ポールに繋がれ放置されていた犬は、まだ人間を信じていた。警察官にお手をする姿に心が痛む

　アメリカ・フロリダ州南部で、やせ細って衰弱した犬が、熱い最中、ポールに繋がれて放置されているという通報が寄せられた。

　駆け付けた保安官事務所の警官は、犬が人間に酷い目に遭わされたにもかかわらず、まだ人間を信じており、喜んでもらおうと、前脚をゆっくりと出してお手のポーズをしたその姿を見て心が痛んだという。

　その後、保護され獣医のもとで治療を受けた犬は、現在救済施設で元気に回復中だ。 URGENT - DOG LEFT TIED TO A POLE

炎天下の中、鎖に繋がれ放置された犬の通報を受ける

　8月6日、フロリダ州南部ブロワード郡ポンパビーチ市でポールに犬が繋がれているという通報が寄せられた。

　同郡保安官事務所のアンジェラ・ローレラ警官は、当日の外気温が38度近くに達していたことから、早急に犬を保護しなければならないと、急いで現場に駆け付けた。

　すると、かなり衰弱した様子の痩せ細った灰色の犬が、短い紐でポールに繋がれており、ローレラ警官は心を痛めた。

警官に前脚を差し出しお手のポーズをした犬

　犬が放置されていた周辺にはCCTV（監視カメラ）はなく、誰が犬を捨てたのか、また犬がどのぐらいの間そこにいたのかを知ることは不可能だった。

　犬の近くには餌の皿が置かれていたが、誰が置いたものなのかもわからない。

　ただ一目見て、犬は早急な獣医院での治療が必要だと悟ったローレラ警官は、犬を保護しようと近付くと、犬は前脚をゆっくりと差出し、お手のポーズをした。

　お手をすると人間が喜ぶことを知っていたのだろう。衰弱しながらも必死に手を差し出す健気な姿を見たローレラ警官の心はさらに痛んだ。 　ローレラ警官から連絡を受けたエバーグレーズにある動物救済施設『100+ Abandoned Dogs of Everglades Florida』の代表者および創設者であるエイミー・ローマンさんは、犬をリアムと名付け、しばらく預かることにした。

脱水状態だったリアムは、現在順調に回復中

　ローマンさんは、リアムを施設に引き取った時のことをこのように話している。

実は、リアムを保護したと連絡を受けた時、施設の受け入れ制限を超えていたのですが、事情を聞いて躊躇うことなく引き受けました。

リアムはかなり衰弱し、痩せて脱水状態になっていました。獣医院を何度も訪れて治療を繰り返したおかげで、少しずつ回復し、食欲も出てきました。

今はまだ24時間体制で私の家でケアをしています。

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　ローマンさんや施設スタッフの献身的な愛情と世話を受けて、元気を取り戻しつつあるリアム。ローマンさんいわく、フロリダ州ではリアムのように飼い主に捨てられる犬が後を絶たないという。

今や、保護施設はパンク状態です。それでも、どうしても飼えなくなった時には残酷に遺棄するより、避難所や救済施設に助けを求めてほしい。そうすれば、リアムのように第2のチャンスを得ることができます。

動物保護活動を通して、私たちは犬から多くのことを学ぶことができます。犬たちは、どんなに人間に酷い目に遭っても、まだ信じたいという希望を見せてくれます。

思いやりとは何か、ということを私たちに考えさせてくれます。

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　施設では、リアムが少しずつ元気を取り戻していく様子をインスタグラムでシェアしている。第2のチャンスを得たリアムが永遠の家を見つける日も、そう遠くないかもしれない。

written by Scarlet / edited by parumo
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