
アメリカ・ミネソタ州の酒屋で働く女性店員は、ある日ホームレスの男性が店のゴミ箱から空き箱を漁って、それを靴代わりにしようとしている姿見て、自分が履いていた特別なスニーカーを差し出した。
その時の監視カメラ映像がSNSやメディアで注目を集めたことで、後にその店員は、見知らぬ人から特別なスニーカーをプレゼントされた。まさにやさしさの連鎖だ。
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Brooklyn Center liquor store employee gives her shoes to man walking with boxes on his feet
靴を履いていないホームレスに自分の靴を差し出した女性店員
12月6日、ミシガン州ミネアポリスの酒屋「ブルックリンセンター・リカー」にホームレスの男性が入ってきた。彼は、入り口ドア横に置いてあったゴミ箱から、ビールやお酒の入っていた空き箱を漁り、折り曲げて靴の代わりにし、そのまま店を出ようとした。

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すると、エースというニックネームで呼ばれている店員のタ・レイア・トーマスさんは、店から出ようとする男性を素早く呼び止め、自分が履いていたスニーカーを脱いで差し出した。

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足のサイズがさほど違わなかったのだろう。エースさんから提供されたスニーカーは、ホームレス男性の足にちょうど合ったようだ。もらった靴を履いて店を出ていった男性は、とても嬉しそうだったという。
酒屋のオペレーションマネージャー、トム・アグネスさんは、後のメディア取材でこのように話した。

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ちょうどその時、私は昼食から戻ってきたところでした。エースは、自分の靴を男性に差し出していたので、驚きましたよ。
店に、エースのような素晴らしい店員がもっといたらいいのにと思いますね。
男性の足を見たら、無意識に自分の靴を脱いでいた
この光景は、店内に設置されてある監視カメラに捉えられていた。エースさんが男性に差し出したスニーカーは、紫色のレトロなジョーダンで、エースさんのお気に入りのアメリカンフットボールチーム「ミネソタ・バイキングス」の代表カラーだった。
つまり、エースさんにとっては特別なスニーカーだったのだ。だが、エースさんはそんなことは考えず、「男性の足を見て、無意識に靴を脱いだ」そうだ。

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ホームレスの男性は、”みんな”は自分にこんないい靴をくれないと言いました。私は、「自分は“みんな”ではないから」と答えました。
私は家族から、誰かが困っていたら、自分のできる範囲で助けるように教えられてきました。
彼らがどんな問題を抱えてどんな辛い経験しているのか、私にはわかりません。でも、私が差し出したスニーカーを履いて店を出ていく彼は、すごく幸せそうで、それを見て私もとても嬉しくなりました。
エースさんの親切な行為はエースさんに返って来る
この後、マネジャーは、エースさんに新しいスニーカーを購入してプレゼントしたという。彼女は靴下だけで仕事をせずに済んだようだ。さらにマネジャーは、エースさんの行為が捉えられた監視カメラの映像をSNSでシェアした。
するとメディアでも注目され、拡散し、多くの人々からエースさんの行為を称賛する声が相次いだ。
エースさんは、自分の行為が多くの反響を呼んだことに笑顔で喜びを語った。Everyday Hero Ta Leia Thomas
— Fear God not Man (@FrantzFrantz15) December 10, 2022
Heartwarming moment Minnesota liquor store worker gave destitute man her prized Nike Air Jordans after spotting him using CARDBOARD BOXES as makeshift shoes pic.twitter.com/qgKa4phmjZ
びっくりしたけど、とっても嬉しかったです。気軽な気持ちで、臆することなく誰かが誰かを助ける行為が広がればいいなと思います。エースさんの親切行為は、早速やさしさの連鎖を生んだようだ。
靴が世の中を良くするきっかけになるのなら、私は喜んで靴を差し出します。靴の代わりはありますが、誰かに行う親切は、その時だけの特別なものとなります。私は、世界中の誰もが、愛される価値があると思っています。
エースさんに見知らぬ人から特別なプレゼント
12月14日、店で働くエースさんに会いに、1人の男性が靴の箱を持ってやってきた。今回のエースさんの動画を見て感動したカスタムシューズの作成者マーシュさんは、カスタマイズしたエア・ジョーダン7sをエースさんに作成。
友人でミネソタに住むライアン・ローディさんに郵送し、ライアンさんが店に持ってきてサプライズプレゼントしたのだ。
カウンター越しに「(箱を)開けてみてください」とライアンさんに言われ、中身を見たエースさんは「オーマイガーッ!なんて美しいの!!」と驚きと喜びの声をあげた。
さらに、ライアンさんはエースさんが大ファンだというミネソタ・バイキングスのフード付きトレーナーやギフトカードなどをプレゼント。
予期していなかった嬉しい親切に、エースさんはただ感動の声をあげ続けた。
スニーカーをカスタムデザインしたマーシュさんは、SNSでこのように綴っている。The store employee who gave a homeless man the shoes off her feet during a shift was surprised with custom Air Jordan 7s by @MACHE275 🥹🙌🔥 pic.twitter.com/iAeY5xNQhn
— Nice Kicks (@nicekicks) December 14, 2022
良い人には良いことが起こります。先週、エースさんの利他的な行動についての話を聞いたとき、ミネソタ州の友人であるライアン・ローディが私に、『それで、自分たちには彼女に何ができるだろう』と言いました。
ホームレス男性のためにミネソタ・バイキングスの特別なスニーカーをあきらめたエースさんに、新しいペアのスニーカーを作るのは正しいことに思えました。
私は、カスタム7をデザインした後、ミネソタに速達で送りました。そして、ライアンはエースさんを驚かせました。
エースさん、あなたの行為が本当に素晴らしかったことに、改めて感謝します。
最近、この世界では非常に多くの悪い出来事を耳にしますが、あなたはまだそこに、良いことがたくさんあることを思い出させてくれます。
あなたとあなたの家族に幸せなクリスマス休暇を。
References:Brooklyn Center liquor store employee gives her shoes to man walking with boxes on his feet/ written by Scarlet / edited by / parumo
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コメント
1. 匿名処理班
この店員さんは「咄嗟に靴をあげただけ」と思っているかもしれないが、男性は「自分を誰かが気にかけて、優しくしてくれる」という希望を靴と一緒に受け取ったと感じたと思う
2. 匿名処理班
靴の代わりはありますが、誰かに行う親切は、その時だけの特別なものとなります。
年のせいかうるっとしちゃったよ。
クリスマスに暖かくなる記事をありがとう!
読んでるあなたの今日が愛に包まれた素敵な1日でありますように。
3. 匿名処理班
素敵なお話をありがとう!
4. 匿名処理班
サイズが合ってよかったとしみじみ思う。
せっかくの親切が受け渡しができなかったら、その場合どうすればいいんだろう。近くに靴屋があればいいけど。
5. 匿名処理班
こういう話を聞くと世の中捨てたもんじゃないなと思って少し心が温かくなる
6. 匿名処理班
この女性が直接した行為は靴を譲ったことだけど、結果的にマネージャーをはじめ記事を読む自分の心にも届くものがあった
ほんの少しの親切でも輪を広げていけるように勇気を持たなくちゃな
7. 匿名処理班
ホームレスに靴をあげたことないけど、持ってた煙草をあげた事ならあるよ
8. 匿名処理班
こういう善意で動いてる人には見える形見えない形であれ必ず報われる世の中にしたいもんだ。せめて国民同士は。
9. 匿名処理班
自分のできる範囲で助けるってのが大事だよね
一人ですべてを解決することはできないけど
みんなが心掛ければ…っていう
10.
11.
12. 匿名処理班
心温まるストーリーだ
ただ監視カメラから映らない店外に出たホームレスを追いかけようとせず
偶然にも二人がバランス良く映る場所まで呼び戻したのは不思議
13. 匿名処理班
ニックネームの「エース」は多分、普段の彼女の人柄を表したものなんだろうな。
14. 匿名処理班
アメリカって銃乱射あったりするけどまだまだ捨てたものじゃないな
15. VIP屑野郎
笑顔の素敵な人だな
ノリもいい
気持ちのいい女性だ
16. 匿名処理班
>>2
分かる
目が潤んでしまった
とても良い話を読めて良かった
17. をそとぬこ
(ꏿ﹏ꏿ;)今月は嫌な事ばかだたりしたけど。。。良い話ありがとござました
18. 匿名処理班
メリークリスマス
19. 匿名処理班
今、日本にも毎日の食事を満足に取れない親&子供たちがいる。
給食のない休み明けに、目に見えてやせてしまうそうだ。
自分もセールをねらって節約しながら、ときどきこども食堂に寄付してる。
20. 匿名処理班
「かさこ地蔵」ですね。
21.
22.
23. 匿名処理班
ホームレスの男性は、”みんな”は自分にこんないい靴をくれないと言いました。私は、「自分は“みんな”ではないから」と答えました。
これも重い言葉だ。
24. 匿名処理班
店員さんにカスタムスニーカーをあげた人はサイズをどうやって知ったの?
25. 匿名処理班
※23
そうかな?
「自分は“みんな”ではないから」というのは自分を特別視している
俺なら「自分は“みんな”の一部だよ」と答える
26. 匿名処理班
>>24
彼女がホームレスにサイズを聞いたら、10インチか10インチ半だと答えたので自分と同じだからあげたと、元記事のインタビューにありました
27. 匿名処理班
※23
彼女のプライドが感じられるよね
自分は誰かに手を差し伸べることに臆したり戸惑ったりしないって
28. 匿名処理班
※25
自業自得だの偽善がどうの言うだけで何もせんやん
29. 匿名処理班
>>25
特別視とかじゃないでしょ
単にあなたが今まで見てきた相手が人間のすべてじゃないって話で
咄嗟に短く答えたからこういう言い方になっただけだと思う
30. 匿名処理班
トム・アグネスさんのサンタさん感が凄い
31. 匿名処理班
サンキューエース!
32. 匿名処理班
こんな優しい話題がもっと広まってほしいね
33. 匿名処理班
八王子なら即ホームレス狩りにあってるな。
34. 匿名処理班
この女性は本当に凄い
アメリカではスニーカーの文化が凄くて大人気だし、自分にとってお気に入りのなら尚更難しい。俺には真似できない(よく考えれば俺のスニーカーは安いから真似できるわ)
アメリカって治安が日本の25倍悪くて人種差別やヘイトも激しいけど、こういう良い人たちも沢山いるんだよね。落差が激しい。政府がやらないから慈善事業を金持ちがやる風潮だし、寄付も良くする。
俺の個人的な意見では、若い黒人女性が最も優しかった。他の人のように、見下したり、喧嘩を売って来たり、劣っているとか野蛮だとかからかってくる事もなかった。
35. 匿名処理班
※33
ねえわ、そこまで治安悪くねえよ