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星の内部に極小のブラックホールが存在する可能性

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 サウンドガーデンの名曲『ブラックホール・サン』を聴きながら、天体物理学者のアール・ベリンジャーは風変わりなことを考えた。

 もしも小さなブラックホールが星の中に隠れていたらどうなるだろうか?

 『The Astrophysical Journal』(2023年12月13日付)に掲載された研究は、彼によるその答えだ。

 それによると、星の表面の振動を調べることで、そこに閉じ込められているブラックホールの存在を検出できるかもしれないという。

宇宙が小さなブラックホールで満たされているという仮説を検証

 星の一生についての従来のモデルによれば、ブラックホールは大きな恒星が自らの重力で崩壊することで生まれる。

 そして出現したこの謎めいた天体は、あまりにも巨大な重力ゆえに、一度落下すれば光すら逃げ出すことはできない。

 ドイツ、マックス・プランク天体物理学研究所のアール・ベリンジャー氏らは、冒頭の疑問に答えるため、まず宇宙が小さなブラックホールで満たされているという仮説からスタートした。

 この小さなブラックホールのことを「原始ブラックホール」という(関連記事)。

 普通のブラックホールとは違い、原始ブラックホールはビッグバン直後の高密度な宇宙のゆらぎから誕生するとされる。

 あくまで仮説上のもので、実際に検出されたことはない。

 だがこれについての説によれば、宇宙はこれで満たされており、謎めいた観測不能の物質「ダークマター」の候補とされることもある、重要な概念だ。

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原始ブラックホールが星のコアに閉じ込められると安定する可能性

 そしてベリンジャー氏によるなら、原始ブラックホールが宇宙にたくさんあるおかげで、雲のような星のゆりかごに入り込み、やがて新たに誕生する星に閉じ込められる可能性があるという。

 閉じ込められた原始ブラックホールは、凄まじいほどの高密度でなければらない。小惑星の質量を水素原子の直径にまでぎゅうと詰めたような、超高密度だ。

 こうした原始ブラックホールが星のコアに閉じ込められたとする。すると意外にも、そこで安定して存在できる可能性があるのだ。

 極小サイズとはいえ、原始ブラックホールはブラックホールなのだから、周囲の物質を貪り食う。だが星に閉じ込められたそれが星を喰らい尽くすには、宇宙の寿命よりも長い時間がかかると考えられる。

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ブラックホールの力で輝く恒星「ホーキング星」

 だが、より大きな原始ブラックホールなら、数億年のうちに星を食べ尽くし、ベリンジャー氏曰く「ホーキング星(Hawking star)」になる可能性がある。それは水素原子の核融合の代わりに、ブラックホールの力で輝く恒星だ。

 こうした理論は、異常なほど低温の赤色巨星が何百個も発見されている理由を説明するヒントになるかもしれない。

 そしてこうした星々の表面の振動を調べることで、その中に潜んでいるブラックホールを検出できるかもしれないという。

 現時点では単なる仮説だ。だが将来的に宇宙理論を変えた大発見と言われるようになる可能性はある。

”ブラックホール・サン”からインスピレーションを受けてダークマターを発見するなんて、ノーベル賞史上一番マヌケな賞だよな、なんてみんなで冗談を言っていますよ(ベリンジャー氏)

References:Are tiny black holes hiding within giant stars? | Science | AAAS / There May Be Small Black Holes Inside Some Stars, Scientists Say / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 14件

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  1. 「観察」して、「仮説」をたてて「実験」して、またその結果を「観察」して・・というサイクルが科学的アプローチというやつです。
    ですから、検証することが可能なお話でなければ「仮説」とは言いがたいですね

    • -12
    1. >>2
      理論に基づいた仮説を最初に立てなければ実験手法を考えることも得られた結果を評価考察することもできないのでは?
      あらゆる研究のスタートに物理的観察を必要とするなら数学の基礎研究なんか無意味だし、そもそも「このような挙動が見られるだろう」という推察もなく観察できてしまった物事なんて重要かどうか、なんなら外れ値なのかどうかもわからないと思います。

      • +6
    2. >>2
      科学的思考を語るにしてはあまりにも視野が狭い
      検証・観測できるかどうかなんて「今」という限られた狭い世界のなかでの価値判断でしかない
      人類の科学と進歩の歴史は「今」の限界を超えて思想を手渡すところにこそある

      たとえば地動説はすでに古代ギリシャの頃から知られていたが、実証されて主流の宇宙論になるにはルネサンスを待たねばならなかった
      科学ってのはそのぐらい息の長い営為だし、「今」に限定されないもっと普遍的な視野を目指して営まれるべきもの

      記事の仮説にしても今はまだ検証する手段がないかもしれないが、
      将来技術の進歩で検証できるようになるかもしれないし、
      そうなった時に検証に乗り出すためにはどれほど前もって仮説を立てておいても損になるということはない

      • +3
  2. 質量を食らって放出するけど星の内部に隔離されてると永久に続く
    面白いかもね

    • +1
    1. >>3
      アイエエエ!?
      ブラックホール!?
      ブラックホールナンデ!?

      • 評価
  3. これ似たようなこと考えてて、シュワルツシルト半径サイズのブラックホールが星の中に存在してる可能性あると思う。今後の研究に期待。

    • +2
    1. >>4
      いやあんた…
      「これ似たようなこと考えてて」じゃなくて「シュワルツシルト半径サイズのブラックホール」が記事内容そのものじゃないか?

      • +3
    1. >>6
      わかりやすくていいよね。いまの重力理論はもうさっぱり意味が分からねぇ
      確か重力子は宇宙中にありふれて存在していて、それが引っかかっている数が多いと重さになるみたいな考えだったはず
      「エーテル理論かな?」って思ってしまったわ

      • 評価
  4. というか、極小の原始ブラックホールが現在まで生き残るためには、こういう「ホーキング放射で失った質量を常に補充できる」環境である必要があるのでは。

    • +3
  5. 夢があるって言うか、これが研究者をトリコにしているロマンというやつなんだろうな。
    私もビックバンはなかった説、実は全部夢でした、ドラえもん最終話都市伝説説、宇宙は暇をもて余した神々の遊びで、1神1つの宇宙を飼っていて、たまにみんなで見せっこしてる説はあると思ってる。そしたらパラレルワールドとか説明がついたりして面白い。

    • -2
  6. 胃袋にマイクロブラックホールが存在する猛者はいませんか?

    • 評価

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