
森林火災で焼けてしまった土地や伐採された土地に再び命を吹き込む植樹という作業は、毎年夏にカナダ全土の伐採会社が「植林プログラム」として参加者を募り、有償ボランティアとして働いてもらうというもの。
女性は過去3年間参加し、37万2290本ものの木を植え、多くの人々の心を打った。
カナダで植樹を続ける女性
サスカチュワン州出身のレスリー・ダートさん(29歳)は、この春オンタリオ州のダーラム大学を卒業し、現在は航空宇宙製造業で働いている。過去3年間、レスリーさんはカナダ全土の伐採会社が毎年夏に行う植林プログラムに参加し、サスカチュワン州の森林火災で焼けだたれた大地を歩き、木を植える作業を続けてきた。
作業の方法の一部は法律で義務付けられている。
レスリーさんは時には1日15時間、小さなスコップを地面に突き刺し、テコで穴を開け、苗木を落とし、踏み固めて穴を閉じるという作業を繰り返し、昨年の夏の日が終わるまでに4,545本の木を植えた。
過去 3 年間の夏で、レスリーさんがカナダ全土に植えた木は、なんと37万2290本にものぼるという。

image credit:lesliedart/TikTok
自然と林業を守る植樹活動
カナダの自然を守り、また木材産業を支援するため、伐採されたほぼすべての木は、レスリーさんのような有償ボランティアによって再植林されている。植樹は、山火事で焼け野原となった荒涼とした残骸の上で行われることもあれば、蚊が群がるでこぼこした湿った地面の、伐採された森の中で行われることもあるという。
長時間にわたって、同じ歩幅で続けて行かなければならないという植樹活動は、どの場所でも心身ともに大変な作業だ。

image credit:lesliedart/TikTok
だが、この植樹活動は人生の一部となり、毎年ボランティアとして戻ってくる価値があるほど、とてもやりがいのある仕事だとレスリーさんは言う。気温 34 度の中、自己最高となる 5415 本の木を植えた1日17時間の活動を、動画投稿しているレスリーさんは、活動の大変さをこのように話している。
この作業には浮き沈みがあり、主に天候に左右されます。1日の始まりは晴れで、数分後には雨、豪雨、ひょう、雪が降る可能性があります。何が起こるかわかりません。レスリーさんによると、植樹された苗木1本あたりに17〜44セント(約18〜47円)の収入を得ることができるそうだ。
熱波の中で植樹をしていた日もあったので、数日連続で37度から40度くらいの天気が続き、本当に大変でした。
ブリティッシュコロンビア州では過去5年で16億本の木の植樹に成功
別の州でも植樹活動をしているレスリーさんは、ブリティッシュコロンビア州北部のボブ・クイン湖コミュニティの近くで、特に厳しい仕事をしたと語った。巨大な丸太をよじ登り、果てしなく広がるデビルクラブ(とげのある植物)の海と格闘し、生い茂った木の根や岩、丸太につまずきながら、さらに雨の中容赦なく蚊に群がられて、一歩一歩植樹しました。レスリーさんたちのような人々のおかげで、ブリティッシュコロンビア州では2017年以来16億本の植樹に成功。森林省は声明で、植林は同州林業の「非常に大規模かつ重要な要素」と述べている。
植樹活動には重大なリスクがないわけではない。クマなどの危険な野生動物と遭遇してしまう可能性があるからだ。
レスリーさんは、ハイイログマには一度も遭遇したことはないが、他の種のクマやヘラジカ、その他の野生動物に遭遇したことがある、と話している。
カナダの森林再生と環境問題に取り組む組織、Replant.ca Environmentalの社長兼最高経営責任者(CEO)のジョナサン・クラーク氏は、ブリティッシュコロンビア州では植林が大規模に行われていると語った。
骨の折れる仕事かもしれませんが、大学生にとっては人気のある夏のバイトで、いい小遣い稼ぎになっているようです。

pixabay
植樹活動をライフワークにする人も
大学生だけではなく、植樹活動をライフワークにしている人もいるようだ。サスカチュワン州のベテラン植樹者ケニー・チャップリンさんは、植樹活動に35 年間携わっているという。
チャップリンさんは、映画業界で助監督として働いていて、レジーナ校の代用教師も務めているが、魂を変えたのは植樹であり、強い労働倫理を身につけるのに役立ち、すぐに出世のはしごを上がることができたと語った。
その過程で、2001 年にチャップリンさんはサウスカロライナ州プリンスアルバート近郊に、1 日15170 本の木を植えて、ギネス世界記録を樹立した。
彼は、19時間もの過酷な作業を続け、平均 4.5 秒に1本の木を植えることに成功したそうだ。
チャップリンさんは、植樹はとても「カナダらしいこと」だと語っている。
レスリーさんにとっても、この植樹活動はフルタイムの労働力となっているようだ。
雪を頂いた山々や、活気に満ちた野生の風景に囲まれていると、一秒一秒立ち止まってその景色を受け入れずにはいられません。TikTokでシェアされている植樹活動の光景にインスパイアされた人は多かったようで、たくさんの称賛の声がレスリーさんに寄せられている。 References:She planted more than 4,500 trees in a day and found an audience of millions/ written by Scarlet / edited by parumo
植樹活動によって、私は根性と自発性を学びました。また、適応力が備わり精神的により強い人間になることができます。
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コメント
1. 匿名処理班
日本でもいつか太陽光パネル利権ビジネスが崩壊して、はげ山を再生させる必要が出てくるのかもしれない。
2. 匿名処理班
>有償ボランティアとして働いてもらうというもの
ボランティアが無料奉仕だとするのは間違い
日本もボランティアに金を出せばもっと捗るだろうに
3. 匿名処理班
たとえ明日世界が滅亡しようとも、今日私はリンゴの木を植える
4. 匿名処理班
素晴らしいに尽きる
言葉だけや目立つだけのパフォーマンス環境活動家様に是非
見習って欲しい
5.
6. 匿名処理班
37万2290本/(365日×3年)=340本
7. 匿名処理班
日本はコレやるときにスギとヒノキばかり
植えまくったから花粉症大国になった。
材木だらけの山では食い物がないから
鹿、クマ、イノシシが山から降りてきて悪さをする。
人間に都合の良い植物だけで植林すると
思わぬ形でしっぺ返しがある。
8. 匿名処理班
>>6
その計算で毎日かかさずやるって相当やぞ
奴隷思考になっててヤバイ
9. 匿名処理班
1時間あたり何本?
10. 匿名処理班
とてつもない努力と献身だと思う。素晴らしい人だな
11. 匿名処理班
>>6
記事を読め。
この人は毎日やってるわけじゃないぞ。フルタイムで働いて、休みの日にやってるんだ。
移動の時間も含めたら、たぶんこの人は車中泊をするほどの活動のはずだ。
それを踏まえて考えてみろ、違う計算になるぞ
12. 匿名処理班
>>7
ついでに同じ時期に同じ種類だけ植えるので根の張り方まで同じになり、崩れる時は一気に地滑りを起こす。
13. 匿名処理班
こうやってしっかり活動してる環境保護活動家は尊敬できるけど
いまの環境活動家って注目集めて世間に訴えるんだ!が主義の連中がのさばってる評価ガタ落ちしてるよね 美術館に接着剤とか然りほんまくだらねぇ そいつら結局何一つ環境保護活動はしてないからな ほんまなんちゃって環境保護団体がのさばりすぎてるわ 逆にこうやって人目につかない山奥で活動してる人は資金が集まらず苦労してるっていうね ほんまなんなんやろなこのぶっ壊れた社会システム
14. 匿名処理班
焼け跡に木を植えても新たな火種になるだけだから止めたほうがいい
自然に任せるのが一番
15. 匿名処理班
>>6
例えば、
レスリーさん「5415 本の木を植えた1日17時間の活動」
チャップリンさん「平均 4.5 秒に1本の木」
って書いてあるの読まないんだね。
16. 匿名処理班
自然火災よるものだから純然たる焼き畑農耕とは意味合いが違うかもだけど、燃やすことにより灰が土壌を中和させるほか肥料にもなり元気な作物を育てられるようになるとのこと
また、土を燃やすことで土壌の改良に繋がり、雑草を一度に焼き払い、害虫や病原体をも焼き払うことが期待できるようです
こうやって植林して森林を再生するのは大変だけど価値のあることですね!
17. 匿名処理班
>>16 自然火災?
カナダはわからないけどアメリカの森林火災の原因は人間だと聞いたけど
18. 匿名処理班
>>8
>>11
>>15
>カナダの荒れ地に1日4500本以上の木を植える活動を行っている女性がいる
こんな書き方をするのが悪い
19. 匿名処理班
植え方が雑で効果が心配になるな
20.
21. 匿名処理班
まず下草からじゃダメなのかな
グランドカバー用の花の種に「丈夫な種類を混ぜたので適当にどれかが生えます」みたいな商品があるけど、その地域の雑草で原っぱを作って通気や共生バクテリアを維持しておけば木も根付きやすいと思うんだけどなあ
22. 匿名処理班
有償?ボランティア?
23. 匿名処理班
>>18
そのコメントだけで>>15 を裏付けしてる、素晴らしいアシストだな。
しかし植樹一本当たり18から47円か。仮に1日1000本なら結構な日給になりそう……だけど厳しい肉体労働だし、そこに行くまでの費用だけでも大変だろう。何かの使命感がないとできないなあ。
24. 匿名処理班
植樹しないと雑草が茂って森林にならないから重要な作業だよね
セイタカアワダチソウみたいなやつが生えると厄介で幼木が負けてしまうから
木が低いうちは除草もしなければならない
25. 匿名処理班
>>18
お前も記事を読み、動画を見てからコメントせいよ。
この人は2歩ごとに、およそ3秒に1本植樹している。1日に17時間も続ければ、休憩したってそのくらいの数になる。
どうしてこう、まともに記事を見ないまま脊髄反射でケチつける人が減らないかなぁ
26. 匿名処理班
「まんが日本昔話」のおかめ婆さんみたい、子供の頃両親を崖崩れで亡くしていて、他人の山に登って崩れやすい箇所に苗を植え続けた一生だった。
27. 匿名処理班
自然にまかせて再生されるのを待つのはだめなの?
雷とかで焼けちゃった森林の再生とかナショジオでやってなかったっけ
28.
29. 匿名処理班
植樹なんてしなくてもそのうち復活するよ。
伐採して土地を踏み荒らしたわけじゃないから
30. 匿名処理班
TikTokつい全部見終えてた。これは心が上向く勢い。キャンプ施設設営からなんですね、資材や苗はヘリ搬入なのかな、そらそうか。そしてみなさん明るい。そして植林筋肉と植林ダコが分厚そう。天候不良の待機、虫や草の毒、健康にも気を付けてご安全に。
31. 匿名処理班
>>12
更には収穫時期を迎えた木々も全く伐採されず手つかずの放置人工林になってる
安い海外の輸入木材があるので国内の高い木材が売れない、売れないから切らない、切り手も高齢化が進んでいない
32. 匿名処理班
>>16
ツチクラゲというキノコは山火事の熱で胞子が発芽する。枯れ木を分解する木材腐朽菌だが生きた木にも寄生するので焚火跡なんかに発生して周囲のマツやモミに感染し林全体を壊滅させることがある。山火事当年と1年目に植樹された若木はかなりの割合で感染するが2年ほど土地を寝かしておくと植樹への影響はほとんどなくなる。
33. 匿名処理班
>>22
本来ボランティアは有償無償に関係なく自発的な社会貢献を指す言葉なんだけど、日本では無償奉仕のことだと誤解されている
34. 匿名処理班
日本で無駄な公共事業せずに、その金で公共事業として
放置された杉の木等を切って木材とし、代わりに花粉症を起こさない杉や
他の木を植えたら、医療費削減やいろいろと国の為になると思うけど
そんな事はできないんだろうな。
35. 匿名処理班
1本辺り最低額の18円程度だとしても、4500本植えられるなら日給8万円くらいか。
習熟が必要だろうけど、慣れればかなり稼げるバイトだな
36. 匿名処理班
これは偉業と言ってもよいことだと思うけど、また火災で禿げ山になったりする可能性もあるわけだから…それ考えたら躊躇してしまわないのかな?
カミュのシーシュポスだっけ?あれみたいな心境なのだろうか…
37. 匿名処理班
自然に任せた場合と、植樹した場合の違いを知りたいな。長期的なスパンで
38.