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ナミブ砂漠に点在する「フェアリーサークル」の謎がついに解明か?植物の自己組織化による可能性が濃厚

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(著) (編集)

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 ナミブ砂漠の「フェアリーサークル」の正体は、半世紀近くも科学者たちが頭を悩ませてきたミステリーだ。

 その正体については諸説あり、最近では、「猛毒の液体を出す植物によるものとする説」が浮上したが、最も現実的で有力なのが「シロアリ説」と「植物自己組織化説」だ。

 今回ドイツの研究グループは、降雨後すぐにフェアリーサークルの中の草が枯れたことを確認した。つまり「植物自己組織化説」に信憑性が増したのだ。

 フェアリーサークルでシロアリの食害は見られず、むしろ「周囲の草が内側の水分を吸い尽くすことが原因」だと考えられるそうだ。

ナミブ砂漠に広がる謎のフェアリーサークル

 海岸から80~140キロ離れたナミブ砂漠には、奇妙な風景が広がっている。砂漠をおおう草地が所々、円形に禿げ上がり、大地が剥き出しになっているのだ。これが「フェアリーサークル」や「妖精の輪」と呼ばれるものだ。

 科学者たちは半世紀もの間、この謎に迫るべく様々な調査研究を行っている。その結果2つの有力な説が浮上した。

 「シロアリ説」は、シロアリが根を食べてしまうために、そこだけ草が枯れてフェアリーサークルが出来上がるというものだ。

 「植物自己組織化説」は、何らかの原因で植物がそのような形状に自己組織化することが原因という説である。

 フェアリーサークルの真実を突き止めるため、ドイツ・ゲッティンゲン大学のシュテファン・ゲッツェン博士らは、サークル周囲に水分計を設置、2020年の乾季から2022年の雨季の終わりにかけて、土に含まれる水分量を記録してみることにした。

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ナミブ砂漠を上空から撮影したもの。見渡す限りフェアリーサークルが広がっている / image credit: Dr Stephan Getzin

雨が降った後、サークル内の草が枯れ、発芽しないことが判明

 その結果、雨が降ってから10日後、サークル内ではすでに草が枯れ始めただけでなく、ほとんど草が発芽しないことが判明した。

 20日が経過すると、サークル内の草は完全に枯れて黄色く変色したが、周囲の草は青々と元気なままだったという。

 もう1つ重要なのは、サークル内の草の根が、外側の草よりも長く伸びていたことだ。つまり、草が水を求めて根を伸ばそうと頑張った証拠だ。

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ナミブ砂漠数ヶ所で採取された草。黄色く枯れた草は、サークルの内側に生えていたもので、サークル外側の草に比べて根が長い。ただしシロアリに食われたような形跡は認められなかった/ / image credit:Credit: Dr Stephan Getzin

 その一方、シロアリによって根が食われた形跡はなかったという。枯れた草の根の損傷がはっきり確認できるようになったのは、雨から50~60日後のことだった。

 ゲッツェン博士は、「サークル内の草の消失は、シロアリの活動では説明できません」と説明する。

 なぜなら、そこにはシロアリの餌がないからだ。サークル内の草は雨が降った後すぐに枯れてしまい、シロアリが食べられるようなものは残されていないのだ。

Demystifying the secrets of Namibia’s fairy circles: part I (one week after rainfall in 2020)

サークル外部の草がぐんぐん水を吸収

 地中の水分データは、まだ草がしっかり生えていない雨の直後、サークル内外の水分が緩やかにしか減らないことを示していたという。

 ところがサークル外の草が十分に育つと、内側には水を吸収する草がほとんど生えていないというのに、サークル内が急速に乾いていったのだ。

 ゲッツェン博士は、「猛暑のナミブ砂漠では、草からは常に水分が失われています。そのせいで根の周囲に水分の空白地帯ができ、そこに水が吸われます」と説明する。

Demystifying the secrets of Namibia’s fairy circles: part II (35 days after rainfall)

 こうした発見は、地中の水分が7メートル以上も速やかに拡散することを示した過去の研究を裏付けているとのことだ。

 ナミブ砂漠の草は、等間隔にあるフェアリーサークルを通じて、生態系のエンジニアとして働き、剥き出しの地面がもたらしてくれる水の恩恵を受けているのだそうだ。

 ゲッツェン博士によると、世界各地の乾燥地帯には、これと同じような自己組織化された植生構造が存在するという。

 そうした地域にある植物は、不思議な幾何学模様を形成することで厳しい環境を生き抜いている。

 この研究は、『Perspectives in Plant Ecology, Evolution and Systematics』(2022年10月20日付)に掲載された。

References:Secrets of Namibia’s fairy circles demystified: Plants self-organize: Researchers show that plant water stress not termites causes mysterious circles — ScienceDaily / written by hiroching / edited by / parumo

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この記事へのコメント 20件

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  1. 意味が分からん

    結局なぜ、サークル外部の草がぐんぐん水を吸収できるのに
    サークル内部の草は吸収できないんだ?

    サークル外部の草が全ての水を吸い取ったという理由は、説明になってない

    • -11
    1. ※1
      どの草も水を吸収する量は同じで放散する量も同じと思う。サークルの周囲はたくさんの草があるからより水分の薄い状態で、サークル内の水は外に「吸い出される」のだと思う。
      結局、全体として水が足りていないので、水が足りるまでは、どっか穴のあく箇所ができてしまうのだろう。丸くなるのはその中心がたまたま草が育つのに不利な状態だったのでそこから穴が広がったんじゃないだろうか

      • +9
      1. ※5
        わたしはてっきりアレロパシーかと思ってました。 分解が遅くて外に広がっていく感じ。 まぁ、そのパターンなら雨の波紋のように二重三重の輪ができるハズですが、そうなってませんね。 やっぱり証明には ※10 のような方法がないとちょっとマユツバものに感じてしまいます。

        • 評価
    2. ※1
      一定の植物が生えると、水分が強く吸い上げられるスポットが現れる
      ただ、それだとゴルフ場だって起きることになる
      砂漠に近い痩せた土壌だから偶然にも状況が当てはまった時のみ現れるのかな?たぶん

      ただ個人的には疑ってます
      もっと科学的な何かが・・・反重力エレルギーが大気に放出したあとで
      ノーベル賞物の発見です

      • 評価
      1. ※14
        ゴルフ場は全面に芝が生えるだけの水分が十分にある状態
        ナミブ砂漠とは条件が違いますね

        • 評価
  2. 中央が親株というか大本で、外に向かい進んでいくから真中は枯れるという話じゃないのか?
    昔そう聞いた気がする、キノコだってシメジの仲間は輪になって生える、菌糸が外に伸びて中心は水と栄養が無くなるから。

    カスタネダによると力の場だそうだ、あるいはい英国風なら妖精の輪か。

    • -1
  3. 自己組織化とは、物質や個体が、系全体を俯瞰する能力を持たないのに関わらず、個々の自律的な振る舞いの結果として、秩序を持つ大きな構造を作り出す現象のことである。

    つまり、水分の奪い合いの結果、偶然円形になってるだけ?
    偶然ってか、円形が効率的だった?

    • +5
  4. 解明はまだ遠そう
    いろんな乾燥地域で起きることだから植物の戦略なんだろうな
    だいたいこういうのって円形か六角形だよね

    • +1
  5. んもー、この謎解明されるのこれでいったい何回目だよー

    • -5
  6. タイトルのカタカナの部分だけ見て
    尾田と真島の間に何かあったのかなって勘違いした。

    • 評価
  7. この画像いつもサイズ感が判らんなぁとか思ってたが車映ってる奴で漸く掴めたわ
    結構デカいんだな
    雨降った後だけ一次的に水分豊富になる場所だと乾燥地帯の草には逆に過酷だったりするんだろうか

    • +4
  8. その中央株に水を与え続けて枯れるか枯れないか確かめれば?

    • 評価
  9. 俺仮説だけど、原因は膨大な面積を覆う1つの菌糸で、植物と共生してるんじゃなかろうか?
    植物と共生するアーバスキュラー菌根菌(内生菌根菌)のように、水分や微量要素を植物に渡し、そのかわりに光合成で得た糖類をもらっていて、サークル内の水分や微量要素を外周の植物に渡し、サークル外周の植物から糖類をもらっているんでは?
    サークル内の水分を外周に渡すんで、サークル内は水分が非常に少なく、あっても外周にすぐに渡すんで内側は植物が生存できなく外周に植物が集まる。
    本来サークルの面積にある水分を、サークル外に分配できるんで、植物の住めない土地になりにくい。
    この理論だと、乾燥が進めばサークルは大きくなるはずなんだけど詳しくはわからんっす。

    • 評価
  10. ナミブ砂漠では全面に草が繁殖し子孫を残せるだけの雨量がない
    だから部分的に草が生えない場所ができる
    その生えない場所の形状が円形だと言うだけ
    全体の水分量が足りない場合、個々が間隔を離してまばら生える状態は乾燥しやすい

    まばらに生える遺伝子は絶滅していって、たまたま密集して生える性質をもった遺伝子が生き残った
    密集して生える遺伝子が主流になれば円形になりやすい、これは表面張力で水面の泡が丸くなるのと同じ原理
    不思議な事ではないように感じます

    • 評価
  11. 1.雨季になり一面に草が生える

    2.何らかの要因で所々草が枯れる(≒枯れた場所は草がないので保水性が低下する)

    3.枯れた場所に隣接している草は、生い茂っている場所と比較し水の奪い合いで不利となるため枯れる

    4.周囲の草が十分に水分を確保できる状況になるまで枯れる場所は放射状に拡大する

    こんな感じ?保水ポリマーをフェアリーサークルに撒いて、撒かない場所と比較したら検証できそう

    • +2
    1. 今年は日本も雨が少なくて水不足だったけど、畑でなんでここだけ枯れるんだろう、みたいのは実際あったよ
      たぶん※17みたいな感じじゃね

      • 評価
  12. 写真をよく見ると、円の周りがちょっと育った緑がある
    これってヒントじゃない?

    中心が乾燥してるなら周りに水分が多いっておかしいよ
    この説は違う!!ほかに原因があるはずだ!
    犯人はお前だ

    • 評価

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