
ファッション業界のディスプレイには欠かせないマネキンだが、壊れてたり、劣化したマネキンは、マネキンはゴミとして捨てられる。分解できない素材でできているマネキンは、リサイクルが困難なことから、行きつく先は埋め立て地だ。
イギリスのリンカンシャー州には、「マネキン墓場」と呼ばれる場所がある。そこは不要なマネキンが大量に積み重なっている。
だが、ただ捨て置かれているわけではない。これはある女性が回収したもので、これらのマネキンを復活させる為に集められたものなのだ。
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MANNEQUIN HEIST! Drone captures over 15,000 mannequins
マネキンを一か所に集め、復活させるプロジェクト
イギリス・リンカンシャー州フルベックにあるサルベージ・ヤード(スクラップ回収所)は、マネキンの墓場と呼ばれるほど何万もの廃棄されたマネキンで埋め尽くされている。大量のマネキンが横たわるその光景は、独特の雰囲気を醸し出しており、地元のランドマークともなっている。
しかし、これは勝手に捨てられたものではない。ロズ・エドワーズさん(49歳)が回収し、ここにまとめておいたものだ。彼女はこのマネキンを復活させるプロジェクトを行っている。
ここは、マネキン(mannequine)の綴りを文字って、マナキンホール(Mannakin Hall)と名付けています。主にファッション業界で使用されるマネキンは、出番が終わればゴミとして捨てられる。
Manna(マナ/マンナ)は、旧約聖書「出エジプト記」にある言葉で、神からの奇跡の食べ物という意味。それに同胞・気心の合う人を意味するKindred Spirit(キンドレッド・スピリット)からのkinを取って、Mannakinと名付けました。
当時、人生に意味を見出せなかった時期にいた私にとって、この命名はパーフェクトだと思えました。
パーツがバラバラになったり汚れたりしたマネキンは、文字通り大量の山となり、埋め立て地行きとなる。グラスファイバーでできているマネキンは、分解性がなく、リサイクルが困難だからだ。
ロズさんは、そんなマネキンをこの敷地内に集め、マネキンの墓場を作った。
やがて「マネキンを回収して集めている変わった女性がいる」と噂が噂を呼び、マナキンホールには海を超えたヨーロッパからも大量のマネキンが持ち込まれた。
捨てられたマネキンを復元し再利用
リサイクルできないのであれば、捨てられたマネキンを復元して再利用してはどうか、というアイデアを思い付いたロズさんは、汚れたパーツを綺麗にし、愛情をこめて復元する作業に取り組んだ。2018年にはマネキンの墓場で火災が発生し、数千体のマネキンが燃えたが、それさえもロズさんはできる限り復元させた。
現在、15000〜20000体はあるとされるマネキンは、イベント用に販売したり、貸し出したりしている他、再びファッション業界に戻ったり、映画やミュージックビデオ、アートプロジェクト、個人の庭のオブジェなど、様々な用途に使用されているという。
また、人々がマネキンの墓場をドライブスルーして、マネキンを購入することも可能だ。
50ポンド(約7800円)払えば、15分間敷地内を車でスルーしてもらって、好きなだけ好きなパーツを集めて車に詰め込んで持ち帰ることができます。手や脚など、細かいそれぞれのパーツは、少なくとも10セット1つにまとめて置かれてある。15分で十分な量を回収することができるようにというロズさんの客への気配りだ。
コロナ禍でも結構人気があったので、予約制にして皆さんに来てもらいました。
以前、大量に手だけを回収して行ったお客さんがいました。車のトランクにはマネキンの手がたくさん伸びていて、ちょっと不気味でした(笑)
ハロウィーン時期にはマネキン墓地イベントも
地域では、“不気味なランドマーク”として知られているこのマネキンの墓地は、ハロウィーン時期にはぴったりのイベントが実施される。夜に、血塗られたゾンビのようなマネキンがディスプレイされる敷地内を歩いて回るというツアーだ。
こちらも結構な人気で、毎年チケットはほぼ完売になるという。
分解性ではないために、リサイクルできないマネキンも、ロズさんによって復元されると再利用が可能になる。
英メディアの取材で、ロズさんはこのように話している。This place looks creepy but it's helping to save the planet.
— BBC Radio Nottingham (@BBCNottingham) May 3, 2019
Also, you can go and visit @mannakin tomorrow. Details here: https://t.co/jlcI9IRiwz pic.twitter.com/4UteFErG0a
一度使っただけで捨てられてしまうのは悲しいことです。マネキンの復元はちょっぴりユニークなアイデアですが、物を大切にするというコンセプトで、マネキンだけでなく全てのものを再利用できるように取り組んでいくことが、今の私たちには必要ではないでしょうか。
The meters-high mountain of mannequins in the Midlands
written by Scarlet / edited by parumo
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コメント
1. 匿名処理班
アカウント見てきたけど復元されたマネキンは美しく蘇ってるね
環境にも優しい素晴らしいプロジェクトだと思う
ドライブスルーで7800円で購入可能ってアイデアも良いなあ
自分なら実物大のきせかえドールにリメイクしてみたい
2. 匿名処理班
これは探偵ナイトスクープの依頼案件の臭いがするな(過去のナイスクの依頼を思い出しながら)
3. 匿名処理班
つまり彼女がリサイクル業者として会社を興して、マネキンを廃棄しない経済サイクルを作ればいいんでねえか?個人がやるのは限界だけど、企業としてやれば埋立地に行くマネキンはなくなって環境にやさしいわけだし
ただマネキンを制作する会社がもうからなくなるのかな?
4.
5. 匿名処理班
娘の部屋掃除の時に押し入れから
いきなりヘアマネキン(首から上)が
出てきたので驚いて倒れた
首から下を希望します!
6. 匿名処理班
マネキンに13日の金曜日仕様など見たらきゃというような
怖い顔や逃げ出す姿に変える仕様に空き巣対策へ仕立て
置いておく改造を俺はやりたいな
7. 匿名処理班
男性向けの柔らかいマネキンは
中古でも飛ぶように売れてるんだけど
硬いマネキンは用途が限られるからなあ。
8.
9. 匿名処理班
※7
柔らかいのがどういうのかはわからないけど、マネキンって結構高くて 5 万とかするのよね。
写真見ると脚というか下半身が多くみえるけど上半身ならトルソー(私が知ってるのは10万くらいする)の代わりになるかも。
10. 匿名処理班
デトロイトビカムヒューマンのアンドロイドの墓場みたい
11. 匿名処理班
※7
マネキンとは服をディスプレイする目的のものを指すものです
あなたの言ってるそれがもしアダルトな男性しか持てないものだったらそれは実物大と言うだけでまったく別物です(白目)