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円グラフを使用しないほうが良い理由を統計学者が説明

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(著)

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 巷には様々なデータがあふれており、それらがグラフで示されているのをよく見かける。円を切り分けた図でさまざまな項目の割合を示す「円グラフ」は、ぱっと見てわかりやすく感じるため一般の人は良く使用するが、ある統計学者は「使うのをやめた方がいい」と提案している。

 統計学者であるエイドリアン・バーネット教授(クイーンズランド工科大学)とヴィクター・オグオマ博士(クイーンズランド大学)によれば、実際には円グラフは誤解を招きやすいのだという。

 だから数字が苦手な人が数字を避けるように、数字に強い人は円グラフを避けるのだそうだ。

 円グラフが誤解を招きやすい理由を、彼らは説明している。

円グラフが誤解を招く理由

 私たちの周りには様々なデータがあふれている。スマホやオンライン調査などが日常的にデータを収集しており、こういったデータは、睡眠の質や購買傾向など、さまざまな面での私たちの生活を分析している。

 しかし、データの解釈には数学的スキルが必要であり、これが多くの人には欠けているという。たとえば、オーストラリアの高校生における数学の学習割合は、長年にわたって減少傾向にあるそうだ。

 特に円グラフは一見わかりやすそうに見えるが、実は誤解をまねくことがあるという。

円グラフは項目数が増えるほどわかりにくくなる

 円グラフは、各項目のパーセンテージを表す円形の図だ。円はお菓子のパイのように切り分けられることから、英語ではパイチャートと呼ばれ、その大きさによって各項目の割合を示してくれる。

 項目が少なければ確かにわかりやすい。だがそれ以上になると途端に読みにくくなるのだ。

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オーストラリアで行われた支持政党に関する世論調査を円グラフにしたもの/Victor Oguoma

 下記の3つの円グラフがその典型的な例だ。項目は5つあるが、どれが一番大きいのかパッと判断できるだろうか?

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5つの項目のうち一番大きいものがわかるだろうか?/Schutz/Wikimedia Commons, CC BY

 項目が増えるとわかりにくくなる理由は、円グラフが円形であるため、各項目を比べるための共通の基準がないことだ。

 項目が多くなると、もはや何が何だかわからなくなる。

 以下のものは新型コロナに関連するデータを円グラフにまとめたものだが、左半分はただの模様にしか見えない。こうなると、そこから何かを読み取れというのは、誰にとっても難しい作業だ。

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左半分の項目については、項目の説明が省略されているものもあり、その内訳は不明瞭だ/Trajkova et al., Informatics (2020), CC BY

色覚異常の人にとっては見分けづらい

 色の認識に問題がある人にとっては、さらにハードルが上がる。なお色覚異常は、人口のおよそ4.6%がかかっているとされる一般的な症状だ。

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色覚異常の人に上記の円グラフはこう見える/Trajkova et al., Informatics (2020), CC BY

立体化するとさらにわかりづらくなる

 円グラフのトラップはまだある。試しに立体化してみよう。

 見栄えはとても良くなるがこれはひどい誤解の素だ。

 下の円グラフは本来、黄・赤・緑の部分はすべて同じ大きさだが、立体化されたものは同じには見えない。

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3Dになると見栄えはいいが、同じ割合でも違う大きさに見えてしまう/Victor Oguoma, CC BY-ND

円グラフの弱点は既に知られているのになぜ使用されているのか?

 こうした円グラフの問題点はよく知られているが、それでもさまざまなところに使われている。学術論文、世論調査、書籍、新聞、政府報告書などなど、何から何までだ。

 問題があるのは明らかなのに、それでも円グラフが使われる理由について、バーネット教授らは、みんなが使うからではないかと推測している。

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問題ありな円グラフだが、さまざまな資料に使われる。原因はみんなが使うから?/Adrian Barnett and Victor Oguoma, CC BY-ND

円グラフより棒グラフがおすすめ

 誤解させる円グラフの代わりにバーネット教授らが推奨するのが棒グラフだ。

 地味かもしれないが、小さなスペースで大きなデータをシンプルにまとめ、なおかつ色分けでクリエイティブに演出できる。

 その優れたところは、同じ基準(つまり0のところ)でまっすぐ揃えられている点だ。だから読みやすい。下の円グラフではわかりにく5項目の割合が、棒グラフだと一目瞭然だ。

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円グラフではわかりにくい割合が、棒グラフでは一目瞭然/Schutz/Wikimedia Commons, CC BY

 ただし棒グラフにも円グラフと同じで、3Dにして見栄えをよくしようという誘惑には気をつけねばならない。

 もっとクリエイティブにと変な色気を出すと、下の図のように、せっかく揃っている基準点をわかりにくくしてしまう。

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3D化は、基準をわかりにくくし、棒グラフの美点を消してしまうトラップだ/Victor Oguoma, CC BY-ND

統計学者は円グラフが使用されている資料を疑う理由

 そんなわけでプロの統計学者的には、円グラフはできるだけ避けるべきものだという。

 それでもどうしても使いたいなら、項目があまり多くなく、それぞれの割合がかなり違う場合(例えば、多数派が1つと少数派が1つといったケース)に限った方が無難だそうだ。

 なにせ統計学プロ的には、円グラフが使われているだけで、その資料が疑わしく見えてくるそうだ。

 というのも、それがあると著者が何をやっているのかわかっていないか、あえて誤解させようとしているか、どちらかに思えてくるからだ。

 ここまで読んだ聡明で良識あるあなたなら、きっとデータをシンプルかつ正確に伝えてくれる棒グラフをチョイスすることだろう。

References:Here’s why you should (almost) never use a pie chart for your data / written by parumo

本記事は、海外の記事を参考に、日本の読者向けに重要な情報を翻訳・再構成しています。

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この記事へのコメント 50件

コメントを書く

  1. 雰囲気だけ伝えたいという資料が存在する事を学者には理解できんのです

  2. 項目が多いとわかりにくいし、項目少ないならそもそも図にする必要性ないよね
    でも円グラフはドギツイ色つけて視覚に訴えかけ印象操作する力が抜群なので廃れることはないだろう

    1. >>4
      何故この人はメディアと限定したのか、その理由を考えたらさもありなん

      1. >>21
        あくまでも一例として挙げただけで、
        日本のメディア「だけ」とは言ってないのに、揚げ足を取ってるのはさもありなん

  3. 円グラフはいくらでも誤魔化しや嘘をつきやすいから仕方ないな
    某どこぞのTV番組、お前の事だよ

  4. ほぼ過半数だったり圧倒的な割合を示す場合は、従来どおり棒グラフより円グラフでいいんじゃない?

    1. >>9
      逆に多数や過半数だと思われてたものが実は20%程度しかなかった、該当しないもののほうが多数ある、とかをわかりやすくするのにも円グラフのほうが適切だな
      棒グラフだと3~5%しかない項目が多数あるなかで飛びぬけてる20%を占めるそれが最大多数派だっていう誤解を逆に招きかねない場合がある
      つまり「何を伝えたいか」で適切なグラフの形はある

  5. なんか情報番組の円グラフで、明らかにパーセンテージが少ない項目の方の面積が大きいという詐欺をやってなかった?

    1. >>10
      パースを利かせて手前に配置すれば大きく見える
      嘘ではない・・・がなw

  6. >円グラフは一見わかりやすそうに見えるが、実は誤解をまねくことがあるという。

    これが理由で、”あえて”円グラフを使用する人々もいるんだろうな。

  7. 印象操作したいテレビ局は円グラフが大好きだよね
    パーセンテージと全く異なる大きさの円グラフ表示したりするし

  8. この統計学者は円グラフの最大のメリットを理解していない

    棒グラフは対象数が多くなるとグラフの横幅が大きくなってしまうのに対し
    円グラフはサイズが一定なのよ

    一長一短あるのに円グラフは使用しないほうがいいなんてアホすぎ

    1. >>15
      あと、順位ごとに並べるのも円グラフの絶対ルールだよね
      誤魔化し目的かどうかはおいといて、順番が整ってないものは円グラフとして認めないわ

      1. >>28
        どれが1番大きいか分かるだろうかとかバカだろと思った。
        円グラフではあれば、時計回りに大きいに決まってるだろうに

    2. >>15
      思考停止で円グラフ使うなって話だろ
      またタイトルしか見てないやつか?
      マジでいい加減にしとけよお前
      自分は賢いと思い込んで増長してんだよ気付け

      1. >>37
        「問題があるのは明らかなのに、それでも円グラフが使われる理由について」
        なんて書きかたしてれば一長一短じゃなく弱点しかないかのような言いかたしてるって受け取られるのは当たり前では?
        まあ英語文法の表現って邦訳するとそんな感じの誤解受けやすい言い方しがちなんだけど

  9. まぁ使い方次第だわ
    スペースの関係で円グラフを使わざるを得ないこともあるし

    1. >>16
      表示するデータが最大でも2つの比較までという条件つきであるなら
      視認性だとかデザイン性だとかスペースの都合とかで円グラフのほうが優位なケースもあるでしょうね
      車のスピード、タコメーターなどの円型メーターもその典型例だと思います

  10. 確かに円グラフって分かりにくいな
    全体に対する項目の割合を示すなら
    100%積み上げ棒グラフの方がまだマシかなとも思う

  11. 慥かにそう言う側面もあるんだけど誤認させ易さは棒にも有るんだよな
    棒はメモリの数字をちゃんと確認しないと

    1. >>18
      基準値が10毎の刻みだったのが、急に1000刻みになってたり、開始位置がそもそもズレた数値だったり。
      まぁ、誤認させたい人はどんなグラフでも誤魔化してくるから。

  12. 円グラフは確かに分かりづらい
    何パーセントか書いとくのが前提やね

  13. 大雑把な性格だから円グラフ好き
    「ぱっと見分からない程度の割合差」=「ほぼ同じ」
    「小さな項目がごちゃごちゃ」=「その他」

  14. 上司や客に「まず資料に目を通させる」って意味で
    円や立体やカラフルみたいな見栄えは有効なんだよなあ

  15. 「上位の1位と2位で業界全体の半分以上のシェアを占める」みたいな状況を表示するなら円グラフにも意味はある
    棒グラフはその意味を表せない
    でもやっぱりこれって2位が自分を大きく見せる誤魔化しのようでもあるな

  16. マイノリティをマジョリティに見せかけたり、見せたくない項目を目立たなくするにはもってこいだ

  17. 円グラフに限らず、小細工で印象操作をされる場合があるからグラフをきちんと読み取ることが大事だよね

    棒グラフだって、ものすごく意図的な目盛りの付け方で印象操作しているのもある

  18. 円でも棒でも折れ線でも、ぱっと見の印象で判断したらアカンよね。
    いずれも一長一短があって目的に沿うものを選ぶことが望ましい。それと誤認のし易さの多寡は別の話な気がするなぁ。

  19. これは恥ずかしい

    円グラフの一長一短を知らないなんて、エイドリアン・バーネット教授(クイーンズランド工科大学)とヴィクター・オグオマ博士(クイーンズランド大学)は本当に中学校を卒業しているのだろうか?

    この記事に同調している人も同様だぞ

  20. 読み取れないカラーパターンみたいな円グラフを作ってしまうのはセンスの無さが問題な気もする

  21. 円グラフはレイアウトが固定できるから使い易いんだよ
    棒は数が増えるだけ面積必要になるか、見づらくなるかだからな
    あと、テレビのグラフ詐欺批判は数字虚偽したら円でも棒でも関係ないので論点ズレてるぞ

  22. 人類円グラフ大好き過ぎ問題への警鐘は廃れることも尽きることもないなw
    お説ごもっともあえてのいまさらを説く記事がまたひとつ分厚い地層に加わった
    これは人が生まれ来る限り必要でありつづけるムーブなんだろうなあ
    そして正しいが過ぎるがゆえにフルには受け入れられること無く流されるのだ
    それを承知で語る挑戦のなんと清浄であることか

  23. 個人的には棒グラフの方が好きだから多用するかな。
    でもうちの教授は棒グラフを嫌って円グラフに変えろと良く言われうけどな。
    まぁ円グラフも3つぐらいの項目かごまかしたいネタなら結構使うよな。(笑)

  24. 情報を正確に伝えたいならば、円グラフを使わない方がいいという話だし
    逆に言えば円グラフを使った資料は警戒しろという話でもある

    利点だとか雰囲気で誤魔化せるとか。そういう「無駄な書類」「無駄な会議」「詐欺師の手法」の話はしていないのだ!

  25. 円グラフは項目数がごく少なく(目安は4つ)、大勢を把握する場合に使える、とまだ20世紀の頃に高校で教わった。大学の統計法の講義でも言ってたような。当時は常識だったのかも。

  26. ナイチンゲールの使用した鶏のトサカグラフは値が大きいほど極端に大きく見えるため、フェアなグラフとは言えない。円って面積で見るのは難しいんだな。まあそれで死者が減ったんだから結果オーライだけど。

  27. 「問題があるのは明らかなのに、それでも円グラフが使われる理由について、バーネット教授らは、みんなが使うからではないかと推測している。」

    その通りなんだけど、身も蓋もなくて草

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