メインコンテンツにスキップ

人間は、AIが生成した顔の方が本物の顔より信頼できると感じていることが判明

記事の本文にスキップ

31件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
Advertisement

 顔画像を合成するAI(人工知能)の技術は驚くべき進歩を遂げており、それがこの世に実在しない人物の顔であるとは思えないほどのリアルさだ。

 もはや完全に”無気味の谷”を越えたと言えるだろう。それどころか、最新の研究によるとAIが生成した顔は、生身の人間よりも信頼できると感じられるという。

 本物の人間の顔とAIが生成した顔の区別がつかず、AI画像の方が信頼感を持たれるという今回の結果を受け、それが悪用されないよう、ガイドラインを定める必要があると、研究者は警鐘を鳴らしている。

本物の人間の顔とAIが生成した顔を見分けられるかを調査

 英ランカスター大学のソフィー・ナイチンゲール博士と米カリフォルニア大学バークレー校のハニー・ファリド教授らの研究グループは、 Nvidia社が開発した顔合成AI「StyleGAN2」で生成した顔画像をどのくらい識別できるのか実験した。

 実験では、300人以上の参加者に800枚の画像から選んだ128枚の顔を見せ、本物の顔写真と合成画像を区別してもらった。

 その結果、正解率は45%だった。つまり、参加者が正しく回答したとしても、偶然正解だったに過ぎず、ほぼ見分けられていないのだ。

 次の実験では、まず最初に、200人以上の参加者に顔画像を見分ける訓練を受けてもらった。その上で同じ実験に挑んでもらったが、それでも正解率は59%でしかなかったという。

 こうした結果を受け、研究グループは「顔画像生成技術は無気味の谷を越えており、もはや判別不能である」と述べている。

この画像を大きなサイズで見る
誰でも簡単に顔が生成できるジェネレータ / image credit:Generated.photos

AIで生成した顔の方が信頼できると評価

 私たちは他人の顔をパッと見ただけで、その人が信頼できそうか無意識のうちに判断している。人間の顔には豊富な情報が含まれており、人間はそれを瞬時に読み取れるのだ。

 だが、顔合成AIはそうした人間の本能的な能力ですら騙せるようだ。

 3つ目の実験では、別の参加者に128枚の顔写真を見せて、その人が信頼できそうかどうか評価してもらった。すると合成された顔は、本物の顔よりも7.7%信頼性が高いと評価されたのだ。

この画像を大きなサイズで見る
上段はもっとも正答率が高かった画像。下段はもっとも正答率が低かった画像。Rは本物の顔、Sは合成顔を表す(Credit: NVIDIA Corporation)

なぜ合成顔の方が信頼度が上がるのか?

 顔から感じられる信頼感は、人種や性別にも影響される部分はある。例えば、黒人は、南アジア人よりも信頼できると評価され、女性は男性よりも信頼できるとされる傾向があったが、それほど大きな違いはなかった。

 他の可能性としては、笑顔の影響を受けているとも考えられたという。研究グループによると、笑顔だとより信頼感が増す傾向にあるからだ。

 しかし今回の実験において、本物の顔で笑顔だったのは65.5%、合成顔では58.8%だった。笑顔の割合が少なかったのだから、合成顔の方が信頼できるとされた理由を笑顔によって説明することはできない。

 その理由について、合成された顔はより平均的な顔に近いからではないかと、研究グループは推測する。平均的な顔であるだけで、信頼感が増すのだという。

この画像を大きなサイズで見る
image credit:Generated.photos

AI顔画像合成による詐欺被害防止の為のガイドラインの必要性

 人間が合成顔を区別できず、あまつさえ信頼感まで感じてしまうという衝撃の結果に、研究グループは”ディープフェイク(AIにもとづく人物画像合成の技術)”による詐欺被害を防ぐための予防ガイドラインが必要だと述べている。

 たとえば、画像合成ネットワークに合成である証拠となる電子すかしを組み込むことが考えられる。

 また、コードを一般に公開し、どんなアプリにでも組み込めるようにするという、よくある自由放任主義的なやり方も考え直すべきだとしている。

 研究者らはこう語る。

今は極めて重要な瞬間です。他の科学技術分野でなされているように、グラフィック・視覚関連コミュニティが、合成技術の作成と配布に関するガイドラインを作成するよう推奨します。それは研究者・出版者・メディア配信者の倫理指針を組み込んだものである必要があります

References:AI generated faces are MORE trustworthy than real faces say researchers who warn of “deep fakes” | Lancaster University / written by hiroching / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 31件

コメントを書く

  1. とはいえ実際の写真ありきであって無から生成してる訳じゃないでしょ

    • +2
    1. >>2
      それは実在しない人間の顔を作る点では、何の問題にもならないよ

      • -4
      1. >>10
        問題があるかないかではなく、記事冒頭に書かれてる数行の文句がまるで全部AIが作りました感あると思っただけなんだよ

        • 評価
        1. ※27
          「元になる画像がある」といっても、元画像のパーツを組み合わせてとかそういうレベルじゃないよ?
          大量の画像を元に、人間の顔とはこういうもの、という一般法則を抽出してそれに沿った実在しない顔画像を出力してる
          あくまで元の画像はAIが「常識」を学ぶために使用されてるに過ぎず、作られた顔画像そのものはAIが一から作ったもの

          • -1
  2. 最近の整形の人の目頭を斜め下方向に切ってあるのとか見ると生理的に気持ち悪いんだよね。
    本能的な顔の識別反応と合わないからなのかな。

    • +3
  3. 健康食品の使用感想を語るモデルさんや
    商品に出会うキッカケの不健康物語の
    登場人物全員がフルCGの時代がくるかも
    しれない。

    • +11
  4. >本物の顔よりも7.7%信頼性が高いと評価されたのだ。

    誤差程度でしかない

    これで、「人間は、AIが生成した顔の方が本物の顔より信頼できると感じていることが判明」なんてひどい結論

    • -4
    1. >>5
      それが誤差であることを説明できなきゃ単なる決めつけだぞ
      そもそも複数ある実験の一つだからな

      • 評価
      1. ※11
        7.7%の意味が理解できない小学生か?

        パーセントの意味わかりますか?

        • -6
        1. >>12
          誤差の幅は対象によって変動するんだぜ?
          その考察もなしに7.7%だけ主張してるから、適当言ってるとわかるわけよ

          • -1
        2. >>12
          先に答えておく
          7.7%を誤差とする前提の、合成された顔と本物の顔の信頼性が期待値ではそれぞれ50%になるという根拠自体がないぜ
          ランダムに選択してるものじゃないことは、実験内容から明らかだ

          科学記事でよくある、数字の意味を考えずにただ突っ込むというパターン
          悪口は自己紹介と言ったものである

          • 評価
          1. >>17
            語弊あるなゴメン
            結果が同じとなる根拠がないという話ね

            • +2
  5. ハロー効果かな 誰でも皆不細工と病人は嫌い

    • +2
  6. たぶんAI作成の方は左右がほとんど対称なんじゃないかな だから子供の笑顔を見た時のように安心を感じるんだと思う
    普通の大人はぴったり左右対称に笑ったりなんて出来ないもんね

    • +7
    1. >>8
      左右対称とか、安い整形と同じで違和感の元だよ
      ウルトラマンのマスクも撮影時期ごとに違ったりするけど、左右非対称のほうが人間味を感じるということで最近のフィギュアではわざと非対称のマスクをモデルにしたものもある

      • +1
  7. もうどれが本物の人の顔かAIが合成したのかさっぱり分からん

    • +10
  8. 写真9枚くらい並べて「自転車の写真を選んでください」とか「バスの写真を選んでください」みたいな認証に、9人の顔を並べられて「AIの顔を選んでください」っていうのが出てきたら…

    • +7
  9. 結局人間は、視覚で多くを判断するから。
    人間に都合の良い外観には惹かれるのは当然で、人間の認識の限界なんだろう。

    • +2
  10. 女性の方が信頼感が高くなる、という話が書かれてるんだから、犯罪とかに絡みそうかどうか、凶悪そうに見えるとかの指標があるよね。
    AIはその辺を考慮して顔を作っているわけで、一方人間の顔はそうやって作ってないんだから、差はそりゃ出るでしょうな。

    • +2
  11. 原文読むと最後の実験(信頼できそうな顔選択実験)は223人に128枚とあるのでデータ数は28544件。
    通常、こういう実験での誤差範囲は√(データ数)に比例する。
    おおよそ100件で±10%、1000件で±3%、1万件で±1%程度。
    1万を超えるデータ数で7.7%も差が出るなら十分有意。

    本文にもあるけど、AI生成の顔はホクロ・シミ・シワが少なく、整った顔になりやすい。
    自撮りアプリで肌キレイにするフィルタかけたような顔になる。
    このあたりに原因があるんじゃないかな。

    逆に言うと、この差がなくなった時が本当に区別できない状態になるということ。

    • +6
    1. ※20
      つまりは、化粧をするとシミ・シワ・ホクロを隠蔽できるから、顔の信用度をあげているのかも?とも解釈できそうね。敷衍して、そういうのが少ない美男美女は信用されやすいとも?

      逆は真ならずとは言うけど相関しそう

      • +2
  12. これからはどれだけ自然に見えても出来過ぎな顔、好感度上がるツボを抑え過ぎた顔には要注意って事ね

    • +2
  13. 信頼できるというか↑の画像だと色違いの共通パーツ使い回してる感じだな
    特徴の無い顔をしてる
    実際に全部の画像を見比べてみないと記事の内容が正しいか判断出来ない

    • +1
  14. Generated.photosのほうは元のサイト行って見てみると画質良くて大きいから割とわかるね
    色なり形なり、だいたいどこか破綻しているポイントがある
    StyleGAN2のほうも見てみたいけど、何かインストールしたらいけるんかな?

    • 評価
  15. 自分もハロー効果だと思った
    左右対称に近い顔、またはその人種の平均に近い顔は美人・美形と認識されやすいから

    • 評価
  16. 画像の信用率4%の男の人(実在)かわいそす

    • +1
    1. >>28
      実際は凄くいい人かも知れないのに…… (´・ω・`)

      • 評価
  17. 多分、ゆがみ、いびつさじゃないかなと思った。
    生身の人間は、現実の人生を生きてゆく中で、心に多少の差はあれど、いびつさ、ゆがみ、曲がりを抱えて生き、それが顔に現れ、それが信頼性を損ねる、と1つ予想。

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

サイエンス&テクノロジー

サイエンス&テクノロジーについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

知る

知るについての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。