メインコンテンツにスキップ

ヒト族の絶滅種、ホモ・ナレディの子どもの頭蓋骨が発見される

記事の本文にスキップ

11件のコメントを見る

(著) (編集)

公開:

この画像を大きなサイズで見る
credit:Wits University
Advertisement

 25万年前に絶滅したヒト族の絶滅種、ホモ・ナレディが発見されたのは、2013年のこと。南アフリカの入り組んだ洞窟の奥深くで発見された。

 少なくとも15体分になる1,550以上の骨の断片が発掘されているが、このたび、同じ場所で子どもの頭蓋骨の一部が見つかった。

 破片をつなぎあわせてみて、6歳くらいの子どもの骨であることがわかったが、この骨が置かれていた場所が、今回の発見のもっとも重要なポイントになるかもしれない。彼らの死者の扱い方がわかるからだ。

謎多きヒト族の絶滅種、ホモ・ナレディ

 ホモ・ナレディの発見は、この10年で最大の科学的トピックのひとつだ。発見場所であるライジングスター洞窟は、初期人類の骨が多数出土しているため、「人類のゆりかご」と呼ばれている。

 ホモ・ナレディは小柄なヒトの身長・体重と同じぐらいで、脳硬膜の容積はアウストラロピテクスに似て小さいが、頭蓋骨の形状は初期の人類に近い。

 骨格の構造は猿人で知られている原始的特徴と初期の人類で知られる現代的特徴を合わせもつ。

 ここから見つかったホモ・ナレディの化石は、ほかのヒト属のものよりも数が多いにもかかわらず、現生人類と共存していたであろう、この親戚の行動についてはほとんど知られていない。

 ホモ・ナレディの子どもの頭蓋骨が発見されたのは初めてのことで、研究の突破口になるかもしれない。この子どもはレティと名づけられた。

 レティの発見は、学術誌『PaleoAnthropology』で発表され、付随する論文には洞窟の全容についての最新情報が更新されている。

この画像を大きなサイズで見る
credit:Wits University

現生人類よりも頭が小さいが高度な文化を持っていた

 論文の共著者、デボラ・ボルター博士によると、レティの頭蓋骨の大きさは480~610立方センチで、大人の脳のほぼ90~95%に当たるとのこと。

 つまり大人になっても頭蓋骨が非常に小さいということだ。歯の状態から、4歳から6歳と思われ、性別はわからないが、人類学者は今のところ、女性として扱っている。

この画像を大きなサイズで見る
レティの頭蓋骨は小さいが、ホモ・ナレディの大人の頭蓋骨も現代の私たちよりもかなり小さい / image credit:Wits University

「ホモ・ナレディは、これまで発見された古代人の中でも、もっとも謎に包まれた私たちの親戚なのです」研究チームリーダーのリー・バーガー博士は言う。

これまでアフリカには現生人類しかいなかったと考えられていた時代に存在していた、初期の人類であることは確かです。

当時、この場所に彼らが存在していたということが、複雑な石器を発明し、儀式まで行った文化をもっていたという点で、最初に誰が何をしたのかという私たちの理解を、より複雑にしています

ホモ・サピエンスと同時期に存在していた可能性

 2015年に初めてナレディのことが発表されたとき、とても小さな脳だったことから、非常に古いもので、およそ200万年前のものと推定された。

 しかし、電子スピン共鳴技術を使ったその後の研究から、歯が33万5000年~24万1000年の間のものとされた。

 つまり、私たちの直接の祖先であるホモ・サピエンスは、当時アフリカに住んでいて、彼らとかなり近いところにいたことになる。

 レティが発見された場所は、曲がりくねった通路がクモの巣のように張り巡らされた洞窟の一画だったという。

 非常に小柄な女性しか通れないような、幅が15センチしかない狭い通路が所々にあり、こんな場所を探検するのは至難の業だ。

この画像を大きなサイズで見る
credit:Wits University

 ホモ・ナレディは、私たちよりも体が小さかったとはいえ、明かりもない中、この狭さはさそかし窮屈だったに違いない。

この画像を大きなサイズで見る
ライジングスター洞窟は、南アフリカの主要なふたつの町から簡単に行くことができるが、内部の構造は複雑だ / image credit:Wits University

頭蓋骨は安置されていた可能性

 発見されたホモ・ナレディの子供の頭蓋骨、レティという名は、「失われた者」という意味のレティメラ(letimela)というセツワナ語を縮めたもの。

 レティの頭蓋骨は、ナレディのほかの遺骨があった場所とはかなり離れたところから見つかり、頭蓋骨以外の骨はなかった。

 頭蓋骨だけが、洞窟の地面から80センチの高さの棚のようになっているところに置かれていた。水に流されてきたり、捕食者に引きずられてきたとは考えられなかった。

この画像を大きなサイズで見る
credit:Wits University

 研究者たちは、ほかのナレディがレティの頭蓋骨をそこに安置したに違いないと考えている。どうしてそんなことをしたのかはわからないが、おそらく悲しみにくれる親の気持ちをくんだ行為ではないだろうか。

 もしそうだとしたら、私たちよりもずっと小さな脳をもつナレディが、弔いの儀式という文化をもっていたことになる。

 以前の研究論文では、洞窟内で死んだわけではない大人のナレディの化石が見つかったのは、洞窟が遺体を野生動物の捕食から守り、死者を安置する霊廟の役目を果たしていた証拠ではないかと主張している。

 肉食動物や清掃動物によるダメージの痕跡が見当たらないのは、そのせいかもしれない。

※このコンテンツは教育および情報提供のみを目的としています。

References:Immature Hominin Craniodental Remains From a New Locality in the Rising Star Cave System, South Africa | PaleoAnthropology / Homo Naledi Child’s Skull May Reveal How They Treated Their Dead / written by konohazuku / edited by parumo

📌 広告の下にスタッフ厳選「あわせて読みたい」を掲載中

この記事へのコメント 11件

コメントを書く

  1. 仲間の死を悼む動物は他にもいるけど、死者を埋葬するのは人間だけなんだっけ
    現在確認されている最古の埋葬はネアンデルタール人のものでおよそ10万年前だというが、もしこの記事の内容が事実だと今後確認できれば埋葬の歴史がぐんと遡るわけか

    • +9
    1. ※8
      それはないんじゃないかな?
      ※2にあるように埋葬はあったと思うけど、自分より上位の存在に身体を捧げる行動は神の存在等を生活に取り入れてからだと思うよ。

      大雑把だけど宗教の期限のWiki
      ttps://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%AE%97%E6%95%99%E3%81%AE%E8%B5%B7%E6%BA%90

      • +5
  2. 正直乳児から成人までの遺体を担いだ状態で画像のような狭い場所を
    何の灯りも無い真っ暗闇の中を無事通過できるとは思えないので
    記事にリンクされてる以前の論文にあるように
    集団で迷い込んで全滅したように思える

    • +1
    1. ※10
      でも、堆積の様子から
      少なくとも一気に大量死滅だった訳じゃなく
      ある程度の期間にわたり複数回 死体がもたらされていて
      (何回か別々の家族連れが迷い込んだ可能性はあるが)、
      他の人骨がまとまって発掘されるような洞窟遺跡と異なり
      群れが特定箇所で一網打尽の脱出不能に陥るような落盤の痕跡
      なども見当たらなかったんだよね?

      • +2
  3. そんなに前の種族?なら発見現場の洞窟の状態も今と違ってた可能性はないのかな。こんなに複雑じゃなくてもっと広かったり明るくて住みやすかったとかさ

    • +2
  4. 永久歯が埋まってるの見ると気持ち悪いと思うと同時にめちゃくちゃほじくりかえしたくなる。

    • 評価
  5. 疑問なんだけど、なんで生首状態の頭を置いたことで、弔いになるんだろう…不気味に思ったりしないのかな?
    それとも、発見された洞窟自体が墓場って位置付け?事情があって、首しか弔えなかったのか…?気になるなぁ

    • 評価

コメントを書く

0/400文字

書き込む前にコメントポリシーをご一読ください。

リニューアルについてのご意見はこちらのページで募集中!

歴史・文化

歴史・文化についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

人類

人類についての記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。

最新記事

最新記事をすべて見る

  1. 記事一覧を読込中です。