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金星の神秘的な閃光は、雷ではなく流星の可能性

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(著) (編集)

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 厚い濃硫酸の雲で覆われた金星では、かねてから雷が生じるのでは?と噂されていた。発光現象が電波観測で確認されたからだ。

 金星に雷放電現象はあるのか?この論争は20年ほど続いていたが、新たな研究によると、雷と思われていたものは、おそらくは大気圏に突入して燃える流星の光である可能性が高いという。

 この発見は将来行われる金星ミッションにとっては大きな意味を持つ。というのも、落雷の危険性が低いことがわかったので、金星探査機に電撃対策を施す必要がなくなったからだ。

金星に雷放電現象はあるのか?

 地球ではありふれた自然現象である雷だが、太陽系の中はかなり珍しいものだ。地球のほかできちんと確認されたのは、木星と土星だけだ。

 疑わしいのは金星だ。

 これまで集められてきたデータには、落雷らしきものを示すサインが記録されている。それどころか、地球よりも雷が多いという意見すらあり、20年以上前から論争が続いていた

 もしも本当に金星でもピカゴロッと稲妻が走るのなら、この惑星もまた珍しい太陽系惑星の仲間入りを果たすことになる。

 しかも雷が生じるには、電荷を作り出す水が重要なので、それがない金星での稲光はとびきりユニークな現象ということになる。

 だが『Journal of Geophysical Research』(2023年8月25日付)に掲載された研究によれば、金星で観察された稲光らしき閃光は、大気圏で燃え尽きた隕石によるものである可能性が高いという。

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金星大気の謎を解明するため2010年5月に打ち上げられた金星探査機「あかつき」 / image credit:JAXA

そのほとんど、あるいは全てが流星の光である可能性

 今回の研究で、米国アリゾナ州立大学のチームは、金星にも地球と同じくらい隕石が落下していると仮定して、その場合に観察されるだろう閃光の数を見積もってみた。

 その上で、その予測された閃光の数を、これまでに金星で実際に確認された閃光の数(ビゲロー山天文台と、日本の金星探査機「あかつき」が収集したデータを使用)と比べた。

 すると両者の数はピッタリと一致。つまり金星の雷と思われた閃光のほとんどは、金星の地表100キロ上空で燃え尽きた隕石、つまりは流星の光だろうということだ。

 ちなみに土星探査機「カッシーニ」や太陽探査機「パーカー・ソーラー・プローブ」もまた金星の雷を探しているが、この時もやはり証拠は見つからなかった。

金星で落雷の心配はなさそう

 このニュースにがっかりする人もいれば、おそらくほっと胸を撫で下ろしている人もいるだろう。

 というのも、金星に雷があるのだとすれば、将来の金星ミッションで送り込まれる探査機は、落雷に耐えられるような対策が必要になるからだ。

 もしかしたらもっと低いところでは、火山の噴火に起因する雷が発生している可能性はある。だが全体として見れば、金星での落雷のリスクはそれほど心配なものではないことが、今回明らかになった形だ。

 NASAは2030年代初頭を目処に、探査機「DAVINCI(Deep Atmosphere Venus Investigation of Noble Gases, Chemistry, and Imaging)」を金星の大気圏に送り込む予定だ。

 DAVINCIは金星の雲の中に100日以上も浮遊して、その大気のデータを収集する。

 今回の調査によれば、地上から90km以内を浮遊した場合、雷に打たれる可能性もあるだろうという。だが、そのような中程度の距離での落雷ならば、危険というよりむしろ刺激的なものだろうとのことだ。

References:Meteors May Masquerade as Lightning in the Atmosphere of Venus – Blaske – 2023 – Journal of Geophysical Research: Planets – Wiley Online Library / Mysterious flashes on Venus may be a rain of meteors, new study suggests | Live Science / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 10件

コメントを書く

  1. 『しかも雷が生じるには、電荷を作り出す水が重要なので、それがない金星での稲光はとびきりユニークな現象ということになる。』

    ココの思い込みはどうなん??
    水が無くても電位差は発生して放電は起きるで?

    • -3
    1. “あかつき”は投入時まではトラブル続きだったけど、ちゃんと成果出しているなぁ

      >>1
      現在わかっている金星の大気組成(予想)を元に雷ができる実験結果を出せるなら提唱してどうぞ

      • +2
  2. 金星「サンダーボルトだと思っていたのか ? バカめ、メテオだ ! ! 」

    • +2
    1. これ逆に考えれば隕石対策の強化必須になったとも言えるな
      隕石対策に装甲の強化として更に固い新しい合金の開発をやらないといけなくなったとも言えるが

      >>2
      ニビル「…」

      • 評価
      1. >>3
        雷は広範囲に影響があるし下手すりゃこっちに向かって来るけど、隕石は基本的に当たるか当たらないかだからなあ…
        地球にいたって雷には対処するけど隕石には対処しないだろ?

        • +1
  3. 地球の雷だって原理が謎なのにね
    でも金星の雷から新発見はあり得るかもね

    • +1
  4. あれだけ濃硫酸の暴風が吹き荒れてるのに、摩擦による静電気すら無いとはちょっと考えにくい。
    単に大気が厚すぎて見えてないだけでは?

    • +1
  5. 👧👩「金色に輝く、熱い砂の上で、裸で恋をしよう~♪」   

    • -2
  6. キングギドラの引力光線の可能性もなくなったのか…

    • 評価
  7. 金星って既にアセンションして別次元にあるって話
    今見えてるのはその残骸らしいよ

    • -3

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