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ネズミがテレビゲームをプレイ。名作FPS『Doom』の仮想ワールドで敵を狩る

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(著) (編集)

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 仮想現実にダイブして、全身でプレイするVR環境は、ゲーマーなら一度は憧れたことがあるはずだ。そんな羨ましい装置を与えられたネズミたちがいる。

 その3匹のネズミたちは、VRデバイスを装着して、人気のFPS『Doom II』の仮想ワールドをズンズン突き進みながら、敵を殺戮するのだ。

ネズミ用VRデバイスでゲームのやり方を教える

 ネズミ用VRデバイスは、神経工学者ビクター・トス氏が製作したものだ。

 彼の目的は、ロメロ、カーマック、トムと名付けられた3匹のネズミたちに、3Dゲームのプレイ方法を教えること。

 だが、手間暇かけて人間が直接教えるのではない。そこにいるだけで、自動でトレーニングが行われる。そんなシステムの開発が狙いだった。

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 基本的なシステムは次のようなものだ。

 まず3D環境は、FPSの名作『Doom II』のエンジンで描かれるカスタムマップで、長い通路のようなステージに出口や静止した敵キャラが配置されている。

 この世界にネズミをダイブさせるために、ディスプレイを設置する。だがネズミの視野は300度と非常に広い。

 そこで、没入感を高めるために、できるだけ視野を包み込むような湾曲ワイドディスプレイが採用された

 ネズミの体の動きは、ボールの動きによって検出する。ボールの上にネズミがハーネスで固定されており、手足を動かすとルームランナーのように転がる。これを昔のPCの”マウス”(ネズミだけに)の要領で検出して、Doom内のプレイヤーの動きに変換する。

 また射撃は、ネズミが体を起こすことで行う。ネズミが体を起こすと、ハーネスの動きでボタンが押され、これがトリガーとなる。

VR Setup Overview

 だが、せっかくのVRデバイスもネズミが使い方を理解してくれなければ、何の意味もない。そしてトス氏の狙いは、人間の手を借りずに、ネズミが勝手に学習できるシステムを作ることだった。

 そのために正しい行動をすれば、目の前に伸ばされたチューブから甘い砂糖水が飲めるようになっていた。

 たとえば射撃のトレーニングなら次のような具合だ。

・ネズミが通路を歩いていると敵キャラに遭遇する
・ソフトウェアがこれを検出し、電磁弁を起動してネズミを軽く持ち上げる
・するとボタンが押されて、敵キャラが打ち倒され、ご褒美の砂糖水をゲット

 これを通じて、徐々に射撃行動が強化される。

11日間である程度はプレイできるように

 こうしたトレーニングを11日間積んだ成果は、ご覧の通り。ネズミたちは通路をズンズン進みながら、群がる敵を次々と撃破している、ように見える。

Rats Running in Doom

 だが実際には、時間が足りずに射撃行動はきちんと強化されなかったそうだ。またネズミが自分からボールに乗ることはなく、トス氏がわざわざ乗せてやらねばならなかった。

 ついでに当初、2000ドル(約22万円)だったはずの予算も、4ヶ月の制作期間で最終的には倍もかかってしまったとのことだ。

 それでも11日の訓練で、ネズミがここまでプレイできるのだからすごい。

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ゲームプレイで行動と神経活動の連動を記録

 そもそもなぜこんな手のかかった装置を作ろうなどと思ったのか? それはトス氏が神経の研究者であることに関係がある。

 人間であれ、ネズミであれ、ゲームプレイには、さまざまな認知プロセスが関与している。こうしたVR装置なら、複雑な認知プロセスと行動を、より自然な形で結びつけて記録できると考えられるのだ。

 またゲームエンジンを使えば、バラエティ豊かな環境を手軽に作れるというメリットもある。これまでなら高価な実験設備が必要だった実験も、VRがうまく機能するのならソフトウェアだけでできるようになる。

 今回のトス氏の試みは、完全に成功したわけではない。それでも臨床前段階の神経科学研究において、VRを利用した実験が増えるよう期待しているとのことだ。

References:Rats in Doom: a novel VR setup for rodents | Mindsoft / Rats named Carmack and Romero are playing Doom | PC Gamer / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 13件

コメントを書く

  1. ねずみの行動が画面と連動してるのかどうか対照実験しないと意味なくない?
    ボールの上で「足動かすと甘いの出てくる」たまたま顎が当たって「足動かしたらやっぱり甘いの出てくる」くらいしか考えてなさそう

    • +7
  2. まあ、人間も似たようなもんです。
    敵を倒すとドーパミンが放出され、それがシューティングゲームにおける「報酬」なんですから。

    • +5
  3. マウスじゃなくてトラックボールのような気が

    • 評価
  4. 「遠隔操作された戦車の操縦者は、玉乗りしてるネズミだった」
    とか最高にSF味があると思う。

    • +5
  5. ネズ公「本気出したらオマエラ凹むやろ」

    • 評価
  6. ちゅちゅちゅちゅ!!!
    ちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅちゅ!!!
    ちゅちゅちゅちゅー!!!
    PS5が欲しいでチュー!!

    • +1
  7. Project Pigeonというオペラント条件づけによって訓練された鳩によってミサイルを誘導しようとする試みに似ている。

    • 評価
  8. こういう結果の微妙な地味な記録もきっと何かの役に立つんだろうね、立つと…いいね…
    でも飛躍したアイデアっていうのも新しい分野の開拓には必要だなとは思うよ
    あとネズミの服が可愛い!

    • 評価
  9. 近未来、謎の敵軍から侵略されていた日本
    壮絶な戦闘の結果敵兵を仕留めてヘルメットを取ると・・・・ネズミが操作していた・・・
    最高に怖い物語出来そうじゃね

    • 評価
  10. ネズミが人間の殺戮に目覚めたのかといやこれから目覚めたりしてな

    • 評価

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