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トレーニング後に傷ついた筋肉が修復される決定的瞬間を激写

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(著) (編集)

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 ジムやトレーニングで激しく運動すると、その負荷によって筋肉には小さな傷がつくのをご存じだろうか?でも大丈夫。筋細胞の管理センターである「核」が駆けつけて、傷を修復してくれるのだ。

 筋肉は裏切らないというけれど、筋肉を保護する細胞も裏切らないようだ。

 スペイン、ポンペウ・ファブラ大学などの研究グループは、細胞レベルで起きている筋肉修復の決定的瞬間を撮影。『Science』(21年10月15日付)で発表した。

筋肉を構成する「筋繊維」と「筋節」

 私たちが体を自由に動かすための「骨格筋」は、細い菅のような細胞が集まってできている。糸のような繊維にも見えることから、これらを「筋繊維」という。

 筋繊維の1本1本には、「筋節(きんせつ)」という収縮装置(骨格筋組織)が内蔵されている。運動するとき、伸びたり縮んだりするのがこれだ。

骨格筋の構造

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photo by iStock

運動で裂ける筋繊維を修復するプロセス

 この筋節は激しい運動をすると傷がつく。

 たとえば、肩の高さからゆっくりとダンベルを降ろすバイセップカールの後半プロセスや、下り坂を駆け下りたときなど、筋肉は「遠心性収縮」をする。つまり筋肉は収縮しているのに、結果として引き伸ばされるのだ。

 これは筋肉を鍛える方法でもあるが、筋繊維が過剰に引き伸ばされるため、筋節まわりの膜が引っ張られて裂けてしまう。

 すると筋細胞は直ちにレスキュー活動を開始する。

 膜の損傷部位にタンパク質の”フタ”ができたり、裂け目から細胞に入り込んだ余分なカルシウムをミトコンドリアが吸い取ったりする(筋細胞の正しい機能に邪魔になるから)。

 ここまではすでに知られていたことだ。だが今回の研究では、さらに筋細胞の「核」までが駆けつけることが明らかにされている。

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傷口へ向かって移動してくる筋細胞内の核(紫) / image credit: William Roman

運動後5時間で修復プロセス開始

 研究グループは、トレッドミルで走ったマウスと人間から、一定時間ごとに足の筋繊維を採取し、観察した。

 するとどちらも運動後5時間で、筋繊維の裂け目のまわりにタンパク質が蓄積し、”傷跡”ができることがわかった。

 さらに24時間が経過すると、遠くにあったはずの核が群れをなして裂け目に近寄ってくることまで判明した。

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核は、筋線維の損傷部位の近くに集まる / image credit:William Roman

mRNAの爆発的増加と核の移動

 研究グループは、核が移動する様子をさらに詳しく知るために、培養したマウスの筋細胞をレーザーで傷つけ、何が起きるのか観察してみた。

 するとレーザー照射から5時間で、タンパク質が集中的につくられることがわかったという。とりわけ核が移動してきたあとには、mRNA(メッセンジャーRNA)が爆発的に増えることが確認された。

 mRNAは核内につくられる遺伝的設計マニュアルのようなものだ。DNAの設計図をコピーして、細胞内に運び、それに基づいて新しいタンパク質がつくり出される。

References:Muscle repair after physiological damage relies on nuclear migration for cellular reconstruction / Stunning images show how muscles heal themselves after a workout | Live Science / written by hiroching / edited by parumo

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この記事へのコメント 31件

コメントを書く

    1. ※1
      ちゃうねんちゃうねん
      関節が裏切るわけちゃうねん
      ただ過度な期待はせんといたってや
      もともと潤滑油として入社してきたようなもんやねん

      • +1
    2. >>1
      なんで関節さんは修復しないですり減ってくばっかなんだろうな。
      もっと頑張ってほしい

      • +6
    3. >>1
      みんな、関節を責めないであげて。
      奴なりに頑張ってるんだから(T_T)

      • +2
  1. まるでちゃんと意識を持った妖精が傷を癒してくれてるような。
    生命って不思議だなー。

    • +9
  2. mRNAワクチンは筋チューで壊れた組織を修復しようと大量転写されたmRNAに便乗させる形でウイルス外殻を作らせるわけか

    • +3
  3. エヴァンゲリオンが再起動するときのBGMをつけて読みたい記事

    • +1
  4. 高齢者の入り口にありながらも筋トレを趣味としているワタクシとしては、感涙にむせびたくなるような記事と写真でした。ぱるもさん、ありがとう。
    わが筋繊維における核たちも、トレーニングのたびにこのように頑張ってくれているのですなあ!

    • +14
  5. よし、今日も明日明後日もチートデイだー🍰🍜🍔!

    • +3
  6. 江戸の火消しみたいなもので普段はのんびりしてるが
    いざ火が出ると祭りだーと一気に動くようなものか

    • +2
  7. 「筋節」を「筋筋」って読んじゃった「えっ、キンキン?愛川さん???」ってなっちゃったよ。

    • +1
    1. >>10
      な~るほど・ザ!ワールド‼️
      または
      ハイ!&ロ~‼️

      • +1
  8. 損傷と修復を繰り返して鍛えられてたくましくなっていくんだよね

    • +2
  9. 切り傷も治るんだから筋繊維も治るのは当然。
    でも運動後の超回復は否定されていたよね。

    • 評価
    1. ※12
      超回復理論が否定などはされていませんよ。
      ただ、古典的な超回復理論は単純すぎていて、実はさまざまなファクターが絡んでいることが明らかになり、修正が行われているというのが現状です。

      • +4
    2. ※12
      切り傷では細胞分裂が促進されてたりもするんでは?
      組織レベルの修復と、細胞レベルの修復は分けて考えたほうがいいと思うよ。

      新しい細胞を作るのと、既存の細胞を修復するのではどちらが得か?
      おそらくそれをうまいこと判断して切り替えているんだろうね。
      生命体はすごい!

      • 評価
  10. 調子に乗ってバンバン壊してたらそれだけ早くテロメアから「もう修復できませーん」って言われそうな気がするんだけど、筋肉だけは違うの?

    • +1
    1. ※16
      そう簡単にテロメアがなくなったりはしないですよ。普通は。
      中には極端に短いテロメアを持っている人もまれにいますので(テロメラーゼ機能不全突然変異)、そういう方は注意が必要ですね。

      • +1
  11. 「筋繊維が過剰に引き伸ばされるため、筋節まわりの膜が引っ張られて裂けてしまう」
    えぐいなあ、筋トレしてるけどなんだか怖くなっちゃったよ

    • +2
    1. ※25

      大丈夫よん。たくましくいて(*^^*)

      新陳代謝とは、破壊と生産の繰り返しで
      生きて使ってる限り、筋肉は再生される
      その過程で負荷分増強するん
      モヤシ若者でもムキムキ老人になれる

      父78歳要介護4、
      リハビリ半年で二足歩行の筋力ついてきてる
      男性のタマタマは死ぬまで骨筋肉に味方するらしいん
      我は中年女性。うらやましいぞえーん(´Д`)
      負荷かけてないのに複数指腱鞘えーん(´Д`)

      • +3
        1. ※29
          おお! お手てイタタ仲間 m(;0;)m 
          朝、指がバンバンに腫れてるよね

          じいさんよりも、弱い自分…( ノД`)シクシク
          通院の車椅子介護辛かったぁ

          関節が変形しないよう気を付けようね☆お大事に

          • 評価

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