物では確認されていなかったことです。

私たちは、発生時には些細なことに思えても、その情報を記憶しています。そして、偶然にもその情報が必要になると、そうした一連の出来事を思い出して、目の前の問題を解決するために便利そうな情報を探します

人間のアルツハイマー病治療のヒントに

 なお今回の発見は、ラットに素晴らしい記憶力がある裏付けとなるだけでなく、人間の記憶の病気を治すヒントになる可能性もあるという。

 現時点で、人間のアルツハイマー病(認知症)を完全に治してくれる薬は存在しない。クリスタル教授は、その壁を突破するためには、もっとエピソード記憶に着目するべきなのだと考えている。

一般的な記憶だけでなく、エピソード記憶をターゲットにした薬が有効であれば、社会に大きな変化をもたらすことになるでしょう

 「先日孫が訪ねてきて、最近あったおかしな話をしてくれた」そうしたことを覚えていられるとうのは、人々の人生にとってとても大切なことなのだ。

 この研究は『Current Biology』(2024年1月12日付)に掲載された。

References:Neuroscientists find that animals replay incidentally encoded episodic memories: IU News / First Ever Proof Of Non-Human Animals Using Old Memories To Solve Problems | IFLScience / written by hiroching / edited by / parumo

本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。

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この記事へのコメント 8件

コメントを書く

  1. 存続してる種なら経験から危険を学ぶくらいの能力は有ると思う
    環境で幾らでも危地は変わるのに本能だけじゃ捌き切れないよ

    1. >>4
      好き勝手に口先だけで予測を立てることと、それを正しく証明することの差は、天保山登山とエベレスト登山程度の差がある

  2. >古い記憶を使って問題を解決していることを初めて証明

    そんな訳がない

    ハムスターは飼われていた
    つまり数百年前からハムスターは記憶を使って餌をもらっていたことが分かっているのに

    1. >>7
      証明だからね
      今まで一般的にそうだろうと言われていたことを確実なものにしただけや

    2. >>7や>>8は気づいていたのに「証明」できないなんて惜しいことしたね
      ちゃんと証明できるように実験すれば学者として名を残せたのに

  3. そりゃそうでしょ。

    でなきゃネズミ捕り回避するやつとかなんでソレを知ってんだよって話になるよね。

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