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全生物の祖先である可能性が高い約10億年前の古代生物の「失われた世界」が発見される

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(著) (編集)

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 人間を含むすべての動植物の祖先である可能性が高い古代生物の「失われた世界」の遺跡がついに発見された。

 古い岩石から発見された原始のバイオマーカー(生物学的指標)は、10億年より以前の大昔、地球がこれまで知られていなかった生物に支配されていただろうことを示している。

 「原始ステロール生物相(Protosterol Biota)」と呼ばれるその未知の生物グループは、動物・植物・藻類といった複雑な真核生物とは細胞の構造も代謝も異なり、今よりも酸素がずっと少ない世界に適応していたようだ。

 それは我々真核生物が派生した共通祖先の系統である可能性もある。だが10億年ほど前、地球の生態系に一大転換点が訪れ、やがて絶滅していった。

 ドイツ地球科学研究センターをはじめとする国際的研究チームは、この進化地球生物学における画期的な発見を6月7日付の『Nature』(1.2.3)に報告している。

古代生物の痕跡となる物質が発見される

 新たに発見された古代生物のバイオマーカーは、これから複雑に進化しようとする初期の「真核生物」によって作られた、生体内で合成されるステロイドホルモンの一種「原始ステロイド(protosteroid)」である。

 ちなみにバイオマーカーとは、生物学的な指標で、古代の生物の存在や活動を示す化石、化学的な痕跡、または生物由来の物質のことを指す。

 ドイツ地球科学研究センターのクリスチャン・ホールマン氏らは、この原始ステロイドが太古の地球に驚くほどたくさんあったことを発見した。

 ステロイドとは、ある化学構造をもつ有機化合物の”総称”だ。

 健康に悪いと嫌われがちなコレステロールもその一種なのだが、じつは真核生物の細胞膜に不可欠な栄養であるほか、さまざまな生理機能を支える大切なものだ。

 だから、ほとんどすべての真核生物がステロイドを作る。つまり私たち人間や動物はもちろん、植物や藻類もステロイドを体内で合成するということだ。

 それゆえに古代の岩石に残されたステロイドの化石をたどることで、進化によって複雑化する生命の軌跡をたどることができる。

 ホールマン氏の説明によると、真核生物の共通祖先は、今の生物としても普通のステロール(ステロイドの一種)を作れたと考えられる。

 このことから、原始的なステロイドを作った真核生物(原始ステロール生物相)は、進化の系統樹の”幹”に位置する可能性が高いそうだ。

 つまりは現在存在するあらゆる真核生物が、この系統から派生したのかもしれないということだ。

 だが8億年前になるともっと現代的なステロイドの痕跡が登場する。ここから、原始ステロール生物相は生物同士の競争の中で次第に力を失い、絶滅しただろうことがうかがえるという。

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原始ステロール生物相のイメージ/Credit: Orchestrated in MidJourney by TA

 今回発見されたバイオマーカーについては、すでに30年前にコンラート・ブロッホ(ノーベル賞を受賞した生化学者)がその存在を予測していた。

 だが問題は、それが常に同じだったわけではなく、地球の環境に合わせて変化してきただろうと考えられたことだ。

 同じステロイドでも現代とは違うものを、どうやって見つければいいのだろうか?

 この難題を克服するために、今回の研究チームはいくつかの技術を活用することで、現代のステロイドをすでに化石化したステロイドと同等のものに変換している。

 こうして探すべきステロイドの姿がわかると、世界各地で採取された10億年前の石から、それらしい化石分子がにじみ出ていることが明らかになったのである。

地球上の生命の歴史を書き換える発見か?

 原始ステロイド化石の一番古いものは、オーストラリアのバーニー・クリーク層で見つかった16億4000万年前のものだ。この時代から8億年ほどの間は、原始ステロール生物相が作った分子しか見つかっていない。

 ところが「トニアン紀(10億~8億5000万年前)」になると、ついに現代的な真核生物の痕跡が現れる。研究チームによると、この時期は地球の歴史でもとりわけ大きな生態系の転換点だったと考えられるという。

 この時代、原始ステロール生物相と紅藻類などの現代的な真核生物が、何億年にもわたり共存していた可能性がある。

 だがその一方で、地球の大気はどんどん酸素が濃くなっていた。

 シアノバクテリアや最初の真核藻類がこれを吐き出していたからだ。その当時、その他大勢の生物にとって酸素は猛毒でしかかない危険な代物だ。

 さらにダメ押しでもするかのように、地球規模の氷河期「スノーボールアース」が到来する。こうして原始ステロール生物相はほとんどが死滅した。

 現生真核生物の最後の共通祖先は、12億~18億年前に生きていたと考えられている。その子孫は、暑さや寒さ、紫外線などに強く、原始ステロール生物相を駆逐していったようだ。

 その原始の系統は大昔に絶滅しているので、どのような姿をしていたのか確かなことはわからない。

 だが、その一応のイメージなら作成されている。それはなんだかキノコかクラゲのような不思議な姿をしているそうで、科学者たちは、彼らは地球の最初の捕食者の一部だったのではないかと考えている。

References:Remains of an extinct world of organisms discovered / written by hiroching / edited by / parumo / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 21件

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  1. トップ画のご先祖様はフサフサなのに、なんで俺は・・・

    • +3
    1. >>2
      その毛の話、どこ行っても見かけるけど飽きないの?
      正直「またか」ってなるんだけど

      • -7
      1. >>3
        飽きようが飽きるまいが、毛の悩みは一生ついて回るものだからね
        「またか」って思ったところでフサフサな頃に戻れるわけじゃ無いのさ

        • +9
        1. >>7
          どこ行っても見かけるのは、はっきりいって鬱陶しい。

          • -3
          1. >>16
            見かけても気にしない人はいっぱいいるけど
            そんなに鬱陶しく感じるという事は、それだけ普段から毛の悩みを抱えているという事だろうね
            同情するよ…

            • +3
      2. >>3
        ぬるぽ ガッ
        ネコと和解せよ
        みたいなもんよ

        • +1
  2. 地球って大規模な実験水槽みたいで本当に面白いね

    • +3
  3. そう言われてみると、おじいちゃんに似てる気がする…

    • +1
  4. 記事タイトル、真核生物は全ての生物の中の一部に過ぎないんだから、全真核生物の共通祖先である可能性があるというだけの今回の発見を、全生物の祖先とするのは明らかに間違いだし、傲慢が過ぎるぞ

    • +2
  5. スノーボールアイスって調べれば調べるほど面白いよな
    地球が丸ごと凍ってしまって、いつそれが溶けるかもわからなくなったけど
    今も地球にあるチューブワームが生息してるような熱水噴出孔の近くの生物群が生き残って
    それらの子孫が今の地球のみんなってわけだ

    • +2
  6. 古生物学もいまや分子の世界なんだな
    ワイの子どものころとは隔世の観がある

    ところで、なんで君ら毛のはなししてるんや…(´・ω・`)

    • +2
    1. >>12
      分子構造を元に研究する分類学はまだまだ問題もあるけど、だんだん主流になりつつある

      • 評価
  7. 毛の話好きだが

    この発見で進化の過程がわかったら太古の生物からデザイナーズ生物とかできないかな
    できたら怖すぎるけど

    • +1
  8. トップの絵大好き
    子供のころ百科事典「古生代」のページを毎日眺めて過ごしたの思い出した
    そこばかりみてたなあ
    太古の生物ってもふもふでかわええ

    • +1
  9. 10億年前に生息していたハバタクカミというポケモンがいまして

    • 評価
  10. 太古の生命についての話はやっぱり興味深いなあ!これからどんどん解明されていって欲しい
    土星の衛星にいるかもしれない生物もこのくらいの段階なんだろうか

    • 評価
  11. 全生命共通祖先というロマン すべては一つの種から始まった?

    • 評価

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