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世界一白い塗料がさらに進化。光の反射率はそのままに薄塗りが可能に

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(著) (編集)

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 昨年8月にギネス世界記録を樹立した「世界一白い塗料」は、眩しいほどの白さでほとんどの光を反射してくれる。

 その白さは伊達ではない。内側を涼しく保ちエアコンの省エネを実現できるばかりか、熱を宇宙へ反射して地球を直接冷やしてもくれる。つまり塗るだけで、二重の温暖化対策ができるということだ。

 『Cell Reports Physical Science』(2022年10月3日付)で発表された最新の超純白塗料は、より薄く軽く進化しており、飛行機や宇宙船へ応用も期待されるそうだ。

太陽光を98.1%反射、驚きの白さで温度を下げる効果

 オリジナルの超純白塗料は、「硫酸バリウム」のナノ粒子でできている。その白さは、太陽光を98.1%反射し、屋外なら塗った面を周囲より4.5℃以上も低くするなど、まさに驚きの白さだ。この超白で屋根を塗るだけで、エアコンの省エネをすることができる。

 だが、問題もある。そのくらい冷やすためには、少なくとも厚さ400ミクロンは塗らなければならないのだ。

ビルの屋上など、丈夫で動かない構造物に塗るのであれば、それでもいいでしょう。しかし、サイズや重量の条件が厳しい用途では、より薄く、軽くする必要があります(米インディアナ州パデュー大学 ルアン・シュウリン教授)

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photo by iStock

進化した超純白塗料は半分の厚さで同等の反射率

 そこで米パデュー大学の研究グループは、いろいろな材料を試し、さらに超純白塗料の反射率をアップする方法を探った。

 そして開発されたのが、潤滑油などに使われる「六方晶窒化ホウ素」を配合したナノポーラス塗料だ。

 この新しい塗料なら、わずか150ミクロンの塗膜で、これまでのものとほぼ同等の反射率(97.9%)を実現できる。

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さらに薄く、軽く進化した超純白塗料。左は従来の超純白塗料、右が最新の超純白塗料。半分以下の薄さで同等の反射率を発揮 / image credit: Purdue University, Andrea Felicelli

 新塗料が利用する六方晶窒化ホウ素は、屈折率が高く、これが太陽光を強く散乱させる。

 その秘密は、この粒子が「ナノプレートレット」という独特の形態を持つことだ。シミュレーションの結果、この形態は球状のナノ粒子よりも、反射率が高いことが確認されたという。

 また、新塗料には気泡が含まれており、ナノスケールの多孔質構造になっている。

 これによる密度の低さは、薄さとあいまって、軽さというもう1つの長所を作り出す。新塗料は、これまでの超白塗料とほぼ同等の反射率でありながら、8割も軽いのだ。

この軽さは、さまざまな用途への扉を開きます。飛行機・自動車・電車などの冷却にも使えます。

夏の暑い日に滑走路で待機する飛行機は、機内を冷やすためにエアコンを強く作動させる必要がありますが、この塗料があれば大幅に省エネできます。

また軽量化が重要な宇宙船にも役立つことでしょう(パデュー大学 ジョージ・チウ教授)

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photo by Unsplash

その白さは地球すら冷やす

 エアコンの省エネは、地球を冷やすことにもつながる。エネルギーの消費が減れば、それだけ温室効果ガスの排出も減らせるからだ。

 それどころか、この超白塗料は熱を宇宙に放射するので、地球を直接冷やすことにもなる。

 塗料でそのようなことができるなんて、白さ以上の驚きではないだろうか?

References:World’s whitest paint now thinner than ever, ideal for vehicles – Purdue University News / Thin layer lightweight and ultrawhite hexagonal boron nitride nanoporous paints for daytime radiative cooling – ScienceDirect / written by hiroching / edited by / parumo

本記事は、海外の情報をもとに、日本の読者向けにわかりやすく再構成し、独自の視点で編集したものです。

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この記事へのコメント 25件

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  1. 路面に塗られたら強烈な照り返しで熱いし目がやられるし日焼けも酷くなるなw
    高い建物の屋上など通常は視界に入らない部分限定になるのだろうか。

  2. 超白の部屋の中でベンタブラックの物体を見たら少しは形が分かるかな???

  3. ビルとか夏はいいかもしれないが冬は寒くなりすぎて困るだろう

    塗料なんて季節ごとに塗り替えることもできないし

  4. 冷房より暖房の方がエネルギー消費が大きいらしいけどどうなんだろうか?白い塗料塗ったとところで冷え冷えにはならないか。

    1. ※7
      このへんは NTT がいろいろ研究と実際に使用してるかな。
      収容局は一定地域ごとにちっこい建物があって、それらの温度が上がらないようにしたいわけですが、外からの熱を断熱だけじゃなくて反射をすることでより冷却を楽にするって感じです。基本的に機械は温度が低いほうが良くて日本では害になるほど温度がさがらないので温めるほうの設備は北海道みたいなところ以外は多分ついてないハズ。北海道でもついているかどうかわかりませんけど (^^; というのも機材類は普通発熱しているので断熱設備だけで十分に熱くなります。

  5. カーテンみたいに屋根とか壁に使えれば、夏は白、冬は黒でイケそう。
    でも外で使ったら汚れちゃうからいつもキレイにしておかなきゃ効率悪いんだろうな。

  6. 世界一白い塗料と世界一黒い塗料をまぜてできる
    (推定)世界一灰色の塗料はどんな見た目になるんやろな
    白も黒も混色前提の作りはしてないだろうし

    1. ※10
      家にちょっと高い遮熱塗料を塗ったが、夏は確かに表面温度が下がる しかし冬は太陽の熱を吸収しないので室温も上がらない。気温によって反射したり吸収したりしてほしいね

  7. アルミをメッキしてその上にこの塗料を塗ったらもっと白くならないかな?

  8. 窒化ホウ素自体は熱伝導が高いんやけど。発泡してるから空気の熱伝導阻害の方が大きくない?というか白さで反射してる効果の方が大きいんか。

    1. ※14
      熱伝導が高いから塗装面から熱を奪うことで輻射熱も大きいんだろう

  9. 六方晶窒化ホウ素と言えば、この二人、谷口尚氏と渡邊賢司氏。
    来年こそは。

  10. 用途をよく考えないと
    スキーに行ってる訳じゃないのに
    ゴーグルやサングラスが必要になっちゃう

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