
イネ科のモデル植物で新たに発見された「BUZZ遺伝子(バズ遺伝子)」は、土の中の特定の養分に反応して、根っこの成長をコントロールする。
その特定の養分とは「硝酸塩」だ。硝酸塩を構成する「窒素」は植物にとって欠かせない栄養だが、これを使った肥料は流れ出て環境を汚染する恐れがある。
もしもBUZZ遺伝子をもっと上手に使いこなすことができれば、いずれは今よりもっと持続可能な農業が実現するかもしれないという。
バズる遺伝子が根の成長をコントロール
『New Phytologist』(2023年7月8日付)に掲載されたこの研究は、「BUZZ遺伝子」が、土に含まれている「硝酸塩」の濃さに反応して、根っこの成長スピードや枝分かれをコントロールしていることを明らかにしている。BUZZ遺伝子は、土の中の硝酸塩・尿素・アンモニアに反応してスイッチが入る。これを利用することで、根は植物が生きるために不可欠な「窒素」(硝酸塩は窒素と酸素でできている)を探していると考えられるという。
つまりは植物の生死にかかわるとても重要な遺伝子だ。だが、その発現はそれほど目立たないもので、そのためにこれまで発見が難しかったと、ワシントン州立大学のカレン・サンギネ氏は話す。
「このような繊細な反応をするには、あまり目立たず、それでいてきちんと制御された遺伝子が必要です。それがBUZZ遺伝子の発見を難しくしていました」

持続可能な農業にとって重要な遺伝子
この遺伝子は、イネ科のモデル植物で見つかった。この発見が重要なのは、同じことが小麦・大麦・稲・トウモロコシといった作物にも当てはまるだろうからだ。世界中で食べられているイネ科の作物は、人類にとって欠かすことができない食糧源だ。

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そこでBUZZ遺伝子の性能をアップさせ、効率的に作物を生産できるようになれば、それは持続可能な農業にもつながっていく。作物の肥料には硝酸塩が使われることがあるが、これは水に溶けやすく、流れ出て河川や地下水を汚染する。すると富栄養化を引き起こし、水の中で暮らす生き物に悪影響を与える。
BUZZ遺伝子の働きを解明して、植物が窒素をもっと上手に利用できるよう仕向けてやれば、こうした環境汚染を予防できると期待されるのだ。
研究チームは今、このBUZZ遺伝子が働く仕組みをさらに追求しているところだ。
戦いの半分はここまでたどり着くこと。ここからのターンは、植物が硝酸塩と根に関係するこの遺伝子をどう利用しているのかという、すごい発見をすることです。References:Gene required for root hair growth, nitrate foraging found in grasses / written by hiroching / edited by / parumo
植物の仕組みを解明することが、私たちの仕事の醍醐味ですね
「植物が硝酸塩をもっとうまく利用できるようになれば、農業だけでなく、土や水や肥料、さらには窒素循環全体にとっても有益でしょう(カレン・サンギネ氏)
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コメント
1. 匿名処理班
毛根じゃないのか
2. 匿名処理班
いイネ!
3. 匿名処理班
ザワ ザワ…
彡⌒ミ ザワ ザワ…
(´・ω・`)彡⌒ミ
,彡⌒ 彡⌒ ミ (・ω・`) 根っ子の成長をコントロールする
(´・ω(´・ω・`) ⌒ ミノ⌒ミ 遺伝子が発見されただって!?
u_| ̄ ̄||´・ω・`)ω・`) ホント?
/旦|――||// /|と ノ
| ̄ ̄ ̄ ̄ ̄| ̄| . |-u
|_____|三|/
4. 匿名処理班
また髪の話してると思った。
5.
6.
7. 匿名処理班
稲から新しい育毛成分が発見されたのかと思った。
8. 匿名処理班
根っこだけじゃない、結局土壌なんだよ
人間もな
9. 匿名処理班
>>7
なんということでしょう!
頭から稲がフサフサに生えているではありませんか!
10. 匿名処理班
効率的に栄養を吸い上げるのはいいけど、地力を消耗するから結局は肥料が欠かせなくなるのでは。
全体の使用量は減らせるからいいのか?
11. 匿名処理班
稲は元気良く生えるのに…
12. 匿名処理班
彡⌒ミ
(´・ω・`) また毛の・・・
13. 匿名処理班
今の肥料に含まれる量の栄養素で100育つ作物が1000育つようにできるかもって話?
肥料はいいとして、土の方はどうするんだ。
14.
15.
16. 匿名処理班
後は土に含まれる窒素、リン酸、カリの必要量を抑えて今以上の効率化できる改良をだな